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性同一性障害の人のハワイ旅行での出入国審査について
9月にハワイににいきます。僕は性同一性障害で、女→男です。見た目、声共に男性ですが、戸籍変更はまだしていません。パスポートはもちろん女性戸籍。 日本の出国審査やハワイの入国審査でひっかからないか心配です。特にハワイは海外なので話が通じない場合特に不安です。 英文の診断書など、用意しておいた方がいいでしょうか。 当事者の方はもちろん、当事者でない方でもわかる範囲で回答して頂けると助かります。 ちなみに普段は髭も生えていて、髭生えたまま行くとトラブルでしょうか。やはり剃らなきゃいけないでしょうか。
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アメリカへの入国審査は、アメリカ政府のTSA(Transportation Security Administration 運輸保安庁)という部署が担当しています。 入国審査においては、アメリカ政府のTSAは、トランスジェンダーやジェンダー・ノンバイナリーなどの人の安全に務めることを約束しています。 https://www.tsa.gov/transgender-passengers ハワイ旅行の準備の際に、このページをプリントアウトして、パスポートと一緒に持参されると、アメリカ政府TSAの係員(入国審査や空港での保安検査の際)にパスポートの提示を求められた際にそのプリントアウトを一緒に見せることで、パスポートの性別とご本人の性別表現や容姿が異なっていることについての説明として使うことができます。 あわせて、TSAでは、入国審査や保安検査の際に説明が必要となる事柄について、公衆の面前で説明することが難しい病状や障害などがある場合に、予めカードに記しておいて見せることができる告知カード(TSA Notification Card)を用意しています。この回答に添付しているファイルには、真ん中の部分が空欄になっていてご自分で理由を記入できるようになっているものと、その下には「I have been diagnosed with gender identity disorder / gender dysphoria in Japan. My passport carries gender at birth and does not match my gender identity.(私は日本で性同一性障害の診断を受けています。パスポートには出生時の性別が記載されており、本人の性別と一致していません。)」 と記入したものを用意しましたので、上のウェブサイトのページとあわせてプリントアウトして、パスポートと一緒にご持参ください。 英文の診断書をご用意になるかどうかですが、アメリカでは現状性別について診断を必要としていないので、要求されることはないと思いますが、ご本人が診断書をお持ちのほうが安心できる、ということであれば、用意されるとよい程度のものだと思います。 性同一性障害は、アメリカでは2013年まで gender identity disorder (ジェンダー・アイデンティティー・ディスオーダー GID) と呼ばれていましたが、2013年からはDSMの改訂により gender dysphoria(ジェンダー・ディスフォリア)と呼ばれるようになっています(正確には「性同一性障害」という名称が使われなくなっています)。日本と違ってどちらの診断名も一般的な認知がなく、また性別表現によって人を差別しないという配慮から日常生活の上で診断を要求しないことがほとんどなので、説明が必要とされる場合、トランスジェンダーなどの名称のほうが一般的に理解されやすいのが現状です。 空港での保安検査の場合、ボディースキャンという大きな機械を通ることを指示される場合がありますが、その際アメリカではTSAの告知カードなどを見せて別の方法での検査をお願いすることができます。空港の保安検査で手荷物のX線検査がありますが、その際にはパスポートとTSA関連の紙などは荷物と一緒にせず、ご自分で手に持って(ポケットには入れず手に持って)検査を受けてください。 保安検査や入国審査などの際に、一般のところから別の場所に来てください、と誘導される可能性がありますが、この場合はおそらくご本人を疑っているからではなく、ご本人のプライバシーを尊重するために係官が個別対応をしたほうがいいと判断することによるものですので、別の場所へ誘導を案内された場合は、安心して、笑顔で従ってください。 容姿については、ご本人の性別表現にとって大切なことですので、ご自身の性別に合わない身分証明の出生時の性別に合わせる必要はありません。身分証明が日本の制度上の理由でご本人の性別と合っていないことがアメリカ入国時に理解されれば審査に支障はありません。前述したプリントアウトを見せれば、その説明になり、パスポートの性別がご本人の性別と合っていないことについて質問されたり細かく問いただされるようなことはありません。 アメリカを含む外国への入国や渡航については、その国の入国審査係官の判断で「許される」ものであり、渡航者には入国や渡航について必ず入国や渡航を許されるはずであるという権利を持っているわけではありません。また、入国や渡航をする国や地域の事情によって、対応が大きく異なります。ハワイの場合、万が一審査などで別室で対応ということになっても、プライバシー保護のための配慮ですので、心配せず、安心して、笑顔で、気持ちよく振る舞うとよいと思います。係官や検査官へは笑顔で Thank youと何回も言いましょう。 性別についてのことは、アメリカではプライバシーに関わることとして、確認される場所は非常に限られています。空港で航空会社のカウンターでの搭乗手続きの時、空港の保安検査を通る時、ハワイ到着時の入国審査時などのほかは、パスポートで身分証明しなければいけない場面はありません(アメリカ出国時の出国検査は航空会社のカウンターで簡単なパスポートのチェックがあるだけで、あとは保安検査のみです)。ホテルのチェックインについても、個人で予約している場合はパスポートの提示を求められますが、予約された名前と一致しているかの確認を取ることが目的ですので性別は問題になりません。 === 日本では出発時の出国審査と帰国時の入国審査がありますが、日本の入国管理局にはアメリカのような配慮がないので、ここで診断書があれば役に立つかもしれません。ここでも、性同一性障害であることが問題なのではなく、身分証明と本人が同一であることの確認が必要だということですので、堂々と説明をすればよいと思います。日本のパスポートをお持ちで、現在の容姿がパスポートの写真とかなり変わっているようであれば、期限内であっても新規に申請ができますので、ご希望の場合は早めに旅券事務所へ出向いて問い合わせ及び申請をなさるとよいと思います。
お礼