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サラ系のため牝馬に恵まれず・・? ヒカルイマイ。
昭和46年の皐月賞・ダービー勝ち馬の「ヒカルイマイ」。 その生涯を調べると 「サラ系のために牝馬に恵まれず」 と表記がありましたが、これはどのような意味なのでしょうか。
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まず、サラ系とは「サラブレッド系」を意味します。純粋なサラブレッドではないということです。 JRAの定義ではサラブレッドであるとは遡って8代前の父祖がすべて「サラブレッド」であるとを書いてあります。 http://www.jra.go.jp/jradic/archive03.html どんな馬でも血統書がつき、代々の親がきっちり判別しているものが「きちんとしたサラブレッド」なのです。ヒカルイマイはそうではなかったということになります。調べてみましたが、母方に血統書のない馬がいたそうで、そのために純粋なサラブレッドとしては扱われなかったようです。 現在の「サラ系」とは、サラブレッドではない馬の血が入っていると言ってもそのへんのポニーや重厚な馬とかけあわけているわけではなく、アラブ系の血が入っていることを意味します。アラブ種はサラブレッドの原型ともいえる馬です。 アラブ種にもサラブレッドより優れた点は数多くありますが、スピードを競う競馬においては、やはり頂点はサラブレッドです。そのために、サラ系の馬は競争能力がサラブレッドには劣る扱いになっています。 個人の方のサイトですが、詳しくはこちらをご覧になってみてください。 http://www.nagoyakeiba.com/qa13.htm サラブレッドの品種改良は、人間の定めたレースでより速く強い馬を作り出すのが目的なので当然、そのような子どもを多く産ませる種牡馬が人気になります。 有名血統ばかりの馬が名馬とは限りませんが、名馬の血統には必ず複数の名馬の血統があるものです。そのためサラブレッドの世界では血統が重視され、「どこの馬の骨ともわからない」という血統は敬遠されます。ヒカルイマイはその「純粋なサラブレッドではない」「血統がはっきりしない」ために、優秀な牝馬に種付けされなかったということです。牝馬の持ち主も優秀な種牡馬に種付けしたがるからです。 種牡馬だけが優秀でもその子どもは走りません。両親の血がうまくかみ合ってようやく強い馬が生まれるもので、牝系は血統構築にかかせません。だから、良い繁殖牝馬に恵まれないということは種牡馬としては致命的です。 種牡馬としてどの程度成功したかということがとても大事なので、そのような一文が書かれていたのだと思います。 なお、「アラブ系」とは同じく「アラブが主な混血馬」を指しますが、競争に使われる「アラブ」とはおおむねアングロアラブという血統のうち25%以上がアラブである馬を指します。 「純血の馬」がアラブをいう馬の世界で、ある意味純粋なアラブはサラブレッドよりも貴重で高価な生き物です。
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- adcha
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大体のことは皆さんが書かれているので、ちょっとだけ。 馬を生産する際は、「サラ系」をサラブレッドより劣った品種であるという偏見があります。 これは買う側にも同じことが言えるため、サラ系の産駒はあまり好まれません。 ただし、一定条件を満たすと(繁殖牝馬に限ってですが)サラ系からサラブレッドへの昇格を認める場合があります。これをヴィークル・メアといいます。
- samtyan
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サラブレッドは、血統書主義です。 ヒカルイマイの母方数代前に、戦前に輸入されたミラという牝馬がいましたが、その馬の血統書がないか、不確かということで、サラブレッド純血とはいえず、サラ系とされました。 サラ系と呼ばれるには、サラブレッドが75%以上、アラブが25%未満でないといけません。 サラ系については、 http://www.nagoyakeiba.com/qa13.htm ここに詳しく載っていました。
サラブレッドというのは人間が強い馬を作るために 交配したもので、生物学上サラブレッド種というものが いるわけではありません。 サラブレッドは父系をたどっていくと必ず3頭の馬に たどりつきます。つまりサラブレッドは血統がはっきりしていないと ダメなわけです。ここで質問者さんの名前からシーパッションを調べると、 父はマグニテュード、その父はミルリーフ、さらに父は順に ネヴァーベンド、ナスルーラ、ネアルコ、で母はシールッカー、 母父はミルグロリーで、母父の父はミルリーフ、母の母は シーエクスプレスでアローエクスプレスの血統につながる といった感じで、登録されているわけです。 で、質問のヒカルイマイですが、ヒカルイマイの5代前の母は オーストラリアから輸入されたミラという馬です。 しかしこのミラという馬には血統証明がありませんでした。 アメリカやオーストラリアには当時、土着血脈の馬がおり、 戦前、戦後に馬が足りなくなったとき、輸入されることがありました。 しかし、これらの馬の子孫はどこかで血統証明がとぎれるため サラ系と区別されました。ちなみに祖先がサラ系であっても 8代血統の分かる馬が交配されればサラブレッドとなります。 ヒカルイマイは2冠を取り、競争生活の後、種牡馬生活に入りますが、 どこかに血統証明がとぎれている馬の子供はやはりサラ系となり あまり売れないことから、2冠馬であっても生産者サイドは 自分の持っている牝馬に対するヒカルイマイの交配には 積極的になりませんでした。現在、ダンスインザダークは 200頭以上と交配しています。産駒の数が多ければ、 活躍する馬が出てくる可能性も出てきます。活躍馬が 出ると、血統や成績のよい牝馬をつけることが多くなるので さらに活躍馬がでる可能性が高くなる、といった感じで、 どんどん良い方向へ行きますが、ヒカルイマイの場合、 サラ系なので躊躇、産駒が少ない、活躍馬が出ない、 さらに産駒減少といった感じで、種牡馬生活は恵まれなかった ということです。 最終的には九州に行き、ファンが作った「ヒカルイマイの会」が 余生をバックアップしたようです。
補足
おはようございます。 こんなに詳細な回答が得られるとは思ってもおらずとても感謝しています。 #2,#3さまにも同じように感謝しています。 申し訳ないのですが補足させていただきます。 今、競馬のレースには「サラ系3歳~」と名前がついています。 この「サラ系」には、「純粋なサラブレット」とヒカルイマイのような「サラ系」をまとめて表現しているのでしょうか??