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未成年者との契約する場合の法的根拠
インターネットを介して、契約したり、個人情報を入手する場合、相手が未成年者である場合もあるかと思います。これらの場合の法的な規制があれば、教えてください。 例えば、 1.電子商取引での契約において、法的に契約可能な年齢制限がありますか? 2.例えば、13歳以下の場合は、親権者の同意が必要等の表示をしておく必要がありますか? 3.未成年者であることを確認せずに契約した場合、法的な違反となりますか? 4.個人情報を収集する場合、本人の同意を得ることになっていますが、本人が未成年者であった場合は、何か制限がありますか? 5.未成年者からその家族の個人情報を入手したら、第何条の違反となりますか? よろしくお願いします。 以上
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- mina0112
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経済産業省のホームページになるのですが、こちらに質問したら、親切に気軽に答えてくれました。 http://www.meti.go.jp/main/comments.html
- kame1417
- ベストアンサー率50% (81/159)
以下、質問項目ごとに回答いたします。 >1.電子商取引での契約において、法的に契約可能な年齢制限がありますか? 未成年者との契約については、民法に定めがあります。 民法 第4条(条文は私なりに口語化及び補足説明をしています) 「未成年者(20歳未満の者)が法律行為(契約等)をするには、その法定代理人(一般的には親)の同意を得ることを要する。 この規定に反する行為は、これを取り消すことができる。 つまり、未成年者と契約をする場合は、親の同意が必要です。もし親の同意がなく未成年者と契約をしても、契約は一応有効です。ただし、この契約は後になって取り消されても仕方ないということになります。電子商取引でも、この原則は適用されます。 なお、12歳~13歳以下の未成年者と契約をした場合は、契約は無効とされます。無効は取消と違って、契約が一応有効ともならず、全くの無効です。 (あまりに小さい子供と契約した場合は、子供を保護するために契約は無効ということです。法律用語では「意思能力(物事を考える力)を欠く」と言います) >2.例えば、13歳以下の場合は、親権者の同意が必要等の表示をしておく必要がありますか? 法律上はそういう義務はありません。 ただし「TRUSTe(トラストイー)」という認証資格があります。これは「プライバシーマーク」や「ISMS」等の、個人情報の第三者認証資格と同じようなものなのですが(要は第三者が「あなたの会社は個人情報を適切に取り扱っていますというお墨付きを与えることです)、 この「TRUSTe」を取得するための審査項目の中に「13歳未満の児童から個人情報を収集するや否や等」に関しての項目があります。松下電器のHPを見る限りまだ「TRUSTe」は取得していないようですが、この資格を意識して記載しているものと思われます。 >3.未成年者であることを確認せずに契約した場合、法的な違反となりますか? 法的な違反にはなりません。 ただ「1」の回答にも書きましたが、未成年者と取引した場合は、後になって取り消されるかも知れないということです。契約のリスクを未成年者の相手方が負うことになるだけです。 4及び5は#1さんが詳しく書かれていますのでそちらに譲ります。 >松下が、このような一文を掲げているのは、何か法律でこのような場合の規制があるのかと >思いましたが、法的な規制ではなく、松下との約束ごと(契約)と理解したら良いですか? 先にも書きましたが、法律の規制ではありません。松下との約束事という位置づけです。松下としては「TRUSTe」を意識したものだと想定されます。 >松下が書いていることを守らないで松下に個人情報を提供した場合、松下あるいは >提供者に罰則はありますか? 松下のHPに当該条項に違反した場合の罰則は規定されておりませんので、提供者に罰則はありません。当然松下も罰則を負いません。ただし、何かこれによりとんでもない損害を発生させた等の特段の事情がある場合は、民法の規定に従って、契約が無効とされたり損害賠償が発生するかも知れません。 >この一文の法的根拠、強制力、違反時の罰則(損害賠償)等を知りたく思っています。 つまり「法的根拠」はありません。「強制力」は私人間の約束ごとということです。 「違反時の罰則」は違反の程度によりけりです。 以上、ご参考になれば幸いです。
お礼
詳細な解説を頂き厚く御礼申し上げます。 大変参考になりました。 民法もいつか勉強をしなければと思いながらも、手付かずでしたが、これを契機に思い切って紐解いてみました。 ご回答をヒントに、勉強したところ、経済産業省から「電子商取引に関する準則」(本年6月3日に改定)の29ページにも「未成年者による意思表示」の考え方が出ていました。 なお、kame1417さんの見識の広さには、驚きました。最近は、法律専門のようですが、過去は、いろいろなジャンルに回答されていましたね。03年6月86番の夫婦間の悩みに関する回答を拝見すると、貴方の心暖かい人間性にまで触れる思いでした。 ANo.1のutamaさんも随分、勉強され、多くの困ってる人にアドバイスしておられることが履歴で分かりました。 お二人に重ねて御礼申し上げます。
- utama
- ベストアンサー率59% (977/1638)
未成年者にポイントを絞った法律や、ガイドラインは無いと思いますので、想定できる範囲で回答させていただきます。 1-3.未成年者との契約は、保護者の同意が無くても一応有効です。ただ、同意が無い場合、親権者はいつでも契約を取消すことができます。よって、ご相談者が、いつ取消されても困らないのであれば、あらかじめ、同意を求める必要はありません。 4.個人情報を収集することに同意は不要です。 個人情報保護法では、 ・個人情報取扱事業者は、個人情報を取り扱うに当たっては、その利用の目的をできる限り特定しなければならない。(個人情報保護法15条1項) ・個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、前条の規定により特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならない。(同法16条) が、定められています。個人情報の収集自体には、その目的が明確であるかぎり、同意は不要です。当初、定められた目的の範囲の以外に使用する段階で、改めて、同意の有無が問われます。 5.保護者の個人情報についても、収集の目的が明示されており、それが妥当であれば、違法性はありません。ただし、未成年者の無知に付込んで、不必要な本人・保護者の個人情報まで収集した場合は、個人情報保護法第17条の違反となります。(違反した場合、国からの是正勧告→従わない場合命令→さらに従わない場合、6月以下の懲役または30万円以下の罰金) また、プライバシーの侵害ということで、損害賠償請求の対象ともなります。
補足
大変、適切で分かりやすいご回答を頂き、感謝申し上げます。 ありがとうございます。 次の点が良くわからないので、お時間があれば、追加でお教えいただければ幸いです。 よろしくお願い申し上げます。 1.「未成年者との契約は、保護者の同意が無くても一応有効です。ただ、同意が無い場合、親権者はいつでも契約を取消すことができます。」につき、根拠となる法律名称、条項をお教えいただけますか? 2.松下電器のHPのトップページの最下段から入る「サイトにおける個人情報の取扱について」http://www.panasonic.co.jp/info/privacy.html に次の一文があります。 「13歳未満のお子様の個人情報については、必ず保護者の方が同意した上でご提供いただきますようお願いいたします。」 これは、次のような目的が考えられます。 ・子供が勝手に自分の個人情報を提供する。⇒子供の責任能力をカバーするため。 ・保護者以外の人が子供の個人情報を提供する。⇒子供の人権を保護するため。 松下が、このような一文を掲げているのは、何か法律でこのような場合の規制があるのかと思いましたが、法的な規制ではなく、松下との約束ごと(契約)と理解したら良いですか? 松下が書いていることを守らないで松下に個人情報を提供した場合、松下あるいは提供者に罰則はありますか? この一文の法的根拠、強制力、違反時の罰則(損害賠償)等を知りたく思っています。
お礼
ご回答ありがとうございます。 この窓口は、気付きませんでした。 早速、問い合せてみます。 OKWEBでの書込みは、期限がありますが、間に合えば、回答を掲載してみます。
補足
経済産業省殿に問合せ、次の回答を頂きました。 ご参考まで。 皆様、ありがとうございました。 問1.電子商取引での契約において、法的に契約可能な年齢制限がありますか? 答1.電子商取引における特別の規定はございません。従前からの民法等の考え方と同じです。 問2.例えば、「13歳以下の場合は、親権者の同意が必要」等の表示をしておく必要がありますか? 答2.親権者の同意のない未成年者の意思表示は原則として取り消すことができるのは、従前からの民法との考え方と同じです。 問3.未成年者であることを確認せずに契約した場合、法的な違反となりますか? 答3.一般的には特段違反とはなりません。出会い系サイト規制法など、個別の法規制はあります。 問4.個人情報を収集する場合、本人の同意を得ることになっていますが、本人が未成年者であった場合は、何か制限がありますか? 答4.個人情報保護法上、個人情報を収集する際に本人の同意は不要です。本人が未成年の場合の制限については、例えば、親の同意がなく、十分な判断能力を有していない子供から、取得状況から考えて関係のない親の収入事情などの家族の個人情報を取得する場合は、個人情報保護法第17条(偽りその他不正の手段による取得の禁止)に違反します。 問5.未成年者からその家族の個人情報を入手したら、第何条の違反となります か? 答5.前問の回答のとおりです。 以上