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「電子商取引」「キャッシュレス決済」は違いますか?
「電子商取引」「キャッシュレス決済」は違いますでしょうか? 違う場合どのように違うのか教えていただきたいです。
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同じではありませんよ。根本的な部分では全く別物です。本来の意味で言えばこれ現金(通貨)を用いた金融取引に対して、それより前からあるか最近生まれたかの違いあります。 電子商取引とは、全ての商いを原則電子空間(仮想空間)の中で行う取引のことです。一般にEC(Electronic Commerce/eコマース)と呼ばれるもので、Amazon、楽天、Yahooショッピング、ヨドバシ.comなどで商品を買ってオンラインで決済をする場合や、ネット証券や不動産取引業者を通じて物品・不動産・金融資産の取引(見積もり・決済)を完結させることを意味します。 尚、代金引換決済であっても、決済の間に仲介業者をもって一応の決済契約(中間決済)は完了しているため、ECとなります。即ち、最終的に購入者の手元からは現物の現金で支払われるとしても、取引契約成立までの概ねが仮想空間で行われていて、電子決済をだれかが肩代わりするなどして、契約が行われていれば電子商取引となる訳です。 一方で、キャッシュレス決済(通貨なし決済)とは、現金となる通貨を使わない決済のことです。一般に全て代金決済業者等を通じて取引が完結します。これは、現在では電子決済に多いですけど、手形や小切手による売買も伝統的なキャッシュレス決済の1つです。 日本で今言われているキャッシュレスはPayPayやd払い、au Payなどのバーコード決済、SuicaやWAONなどのFeliCa/NFC決済、VISAやMaster、JCBなどのクレジットカード決済と、誤解する人が多いですけど。その原因は報道と政府がそういう方向に仕向けたことで、そう思い込むようになっただけです。 本当の意味は銀行券や硬貨を直接取引に使わずに、それ以外のそれに相当する価値の物で欲しい商品と交換すれば全てキャッシュレス取引(決済)となります。簡単に言えば、わらしべ長者のお話もキャッシュレス取引(決済)の1つです。ものを物々交換して長者になっていく過程にお金がないですから。 即ち、電子商取引はネットでのものの購入またはそれに相当する電気的な環境での取引がそれです。基本的にはコンピュータとインターネットの普及と共に生まれた売買の手段であり90年代以降に普及しました。通称EC(Electronic Commerce)です。これはオンライン仮想空間を用いた先端の技術となります。 それに対して、キャッシュレスとは、お金を使わず昔からある物々交換の延長線上にある取引です。元々はお金という概念がない時代からあった物を時代に合わせて最適化し続けている取引手段の1つです。 現在の経済で言えば、手形や証券、債券、不動産、小切手での取引などがキャッシュレス手段となります。また、銀行券や通貨を用いた現金ではないなら、仮想通貨やクレジットカード、ポイント支払い、古典的なスタンプカードや商品券による引き換えなどもキャッシュレスです。 ただ日本は何故かそれを電子取引のようなものだと誤って報道が伝え、政府も乗っかりました。最初の始まりは逆かも知れませんが、どちらかが意図的なのか、本当に誤ってなのか間違ったのです。日本では今やよくあることですけど、それを修正するのは、どうせプライドが許さなかったのでしょう。結果、それが定着しました。 その結果、ECと同じ分類に小さく纏まってしまったという残念な部分があります。どちらかというと、こっちの方が銀行券より古くからあるものだったのに。まあ、英語のキャッシュレスを元にしているし、雰囲気的には新しいですから……この国ではバレなきゃ良いし塗り替えれば良いのです。だから、情報を流す側が信用を失い国も衰えていく訳です。 この2つの違いは覚えておいて損はありません。日本ではこの2つを同義に捉えても何とかなるでしょうけど、国によってはこの2つの差が、商いで誤解に繋がる恐れもあるでしょう。本来、キャッシュレスは通貨そのものを用いないのであって、電子通貨とは限らない。 電子商は「電子的な商い(売る側がサイバー空間に店を出して売っている)に基づく取引」であって、最終的に商品を買った人がキャッシュレスで対価を支払っているとは限りません。代金引換も可能な取引は多いですから。この差は似て非なるものということを意味しています。