24時間換気は常時換気を前提としています。
ただ本当の事を言うと難しい側面も色々抱えています。
まずなぜ必要なのかについて。
気密性の高いサッシの使用や断熱気密をとるようになってから、住宅の気密性は格段に向上しています。
このため、部屋全体を暖房機で暖めるようになりました。(昔は違っていたから冬はコタツが当たりまえでしたね)これはこれで快適なのは良いのですが、今度は建材に大量の化学物質が使われるようになりました。
有名なのはホルムアルデヒドですが、実はそれ以外にも多数危険なものが存在しています。
これが化学物質過敏症という病気を引き起こすことに気がついたのは実は割と最近です。昔は原因がわからず、でも多数の患者が苦しんでいましたが、北里大学を初めとしてようやく病気であると医学的にも認知され、大問題になりました。
そこで国土交通省と厚生労働省においてこの科学物質過敏症に対する対策を考える審議会が作られ議論されました。
そこで出た結論では、
明確に危険性の判明している化学物質については建材での発散量を規制する
(F****のように表示し、使用量を規制する)
これは割と簡単で、実施が決まりました。ただ長期間換気されない状況が続くとたとえ非常に微量な発散量でも室内の濃度が高くなるため、換気量の問題が残されました。
またシックハウスを防止するという意味では難しい課題も多数残されました。
A.危険性が指摘されているがまだ危険量が不明のものについては引き続き研究を進める
(結局議題に上った複数の問題物質はまだ規制されていません)
B.建材は規制できるが、家の中に入るもの、特に「家具」などは規制の対象外となった。
(国内産は業界自主規制か進んでいますが、海外輸入品まで規制できないため、通商産業省は規制は無理として対象外としました)
C.家の換気量により、また測定位置・高さにより濃度が異なるという問題。
(たとえば床材からの発散であれば床面は発散量が高くなります。これは赤ちゃんや寝たきり老人には影響が大きいなど)
これらのことから、どうしても24時間常時の換気を取り入れないと、規制値の意味もなくなるし、Bのような問題を解決できないという結論に達しました。
以上が24時間換気を義務とした背景になります。
これをもってではユーザーはどうしたら良いのか。これはもはや各自が判断するないようでしょう。
たとえば24時間換気をとめていて、換気もせずにいたところシックハウスとなった。そういう場合でもそれは自己責任になり誰も責任はとってくれないというだけのことです。
ただ家族に誰もアレルギーが出ていなければ極端に恐れる必要はないとは思います。
たとえば1時間に一回、風が通るように窓を対角2箇所開けてあげるだけで換気は十分とれます。
そのようにして生活している中ではわざわざ24時間換気をつける必要性は実はありません。
ただこれだけは守ってください。
「長時間留守にするときには必ず24時間換気をつけておくこと」
一番危険なのは長時間換気されないために濃度が高くなっていて、帰宅時にまともに濃度の高い空気をすってしまうことなのです。
長時間家を開けるから省エネでとめておこうと考えるのは間違いで、もしとめるのであれば、帰宅したら息を止めて家の窓を全部オープンにして家の空気を一度完全に換気するようにして下さい。
では。
お礼
丁寧にありがとうございます。難しい背景があるのですね。アレルギーは特に持っていないので気軽に利用しようかと思います。「長時間留守にするときには必ず24時間換気をつけておくこと」ですね!今のところそれはキチッと守ってます。今後もそれは気をつけて実施しようと思います。 ちなみにやはり、”24時間換気は電気代がかかっているのですね・・”ありがとうございました!