容積型熱機関に於ける各作動空間の行程当りの容積変化の合計です。
等という表現では読み飛ばされてしまいますね。
熱機関というのは、大雑把に言うと日本語のエンジンのことです。
エンジンは、その内部で作動流体の温度を変化させ、作動流体の圧力や体積が変化することを利用して動力を生み出します。
作動流体というのは、エンジンを動かすための圧力差を作り出しているガスのことで、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンの場合はエンジンに吸込まれた空気を使っています。
容積型というのは、作動流体を作動空間という密閉可能な容器(レプシロエンジンの場合はシリンダーと呼ばれる筒)の中に閉じ込め、容器の内壁の一部(レプシロエンジンの場合はピストン)を動かして、容積を変えることで、作動流体の圧力や体積の変化を、動力に変えている形式のものです。
この時の容器の容積の変化した量を排気量と言います。
まだ、判り難いですね。
自動車やバイクに使われているエンジンは、レプシロエンジンという形式のものが殆どで(例外はロータリーエンジン)、おもちゃの水鉄砲を幾つか並べたような構造をしています。
シリンダーと言うのは水鉄砲の外筒で、ピストンと言うのは押し棒のことです。
エンジンが水鉄砲と違っているところは、水鉄砲ならば、棒を突き当たるまで押し込んだり、逆に引っこ抜くことも出来ますが、エンジンの場合はそんなことをすると壊れてしまいますから、最も押込まれた位置と最も引張られた位置が決まっています。
この最も押込まれた位置の事を上死点、最も引張られた位置の事を下死点と言い、上死点の時と下死点の時の容積の差が、そのシリンダーの排気量です。
水鉄砲で考えると、飛び出す水の量ですね。
但し、排気ガスの場合は、圧縮性があったり、熱で膨張したりするので、排気ガスの量と排気量は違います。(あくまで容器の容積の差で考えて下さい)
1つのエンジンが持っているシリンダーの数の事を気筒数といい、普通は同一のエンジンについているシリンダーはどれも同じものですから、エンジンの排気量は、シリンダーの排気量の気筒数倍です。
また、上死点と下死点の間の距離をストロークと言い、シリンダーの内径をボアと言います。
シリンダーは円筒形の形をしているものが多いので、ボアとストロークと気筒数が判ればエンジンの排気量は簡単に計算できます。
エンジンの排気量=(ボア÷2)×(ボア÷2)×円周率×ストローク×気筒数
以上、長くて申し訳ありません