現在市販されているガソリンはごく特殊なものを除いて全て無鉛ガソリンです。レギュラーもハイオクタンもどちらも無鉛ガソリンなのです。有鉛ガソリンとはガソリンに4エチル鉛という物質を添加物として混入したものですが、4エチル鉛に発ガン性があることから使用禁止になっています。この4エチル鉛と言う化合物はガソリンのオクタン価(簡単に言ってしまえばエンジンにノッキングを起こさせづらくする度合い)をたかくするために混合されていました。この化合物に鉛を含むため有鉛と呼ばれていたのです。現在ではMTBE(メチルターシャリブチルエーテル)などが使用されているため鉛を含んでいないので、無鉛ガソリンと呼ばれています。
ガソリンはガソリンと言う一種類の物質ではなく、複数の炭化水素の混合物なので、その混合の割合によって性質が変わります。オクタン価とはこの性質の一つの指標になるもので、ガソリンの成分中でもっともノッキングを起こしにくいイソオクタンともっともノッキングを起こしやすいノルマルへキサンの混合物の割合を変えていって、計ろうとする燃料と同等の対ノック性を示す状態の割合をもとめ、そのときのイソオクタンの割合で示します。実際にオクタン価が100であっても、そのガソリンがイソオクタン100%であると言うことではなく、それと同等であると言うことです。異なる組成で同等の性能を得るために添加物が混入されますが、昔はそれに4エチル鉛を使用していました。現在ではMTBEやさらに新しい、より無害な物質も開発されているようです。
従って現在の無鉛ガソリン仕様の自動車では、自動車に搭載されているエンジンがレギュラー仕様である場合はレギュラーガソリンを、ハイオクタン仕様(高性能のスポーツカーなどに多い)ではハイオクタン(プレミアムと呼ぶこともある)を給油してください。これらのガソリンはどちらも無鉛です。