No.4です続きです。
普通のアルミ電解の保証寿命は、1000~2000時間ほどとも言われています。ええっ??たったそれだけ?? たかが80日でホントに寿命が来てしまうのでしょうか?でもこの寿命には条件が付きます。「定格温度で連続使用した場合の」「しかもメーカー保証値」。2000時間ピッタリで必ず壊れるわけではありません。その先、2001時間で壊れるのか、4000時間モってしまうのか、それは誰にも分からないんです。前述のとおり耐圧やリプル量、それから周辺温度に掛かってきます。
オーディオアンプの場合、特に重要なのはリプルよりも温度!!ですね。
実は上記の寿命というのは定格温度での話。温度が10度さがるごとに、なんと寿命が倍、倍、で伸びるそうです。だから、例えば85度品の電解キャパシタを35度環境で使うと… 2000時間だったものが64000時間まで伸びます。この現象が無ければ、短命過ぎて実用になりませんね。
でも、オーディオアンプは熱くなるもの。例えば、音質が良いとされるA級動作アンプは、内部温度が平気で60度近くになりますね。また、音質重視でアイドル電流をたっぷり流したAB級のハイパワーアンプも、けっこう熱くなりますね。そういう温度が高くなるアンプにおいてはアルミ電解の寿命も”極めて短くなるだろう”としか言えません。
熱くなるオーディオアンプは、決してアルミ電解を甘やかす環境とは言えません。
音は出るかも知れません。しかし、性能劣化は速くなりますね。本来の音質が出ているとは考えない方がいいです。というわけで、10~15年も前のアンプを購入するのはよしましょう。買うなら電解キャパシタ総交換のオーバーホールをお勧めします。
目安って本当に無いんですが、せいぜい良くても10年が目安じゃないでしょうか。私が以前使ってたパワーアンプが8年目に壊れ、電解総交換をしたときに平滑コンの目減りを教えてもらったんですが、それは静電容量が半分以下に減っていて交換して正解ですと言われました。まあ、どんなアンプもそうだというわけではありませんので、ご参考程度に。
アルミ電解は通電してやって「活性させねば腐る」という命題もあって、厄介ですね。温存して電源を入れないで長期間放置しても、やはり悪くなるんです。何年も通電せずに保管しておくと間違いなく容量抜けをおこします。だから、涼しい環境でなおかつ、休ませず定期的に使うという、なかなかハードな使用条件が付きます。
お礼
設計者のような専門的な回答ありがとうございました。 スピーカーのコンデンサーは、温度上がらないから 古い機器の購入で問題ないでしょうか?