どの選挙制度にも、なんらかの欠点はあるものです。
今回の結果については、原因は小選挙区制度ではなく、自公の連立だと思いますよ。
自民党が議席を大量獲得した一番の原因は、小選挙区を制したことです。なぜ小選挙区でこれほど圧勝できたのか。
まず、公明党が自らの議席数を減らしてまで、自民党に譲りました。公明党の票がそっくり自民党に入ったのだから、1人勝ちして当然でした。
それから、郵政民営化法案について、賛成の立場は自民党と公明党だけなのに対し、反対の立場は野党全部。自民党と公明党は、候補者を重複させなかったのだから、賛成候補者1人に対し、反対候補者が複数ということになり、票割れしたわけです。
郵政民営化だけで判断した国民が多かったことも、原因の1つではないでしょうか。
小選挙区制は、いつでも政権交代が可能な制度です。今回は野党が大敗したけれど、次回どうなるのかは、まったく予測がつかないのです。政権交代が可能ということは、官僚との癒着もしにくくなります。また、次回の選挙のことを考えると、あまり無茶な政治はできないという、ブレーキの役割も果たします。問題は、各政党の方向性や主張を、有権者がきちんと理解できているかどうかにかかっています。
中選挙区制だと、一党支配が長く続き、弱小党が大負けしない代わり、政権交代がしづらくなります。政権交代しづらくなるということは、官僚との癒着はもちろんのこと、与党自体に立案能力がなくなってきます。
ちなみに世界中で中選挙区制を採用したのは、55年体制の日本と、国民党時代の台湾だけなのだそうです。この大きな欠点があるからこそ、どこの国でも採用されていないのだと思います。
完全比例代表制であれば、議席数に正確に反映されるでしょうね。ただし、一定数の国民の熱烈な支持さえ得られれば、他者のことを全く無視した政党でも議席を得られる、という点で、怖いとも言えます。
これは聞いた話ですが、オーストラリアでは、有権者が候補者に順位をつけるのだそうですよ。しかも、死票が出ないようなシステムになっています。あまりに複雑なので、ちょっと文章で説明しきれないので申し訳ないのですが…。
結論ですが、私は現制度で構わないと思っています。また4年後には変えられるわけですから。メディアに踊らされることなく、しっかりと各政党を理解し、現政権を監視していきたいものです。
お礼
ありがとうございます 比較的近い考えの社民と共産ですら候補者調整しないのだから 野党が票割れするのはやむを得ないと思いますが 中選挙区制は大政党がひとつだけだとその問題がありますね 日本で政権交代が起きたのも自民党が分裂したおかげですし 完全比例代表の問題は全国一区にせずに、ある程度細かい ブロックに分けたりすれば問題なある政党はある程度排除可能かと思います