>白アリが住宅に大敵なのは誰でもわかることだと思うのですが、羽アリも住宅には大敵なのでしょうか?
羽蟻(はあり)はアリ、シロアリなどの「有翅虫」(ゆうしちゅう)をさす言葉です。種類をさす言葉ではありません。
ここでは関東地方に多い「ヤマトシロアリ」について説明します。
ヤマトシロアリでは、建築物の木部(概ね1階部分)に巣を作り、数千から数万匹が集団で暮らします。9割以上が職蟻(はたらきあり)で、女王中心の社会です。
巣は見えないところで冬場も休みなく働いています。構造材のように太い木材に巣を作り、巣は横に伸びていきます。材の硬い部分(心材や秋材)は食われずに残り、隙間は糞などで埋められた状態になります。
ちなみに、シロアリに多少とも強い(食われる速度が遅い)のは、密度が高く材そのものが硬い木です。檜云々は余り関係ない、どんな木も食われる、というのが実際のところだと思います。
○羽蟻について
4~5月の晴れた日の午前中に、巣分けのために雌雄の羽蟻が一つの巣から数百から数千匹、一斉に飛び立ちます。これを群飛(スゥオーム)と言います。
飛び立って数十分以内で、巣作りに適した場所に雌雄で舞い降り、羽を落とし、匍匐(ほふく)で侵入するわけです。
>夜、廊下にでると廊下の明かりにひきよせられてか羽アリをみます。
>これもあまりよくない兆候なのでしょうか?
ヤマトシロアリの羽蟻は、夜間には出ませんので、いわゆる「アリ」(膜翅目=まくしもく、ハチの仲間)の羽蟻でしょう。
ふつうのアリでしたら、建物や造作の木材を食うことはありません。健康被害や不快感なども、それほど深刻にはならないと思います。
外廊下は建物の外に曝されていますので、虫の飛来・迷入はある程度はしかたがありません。 現状では具体的な被害が無いわけですし、あまり深刻に考えなくても良いと思います。
例えば食品工場などのように深刻な被害が予測される物件で、問題があるかどうか事前に調べたいという場合は、虫の捕獲器を何台か設置して飛来する虫を捕えて、その種類や数を調べて分析し、判断することになろうかと思います。(ウチでは「TSIサーベイ」という調査・コンサルのパッケージになっています)
お礼
ていねいな解説ありがとうございます。そんなに,深刻な問題ではなさそうで安心しました。