A No.2 HALTWO です。
>左右のスピーカーの間を遮断するには材料や大きさ等、試行錯誤が必要ですね。
<いいえ、そうでもありません。
寧ろ 1 本の Speaker Unit で水平無指向性 Speaker System にする方式の Enclosure を考える事と好みの音色をもつ Speaker Unit を決定するまで何個か試す方に試行錯誤が要りました(^^;)。
この原理の元ネタは BOSE 音響工学研究所という日本の Garage Maker が BOSE の認可を得て作っていた AWMS-VIA (Acoustic Wave Music System - Virtual Imaging Array) という 28 万円もする化け物じみた Portable CD Radio Cassette Recorder で、原理の部分は VIA (Virtual Imaging Array) と言います。
下写真で緑色の丸 Table の上に乗っている左上 2 枚は私が持っていた AWMS-VIA で、その下の 2 枚は AWMS-VIA 内蔵 Woofer の Bass Labyrinth Horn と内蔵 Satellite Speaker の VIA 音放射の様子を示した解説図、右は広告の写真です。
右写真を見て判るように Satellite Speaker Unit は片 Channel 当たり 3 基が 90° ずつ (前、後ろ、横) ずらして内蔵されており、両 Channel の間を Body が両 Speaker を結ぶ最短線上に音が回り込むのを遮断しているわけです。
Body で遮断している方向以外は水平無指向性とするために 3 基ずつ計 6 基もの Speaker Unit が用いられていますが、これを「左右 1 基ずつの計 2 基で済ませて安上がりに作ってしまうにはどうすれば良いのか?」で現在の私の System は結構試行錯誤しました(^^;)。
天井に向かって放射して半球状の無指向性放射を創り出す事によって広い音場を創り出す Speaker System は嘗て ONKYO Scepter Series の設計者であった由井啓之氏が提唱した Time Domain 理論で作られた Yoshii9 Speaker System が著名で、これに似た外観のものならば作り易そうですが、外観を似せただけのものは Time Domain 理論とは全く異なるものですので、単なる上方放射 Speaker System です(^^;)。
でも Speaker Unit を上に向けると汚れるので、私は Baffle 回折を避ける球形の陶器製 Enclosure に防振を施して簡易 Bass Reflex 型とした改造 Enclosure に入れた Speaker Unit を下に向け、対抗面に円錐形の Defuser を置く事で水平無指向性を実現、自作真空管 Amp' と Channel Divider や DAC を入れた Audio Rack の左右に配置する事で両 Speaker の間を Audio Rack が埋めるようにしています。……遮断は両 Speaker の奥行きよりもちょっと深い奥行きであれば良く、両 Speaker の外側に定位が生じるのですから両 Speaker の間隔は 19inch Rack を間に入れる事ができる 20inch 程で充分です。
厳密に Crosstalk を考えると Listener の鼻先まで遮断壁を設ける必要がありますが、FM 放送が 20dB (10:1) 程度の Crosstalk で充分な Stereo 感を得られているように、また Binaural Headphone の Crosstalk も (恐らく) 20dB ないのにちゃんと左右に分離して聞こえるように、この程度の Crosstalk Cancel でも充分な Stereo 感が得られて音像が左右に定位します。
実際両 Speaker の間隔は 20inch ちょっと程度なのですが、目を瞑ると 60inch 間隔ぐらいの所に仮想 Speaker 音源が出現している感じの音像定位感があり、音場は無指向性 Speaker System みたいに部屋一杯に広がっているのみならず VIA の特徴でもある「Speaker に耳を近付けても煩くない音量なのに部屋の隅で聴いても音量が殆ど下がらない」という特性も実現しています。……私が 28 万円も払って AWMS-VIA を購入した最大の理由も Event 会場に持ち込んで Presentation を行う際に 30〜40 席ぐらいの部屋なら最前列中央と最後尾左右の客席で音量と周波数特性の変化が殆どなく、50〜60 席ぐらいまでならばこれ 1 台で事足りる音量を得られる事からでした。
現在の私の Listening Room は 6 畳に縦長の 4 畳が付いた変形 10 畳の部屋に 2 段 Bed の下を大きな机にしたものが鎮座する、とても Audio 環境としては良いものではないのですが、1W で 80dB SPL/m ほどの能率しかない Speaker を駆動する真空管 Amp' の最大出力は 3W でも部屋の端まで充分な音量で音が届いています(^^;)。
結局、苦労したのは Enclosure の防振 (鳴き) 対策と音色感の良い Speaker Unit の選択でしたね。……Speaker Unit は 3 製品目でやっと落ち着きました(^^;)。
Condenser Speaker System のような超高速 Response の音を狙うには極薄 Film 振動板の Unit を模索する必要があるかと思いますが、私は昔ながらの Edgeless Paper Cone 軽量振動板製 Speaker Unit の音が好きなので、もう 10 年近く Speaker System は作り直していません(^^;)。……でも Headphone 用 Film Driver Unit や FOSTER (FOSTEX) RP (Regular Phase) 振動板の Driver Unit で作り直してみたい気もします(^^;)。
素敵な Audio Life を(^_^)/
お礼