「住居侵入罪」の条文は、「正当な理由がないのに」で始まっていますので、お考えのような「正当な理由」があれば、住居侵入罪にはならないものと思います。
ただ、質問者さんのように「義務がない人」が、他人に代わってお考えのような行為をする場合を、民法では「事務管理」と呼びます。不当利得の章の前に独立の1章が立てられていますのでご注意ください。
それによると事務管理は、「もっとも本人の利益に適合する方法でやらなければならない」というふうに決まっています。したがって、取り外した塀の管理が悪くて破損したり、風で飛んで他に被害が及んだり、塀が無くなったために燐家に害が生じたような場合は、質問者さんの責任になります。
落下物(塀?垣根?)を、移動することが、お隣さんの利益に最も適した行動なのでしょうか?
さらに質問者さんは、その行為をした旨、遅滞なく本人に伝えなければなりません。義務なので、「連絡先もわかりません」などと言って呑気に過ごしているわけにはいきません。一生懸命探さないとあとで責任を問われる危険があります。
加えてさらに、質問者さんは隣家所有者本人や代理人が管理できるようになるまで、その事務管理を継続しなければなりません。途中で放り出すわけにはいかないのです。
また、塀(垣根?)を取り外して保管する行為が「空き家の管理の一部」として扱われる可能性があります。
「空き家の管理を始めた」と解釈された場合、例えば、風で壊れた物がとんできてその家の窓ガラスを破壊したような場合には、質問者さんには窓を補修する義務が生じます。費用は、とりあえず質問者さん持ちです。
一応後日、費用弁償は請求できますが、本人の意に沿わない管理だとされると、出した額ではなく、現に利益を得ている額しか請求できません。例えば、ガラスを修理したら、同じ場所のガラスが割れて2度修理した場合、現に受けている利益は1枚だけですから、1枚の修理代しか請求できないカモしれないわけです。
なので、住居に入って修理するにしても、いろいろ考えて修理されるようお勧めします。
現代は、理不尽としか言いようのないことを言う人が増えていますので、「危ないから落下物だけ撤去しました」だけでは済まないのではないかという不安があります。