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カート・ヴォネガットの書籍タイトルについて他
カート・ヴォネガットの書籍タイトルを 教えてください。 あらすじは "容貌で差別しないように美人は顔を半分隠したり、 頭がいい人は思考力を邪魔するためにいつでも雑音が入るヘッドギアをつけてたり、 そうやって全員を平等にする未来について"です。 また、カート・ヴォネガットの本の中で、 最もカート・ヴォネガットらしい本があれば 教えてください。 よろしくお願いいたします。
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質問者が選んだベストアンサー
こんにちは。 1、カート・ヴォネガットの書籍タイトルについて 『ハリスン・バージロン』です。 「モンキーハウスへようこそ」という短編集に 収録されているもので読みました。 絶版になっているので、 図書館の閉架から借りました。 ハリスンの父親と母親が、 テレビを観ている話ですよね? 2、最もカート・ヴォネガットらしい本があれば 教えてください。 これは難しいですね・・・。 質問者様は、どの作品だと思いますか? 私は、「モンキーハウスへようこそ」 「スローターハウス5」 の2冊しか読んでいないので・・・。 文学部の課題で出題されたのなら、 まず及第点に届かないであろう、根拠を書きます(笑)。 「スローターハウス5」です。 作者が従軍したドレスデン攻略作戦の 影響が伺える作品です。 いくつもの時間、場面を、 まるで裁断機でスライスしたかのように、 次々とぶつ切りにしていきます。 いくつもの時間、場面を 描いていても、 「人生なんて、そんなものだ」というフレーズをいれる事で、 場面の収集がつかなくなる事を上手に避けています。 では、なぜ、 いくつもの時間、場面を描くのか。 「今日があって、明日があって連続している時間の中に私がいるのなら、 愛着だって持てただろう。 ・・・でも、私は、また違う時間の中へ飛んでしまうんだ。」 この言葉はうろ覚えなので、 もう一度読んでみたいところです。 自分は愛情を持っている、 でも、その愛情を持ち続けるには、 まあ状況など、いろいろあって大変なわけです。 (だからこそ、より一層大事なものかもしれませんが) そういうテーマで描かれた小説はもう掃いて捨てるほど存在しますが、 一見残酷だったり、奇妙だったり、 そうした場面を行き交う主人公がつぶやく事で・・・。 そういった「愛着、という感情」が、 まるで首筋にナイフをつきつけられたように、 読者が存在を意識せざるを得なくなる部分は、 本当に上手だと思いますよ。 『新しい辞書』(「モンキーハウスへようこそ」収録)で、 ヘミングウェイを、 なにげない言葉ひとつをとっても、使い方がとても上手だ、 と評しています。 彼がヘミングウェイを意識して、 「言葉の魔力をとことん使いこなす」作風なのか、 「あえて彼のようにはならず、言葉の力を信じないで突拍子のない作品を作る」作風なのか・・・。 それは、私よりももっと読む力のある書評家、読者の判断に委ねる事にしまして。 まあ私は、前者だと思っています(笑)。 ヴォネガットは、 一見、皮肉でペシミストと思えるような作品が目につきますが、 「愛は消えても、親切は残る」という言葉を残しています。 そうした【アタタカイキモチ】を描くのは、 やもすると、とてもベタで、 【もう語りつくされているよ】感が拭えない作品になってしまいます。 (私自身は、恥ずかしながら、そういうベタな部分は大好きです。) ですので、一見皮肉に見えてはいても、 【アタタカイキモチ】を際立たせる彼の作品は、とても新鮮です。 よって、そういう魅力のある、「スローターハウス5」が、 彼らしい作品のような気がします。 『永遠への長い道』(「モンキーハウスへようこそ」収録) も、彼の実話に近い話ですが、 ・・・甘い話ですね♪ (私は大好きですけど。) 一見皮肉屋、でも・・・。 ・・・。の部分を捨てきれないで、 大事にしている気がするんですよね。 本当にそうなのかは、 今後、「猫のゆりかご」「タイタンの妖女」を 読みながら、ゆっくりと考えるつもりです(笑)。 答えがでないかもしれませんが。 あと、mixiの中で、 ヴォネガット好きの人が集まる掲示板があります。 その中の【好きな作品】のアンケートでは、 以下の3作品に人気がありました。 「スローターハウス5」(投票数の30%) 「猫のゆりかご」 (投票数の18%) 「タイタンの妖女」 (投票数の17%) 代表作品として、 挙げるなら、 読者に人気のある作品かもしれません。 もっと信頼のおける書評などが紹介できずに、 申し訳ありません。
お礼
ありがとうございます!!!!! タイトルがわからずもやもやしていたので、 とってもすっきりしました。 週末、図書館に行ってきます。 ヴォネガット好きの人って多いんですね。 メジャーな作家だと、今日初めて知りました。 本当にありがとうございます。ぺこぺこ