軍隊は、任務を遂行するために必要な武器を装備します。従って、装備する武器の種類は部隊の種類(=任務)によって大体決まってしまいます。基本パターンは次のようなものです。
歩兵部隊は、敵の歩兵と戦うために自動小銃や軽機関銃などの小火器を装備します。その性能は、敵の歩兵との積極的な戦闘のために必要な水準をクリアする必要があります。具体的には、自動小銃には静止した敵兵に対して300~400メートルの距離で約50%の命中率(これを有効射程といいます)が得られ、限定的な連射が可能なことが、軽機関銃の場合には自動小銃の約2倍の有効射程と長時間の連射ができることが必要です。
歩兵部隊以外の部隊、例えば砲兵部隊、工兵部隊、通信兵部隊などは積極的に敵の歩兵と戦うことは想定していませんが、戦場における自衛のために自動小銃を装備しているのが普通です。
戦車部隊の場合、戦車乗員の自衛のために騎銃(銃身を切り詰めたり折りたたみできるようにした小銃。性能は自動小銃より劣る)や拳銃、機関拳銃(サブマシンガン)を装備しています。できることなら高性能で心強い自動小銃を装備したいところですが、戦車の内部は極めて狭いため自動小銃では携行に不便なのです。
このような部隊の種類とは別に、階級による区別もあります。将校は部隊を指揮することが任務であり、自ら積極的に敵と戦闘する必要がないので拳銃など自衛のための武器を、下士官・兵は敵と直接戦う必要がある(歩兵の場合は積極的な戦闘、それ以外の場合は自衛のための戦闘)ため、自動小銃を装備します。
ただ、同じ将校でも、大尉以下の将校(中隊長以下)は部下とともに敵に直面する場面が想定されるため、自動小銃を装備することも多いようです。
また、下士官・兵でも、例えば対戦車ロケット砲手などはロケット砲に加えて自衛のための拳銃を装備することがあります。ロケット砲と自動小銃を一人で携行するのは無理だからです。
基本パターンは以上ですが、新旧装備の混在、大量動員による武器の不足、軍の伝統などにより、将校が拳銃に代えて騎銃や機関拳銃を装備したり、下士官・兵が自動小銃に代えて騎銃や竹やり(笑)を装備することもあります。
お礼
専門的な御回答有り難う御座います