確かに文言にこだわって「罰金」という表現を使用しますと、これは個人として徴収する権利はありません。
また、万人が完全に認めうるような場所に、当該看板を掲げているわけではない場合、無断駐車したものがそのことを契約として了解したと認める蓋然性に欠けますから、3万円もの料金の支払いを拒んでも違法ではないでしょう。
しかし、無断駐車という行為によって敷地所有者の法益が著しく侵害されることが多いために、このような看板を掲げざるを得ない状況になっているという現実をふまえれば、無断駐車という不法侵入を犯す刑事犯の権利にばかり配慮するのは、若干机上論的に過ぎるとも思えます。
駐車場の入り口に、普通の人間であれば常識的に認めうる表示として掲げ、「ここは私有地であるので、無断駐車は不法侵入として直ちに警察へ通報する。併せて、この駐車場を利用する上での約款として、当店を利用しない者が、当店の許可無く駐車を行う場合には、駐車料金として1日につき3万円の利用料を支払うものと了解したものとみなす。」という旨を明確に表示した場合であれば、判断は変わってくるものと思います。
というか、変わって欲しいものです。
ただ、この論点の問題は、「こんな約款が公序良俗に反しないか?(例えば、利用料金が1日100億円でも有効とするのは、無茶。)」とか「そもそも約款を承諾したという意思確認ができないのでは?」という点です。
付言すると、「法的効果がないから払わんでもいい」という付け焼き刃の思いこみを優先して、「他人の法益を侵害してもかまわない」という意識を持っているとしたら、法律論ではなく、人間として、ご友人はまずいとおもいます。
お礼
不法侵入になるんですね。納得です。ありがとうございました。