それ以前に、お互いの国の利害が異なるから、隣同士であっても「国」として分けるのですよ。「隣国との友好」といっても、それはあくまでも自国の利益のために行う外交戦略の一種であって、国益を損なってまで友好関係を持つのは誤りです(現在の日本国は他国と紛争を起こすのは自国の利益につながらないから、積極的友好外交を実施しているのです)。
国内統治のために「仮想敵国」を作るのもよくあることです。ただし、現在の中国政府の政策・戦略として「反日」は失敗したのではないでしょうか。現に国内が混乱していますから。なお、反日デモはあくまでも中国国内問題です。日本がそれに対する被害の賠償と謝罪を求めていく姿勢は、外交上では正しいでしょうね。けっして譲歩してはいけません。なぜならデモが成功したという誤ったメッセージを送ることになるからです。デモは無意味であり、それは中国の国益を損なう事になるのだと思わせる方が重要でしょう。安保紛争時の日本はマスコミや“世論”は反米一色でしたが、そのことでアメリカが譲歩しましたか? 当時のアメリカの姿勢も参考になるでしょうね。
あと教科書については、“共同の歴史教科書”という意見がありますが、それ以前に「言論の自由」などの政治形態も異なり(社会主義・自由主義)、地理的(大陸国<中国・韓国>と海洋国<日本・台湾>)・文化的にも異なる国で共通の歴史認識なんて、まだまだ非現実的ですね。EUだって社会主義国が崩壊したから実現できたことをお忘れなく。そして文化圏の異なるトルコの加入に反対している点も重要でしょう。それを忘れて「東アジア共同体」なんて考えていては空想的ですね。
「羊がどんなに菜食主義を実践しても、狼が肉食をやめるわけじゃない」という言葉は、理想を持つものがが陥りやすい失敗に対する警鐘ですが。