クロック周波数は、同期回数に過ぎません。具体的に言えば、回路と回路の間で情報をやり取りする回数がクロック周波数です。そのため、クロックが高ければ一秒間にやり取りする単位データの数が増えるだけで、処理をするレジスタの性能を引き上げる意味はないのです。
では、64bitとは何かというと、データを処理する回路において、一度にどれだけのデータ(数値)を扱うことができるかを指します。例えるならば、電卓の画面桁数が32桁なのか64桁なのかというのが分かりやすいかもしれません。(あくまで例え話です)
電卓で桁数が32桁の場合は、1度に64桁の計算はできません。
32桁の計算を何回か行うとともに、分割した結果などを出し、それを元に別の計算をして64桁の数値を割り出すことは可能でしょうが、画面にはそのままの数字では表示されませんし、一発で64桁の結果を出すことは不可能ですよね。64bitは、その桁数を64桁にし、一度の計算で確実に64桁の表示を行うことを指します。
64bitというのは、このように一度により多くの数値を扱いより高精度な演算を行える回路を備えたプロセッサを指します。そのため、周波数が云々ではなく、プロセッサの処理回路が一度により高精度な演算を行えるかどうかになります。
ただし、64bit処理するには、それに対応したデータが必要です。32桁の数字を64桁の電卓で計算しても速度は変わらないのと同じで、64bitの能力を発揮するにはそれを十分に使い切るだけのデータが必要になります。また、32bitに比べ回路が拡張されており、その回路を使い切るようにプログラムを書き直す必要もあります。
ちなみに、64bitプロセッサは、x86と呼ばれる現在のパソコンに主に使われているものでなければ、既に200MHz(0.2GHz)ぐらいの低い周波数の製品から存在し、最初に登場したのは1992年にDEC社が開発したAlphaと呼ばれるRISCプロセッサが64bitでした。(その当時ではスタンドアロンプロセッサで世界最速で、主にワークステーション/サーバに使われた)
そのころ、Windows互換となるPC/AT Compatibleパソコンのプロセッサである、x86はi486DX2(40~66MHz/0.04GHz~0.066GHz)の32bitプロセッサ登場初期でした。そして、それから10年以上経った今になってようやく64bitに移行します。これは、アプリケーションソフトやWindowsなどのOSがそれを必要とし始めたためです。クロック周波数は関係ないと言うことがこれでおわかりでしょう。
お礼
動画とか3Dのゲームなどの膨大な処理が必要なソフトは64ビット化したら効果があるのかな。 逆に数MB程度の小さい画像やテキストファイルを扱うのなら64ビットでも32ビットでも大して変わりなさそう。 ありがとうございました。