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上場のメリットについて

企業は株を発行して、投資家から資金を集める。企業は出資の証拠として株券を発行する。企業はそれを元手にして企業活動を行い、利益を配当として投資家に還元する。そこまでは理解できるんですが・・・ 企業は通常、上場を目指しますよね。知名度や社会的信用が向上し、より一層企業活動が行いやすくなるというメリットはあると思います。 しかし同時に、今回のフジテレビとライブドアの一件で、大株を保有されると突然第三者に経営権を支配されてしまう恐さをまざまざと見た気持ちです。(これからどういう展開になっていくかまだ分りませんが) 企業価値や社会的信用度を高めていく方法、若しくは資金調達の為に上場するのは分りますが、経営権を握られてしまう懸念がある、というのは企業にとって大変なデメリットにはなりませんか?単に資金調達という観点からだと、借入や社債で賄った方が経営権の心配もなく安全ではないですか?現にロッテやサントリーのように上場していない有名企業もあります。社会的信用度の他に、買収のリスクを抱えながらも上場するメリットを教えて下さい。

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  • dongry
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回答No.7

補足について、私見ですが述べさせていただきます。 経営者の変更は投資家の判断基準に影響を及ぼすということはごもっともです。 「投資家の判断基準」は、株価が上がるか配当が増えるか、つまり企業価値が上がるかどうか、ということですから、買収が企業価値にどのような影響を与えるか、ということになります。 しかしながら、買収側も「投資家」と同じです。つまり買収者も株価を上げられるか配当を増やせるか、といった観点で企業を見ます。 買収側の考え方は、600億で買った株式を何年でいくらの価値にするか、という採算です(数字は仮定です)。 600億円の設備投資を実行し、稼動させて10年間でどのくらいもうけるのか、ということと同じ話です。設備投資が工場や機械ではなく株式に置き換わるということです。 その買収者(投資家)が、「自分ならもっと企業価値が上げられる」と考えての買収なのですから、基本的には他の投資家にとっても決して悪い話ではないということになります。 また、役員・従業員にとっては、「自らのクビが飛ぶかも」という恐さはあれど、一方会社の収益に貢献しているのだ、という自負を持っている人には認められるチャンスが来る話でもあります。 Markymac様がお考えの、「買収されることによる企業価値の低下」ですが、その考えのモトがどこから来ているかということが重要になります。 なぜ企業価値が低下すると考えるのか?というのにはいくつか理由がありますよね。 ☆スポンサーが離れる。 ライブドアだとスポンサーが離れる理由は何であり、継続は不可能なのかどうか。また、ライブドアは新しいスポンサーを見つけられないのかどうか。短期的には影響はあるかもしれないが、中長期的には回復の可能性は十分あるのではないか。 ☆フジサンケイグループから離れることでモチベーションが低下する。 低下する根拠は、従業員のプライドということかと思われますが、それが具体的にどのくらいの収益のマイナスを招くか、ということを考える必要があります。 従業員の労働に対するモチベーションは会社名(ブランド)、給料、働き甲斐などいくつかありますが、買収により失われるかもしれない面を他の要素で補うことができれば、低下は最低限に抑えられ、かえって向上する可能性も考えられます。 ☆フジサンケイグループから離れることで取引が減少する。 取引先も営利目的の企業ですから、取引を打ち切るには相当の強い根拠が必要です。でなければ取引先の株主から代表訴訟でも起こされかねません。 取引を打ち切ることで売上減少・利益減少につながるとしたらいざ簡単には打ち切れなくなってしまいます。またライブドア側が打ち切られないだけの旨みを提案できればなおさらです。 ライブドアのように、買収側が、「企業価値を高められる」と考えて買収を実行する場合、抵抗勢力があったとしても、買収した直後に価値が低下することはあっても中長期的には回復の可能性はあるものです(経営の失敗によるリスクはありえますが)。 それよりも都市銀行の買収のように、買収後優秀な人材なのに被買収側にいたために憂き目にあってしまう、ということの方が人材リスクとしては大きいように感じます。 ライブドアは、企業価値が上げられる人材を重宝しているようですから、理不尽なクビ切りを恐れる必要はないかと思います。 個人的には、ライブドアが大方針を話はしても、上記のような一般的な懸念に対する回答を十分には用意できていないことがマイナスイメージにつながっていると思います。回答を彼らが持っているかどうかはよくわかりませんが。 私はPE(プライベートエクイティ)の世界にいる投資家です。融資も経験ありますが非常に浅いのでそちらは経験者といえるほどのものはありません。。

markymac
質問者

お礼

度々の投稿、ありがとうございました。大変参考になりました。貴殿を含め、皆様の過去の投稿も閲覧させて頂き、また今後も勉強を継続して参ります。

その他の回答 (6)

  • dongry
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回答No.5

企業(≒経営者)の立場と株主の立場を混同しておられるように見受けられます。 経営者にとっては、経営権を握られること=自分が追い出されること、ですから買収(特に敵対的買収)を阻止しようと行動します。 しかし株主にとっては、経営者が誰であろうと、要は企業価値が向上し株価が上がるか配当が増えさえすればよいのです。 つまり、「買収のリスク」を背負っているのは経営者であって株主ではないということです。そしてその「リスク」は自分がクビになるかどうかという個別リスクであって、企業全体のリスクではないということです。 企業価値の向上を追求し続けるには、上場は欠かせません。 株主は、役社員・銀行・取引先などの利害関係者の中で、清算時の「弁済順位」が最も下位にあるため、株主の利益を追求すること=全利害関係者の利益を追求すること、にもなるのです。 常に株主に監視してもらい、株主価値を向上する経営を意識することが企業価値の発展につながると考える根拠はここにあります。 上場しない有名企業、日本ではサントリーや出光、竹中工務店、とらや(和菓子)などたくさんあります。海外でもマッキンゼーなどの戦略コンサル会社や有名ブランドは上場していない会社が多かったと記憶しています。 「優良企業は上場していない」は的確な表現ではありません。 上場せずとも長期にわたって存続する会社があるのは事実ですが、それは「優良だから」ではなく「上場に向かない」と考えているからです。 職人芸を要求される製法でなければ作れない製品を作っている企業は、売上増やして利益を増やして発展していく、というよりは固定客・ファンをキープすることで精一杯ですしまたそれこそがブランドを保つやり方だと考えているのです。 自分がいつまでも会社を牛耳っていたいと考える経営者は、上場して株主から「監視」されることを嫌い、やりたいようにやろうとするものです。 非上場企業の資金調達方法は、オーナーが自己の財産を貸付けるか出資するか、あるいは銀行借入か私募債の発行くらいしかありません。金額も限定されます。 上場企業は、上記の方法の他、見知らぬ投資家から多額の資金を出資(=公募)あるいは社債形式で集めることが可能になります。金額も大きくなります。 資金調達手段が格段に増えるのです。 上場することによるメリットはたくさんあります。 従業員にとっては帰属意識の向上につながりますし企業にとっても知名度は上がりますから優秀な人材が入ってきやすくなります。また資金調達手段が増えることで、事業の発展がしやすくなります。 ニッポン放送にしても、「経営権を支配されてしまう」という考え方は従業員からの視点であって、株主の考え方ではありません。 ライブドアがニッポン放送を食い物にする、つまり資産を切り売りして旨みだけ吸い取って捨ててしまうのであれば「恐い」ことですが、そうではなく、むしろ企業価値を高める方法を一緒に模索し進めていきましょうと言っているのですから、良い話のはずです。

markymac
質問者

補足

ご意見有難うございました。二重投稿でしたのでこちらに返信いたします。私は金融機関の融資担当でしたので、投資についても与信の判断時を思い起こして、会社側からの観点で考えております。(大半の株主の興味の対象が株価であるのは当然と考えます。) 私は、経営者の変更は投資家の判断基準に大きな影響を及ぼすのではないか?と考えます。第三者が経営権を握る事により、その企業思想や経営方針が従前と変わってくる恐れがあります。それが良い方向なら経営者、従業員、投資家やお客様、株価にも好循環を与えるのでベストですね。 一方で逆の目が出たらどうなるでしょうか?帰属意識やモチベーションの低下を招いたり、商品の方向転換により顧客離れも懸念されないでしょうか?ひいてはその評判が広まると、株価に影響を与えかねずに株主や投資家も無関心ではいられないと思いますが・・ 今回の件なら、ニッポン放送社員が買収に関して声明を出しましたが(社内での圧力等がなく真意だと仮定した場合)、買収が成功しても後に社内の因縁を残したり、社員の意識低下を招く恐れはどう判断されますか? 融資時の判断を応用しての投資判断は少数派かと思いますが、投資は専門家と言える領域には達していない為に再度お尋ねしました。ご教示頂ければ幸いです。

  • dongry
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回答No.6

企業(≒経営者)の立場と株主の立場を混同しておられるように見受けられます。 経営者にとっては、経営権を握られること=自分が追い出されること、ですから買収(特に敵対的買収)を阻止しようと行動します。 しかし株主にとっては、経営者が誰であろうと、要は企業価値が向上し株価が上がるか配当が増えさえすればよいのです。 つまり、「買収のリスク」を背負っているのは経営者であって株主ではないということです。そしてその「リスク」は自分がクビになるかどうかという個別リスクであって、企業全体のリスクではないということです。 企業価値の向上を追求し続けるには、上場は欠かせません。 株主は、役社員・銀行・取引先などの利害関係者の中で、清算時の「弁済順位」が最も下位にあるため、株主の利益を追求すること=全利害関係者の利益を追求すること、にもなるのです。 常に株主に監視してもらい、株主価値を向上する経営を意識することが企業価値の発展につながると考える根拠はここにあります。 上場しない有名企業、日本ではサントリーや出光、竹中工務店、とらや(和菓子)などたくさんあります。海外でもマッキンゼーなどの戦略コンサル会社や有名ブランドは上場していない会社が多かったと記憶しています。 「優良企業は上場していない」は的確な表現ではありません。 上場せずとも長期にわたって存続する会社があるのは事実ですが、それは「優良だから」ではなく「上場に向かない」と考えているからです。 職人芸を要求される製法でなければ作れない製品を作っている企業は、売上増やして利益を増やして発展していく、というよりは固定客・ファンをキープすることで精一杯ですしまたそれこそがブランドを保つやり方だと考えているのです。 自分がいつまでも会社を牛耳っていたいと考える経営者は、上場して株主から「監視」されることを嫌い、やりたいようにやろうとするものです。 非上場企業の資金調達方法は、オーナーが自己の財産を貸付けるか出資するか、あるいは銀行借入か私募債の発行くらいしかありません。金額も限定されます。 上場企業は、上記の方法の他、見知らぬ投資家から多額の資金を出資(=公募)あるいは社債形式で集めることが可能になります。金額も大きくなります。 資金調達手段が格段に増えるのです。 上場することによるメリットはたくさんあります。 従業員にとっては帰属意識の向上につながりますし企業にとっても知名度は上がりますから優秀な人材が入ってきやすくなります。また資金調達手段が増えることで、事業の発展がしやすくなります。 ニッポン放送にしても、「経営権を支配されてしまう」という考え方は従業員からの視点であって、株主の考え方ではありません。 ライブドアがニッポン放送を食い物にする、つまり資産を切り売りして旨みだけ吸い取って捨ててしまうのであれば「恐い」ことですが、そうではなく、むしろ企業価値を高める方法を一緒に模索し進めていきましょうと言っているのですから、良い話のはずです。

  • yash1ch1
  • ベストアンサー率25% (1/4)
回答No.4

あなたがある工場主だとしましょう。 業績は順調でも、そこから入ってくるのは所詮経営者としての報酬だけです。 いろいろ経費は落としやすいですが。 あなたが引退してしまったら、どうなります?株を持っているだけなら、工場の利益から一部が配当としてもらえるだけです。 引退したから株を現金にしたいと思ったって、そうそう買い手が見つかりません。どうしてもと言うなら、自分で見つけて頼み込んで格安で売ることになるでしょうね。 上場したら?自分の株を買ってくれる人がたくさん現れます。いつでも売れる株なら、買い手も安心して買えます。 全部手放すもよし、半分残しておけば支配権は確保できます。 一番の目的はこの「創業者利得の実現」でしょう。

markymac
質問者

お礼

「創業者利得の実現」という観点は今まで思いつきませんでしたし、回答にもなかったので面白いですね。但しそれを実現する為には、今回のフジのように慌てなくていいように事前準備が必要なんですね?ありがとうございました。

noname#15040
noname#15040
回答No.3

企業は、上場した時から社会の公器となります。多くの出資者から資金を集め、事業活動を行うのですから当然です。ベンチャー企業も、いかに優れた技術を持っていても、運転資金や更なる開発資金がショートすれば、倒産を免れません。起業して、しばらく順調でも、やがて、資金ショートの危機が参ります。死の谷、ダーウィンの海とか言われる淘汰の時です。従って、皆、市場から資金を調達するために、ある企業はファンドを頼み、企業の存続・発展をめざす訳です。 そして、厳しい基準をクリアして上場を果たして、認められていくわけで、上場すれば、より資金調達が容易になります。。もちろん、上場した時から、株の買占めによる経営権の奪取の不安はつきまといます。これまで、それを防ぐために、株の持ち合い等きわめて日本資本主義的な方法が採られていたわけですが、今回のLiVEDOOR事件や西武事件はこうした日本的な資本主義では、もう世界的な競争に太刀打ちできないということを暗示している様に私には思えます。ともに株主の利益を無視した制度疲労を露呈しているのではないでしょうか?米国では、今回のことなど当然のことですよね。もちろん、安易な乗っ取りを防止する法律もあるようですが…。回答になっていないと思いますが、ご参考まで。

markymac
質問者

お礼

大変参考になります。ありがとうございました。

回答No.2

別に公開していなくても半分以上1人の企業もしくは個人から出資されていればその人の言いなり同然ですよ。 ロッテは韓国本社の日本法人です。 ロッテワールドはあの会社です。 資金を集めやすくするためです。 ほとんどの企業が市場での買収には無関係です。 株主構成見てください。

markymac
質問者

お礼

過半数の言いなりになる事は株式市場の原理であり、特にそれ自体は問題ではないと思います。 突然の株の買占めによって、突如第三者に経営権を握られてしまう事が問題かと思ったものですから。ご意見ありがとうございました。

回答No.1

うーん どうなんでしょう。 本当の優良企業は、上場なんかしませんし、 そんな事、夢にも考えませんから… 資本が無くて、イマイチな会社が上場を目指さざるを得ないのが実態では…。 株式の発行とは、 返さなくても良い借金をする事ですから、 借りる前から借金を踏み倒してるって事で… ただし、常識的には上場するまでには 完璧な株主対策を講じるのが通常です。 まず役員やその親戚筋、 そして社員持ち株会、 さらにメインバンクなどの安定主要取引先、 もちろん幹事証券会社などに 株を保有してもらい。 発行済みの大半を固めておく事が最低限の常識です。 ご確認頂きたいのは、 上場企業よりも非上場企業の方が 圧倒的に優良企業であると言う事です。 今般のフジテレビの件は かつて旧経営陣をクーデターで追い出し、 日枝だ会長達が実権を掌握する為の 大変ねじれた上場であった事に由来します。 実際、他の大半のラジオ局や 多くのテレビ局は上場していませんので…

markymac
質問者

お礼

ありがとうございました。とすると、上場イコール社会的信用、優良企業という考え方自体がそもそも違うんですかね。

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