多分、プロプラノロール(商品名インデラル:成分名:塩酸プロプラノロールのこと)でしょう。プロプラノロールは、非選択型β遮断薬と呼ばれるお薬です。効能は、血圧降下、不整脈を目的に処方されます。人間の神経は、中枢神経と末梢神経があり、末梢神経には、自律神経、体感神経(痛みを感じるもの)の2種類があり、さらに、人間の生命維持に関る自律神経は、交感神経と副交感神経があります。交感神経が高まると緊張状態、副交感神経が高まるとリラックスした状態になり、それぞれの神経のバランスにより生体が維持されています。交感神経の神経末端には、α型とβ型の2種類のレセプター(受容体)があり、心臓には、βレセプター(とりわけβ1型)と言われるものが多くあります。交感神経が高まると心臓にあるβ受容体にアドレナリンと言う化学物質が結合し、心臓の拍動数が多くなり、血圧が上昇します(怒ると血圧があがり、カッカしてくるでしょう!)。そこで、プロプラノロールを服用すると、本来、アドレナリンが結合するべきβ受容体に先回りして結合し、アドレナリンが結合できなくなり、交感神経が高まっても、β受容体に結合できないため、心臓の拍動数が減少し、血圧が下がります。ただし、β受容体はβ1型とβ2型の2種類あり、プロプラノロールは非選択型といってβ1型とβ2型の両方をブロック(先回りしてアドレナリンが結合できなくする)します。β型の受容体は、心臓のほかに、気管支の筋肉(気管支平滑筋)にもあり、主にβ2型が多くあります。気管支平滑筋は、気管支の収縮をつかさどり、β(β2)容体にアドレナリンが結合すると気管支が拡張(広がる)します。プロプラノロールはβ2受容体にも先回りして結合し、β2受容体へのアドレナリンの結合を阻害するので、気管支は収縮します(副作用)です。従って、気管支喘息などの持病がある患者さんには、血圧を下げる目的には普通使いません(禁忌投与になっています)。プロプラノロールは、高血圧や不整脈に良く使われる薬ですが、気管支喘息の患者さんにに使えないため、最近では、いろいろと研究され、β1型のみを遮断する薬(選択型β1遮断薬といわれるもの)が開発されています。たとえば、アテノロール(テノーミン)、メトプロロノール(セロケン)、ビソプロロノール(メインテート)があります。( )は商品名
補足
ありがとうございます。参考にさせていただきました。 これ以上甘えて申し訳ないのですが、レポートで「薬理作用」と出ていれば、 「副作用」も「薬理作用」なのでしょうか? ふと気になりました。 本当に申し訳ありません。よろしくお願いします。