一般に学部生から博士課程の学生は自分のテーマを一つまたは複数でも比較的少数もって,自分の能力の範囲で進めていくのが一般的です。
例えば,複数の別々のテーマをもっても構いませんがそれだけ勉強しなくてはいけなくなり,その分負担はかかります。が,一つのテーマでそれが証明して行くにつれ,実験を進めて行くにしたがって答えが出ない。または答えが出ても面白くないなんてことは良くあることで,そのために複数のテーマを動かしている学生もいます。
さて教授が守備範囲が広い場合,自分が好きなテーマを選ぶ範囲が広くなりますので,一つの小さな分野に精通しているかたよりもテーマの設定が多彩になりますし,学生からすればそのほうが有利に働くことが多いと思います。なぜなら,仮に一つの事にしか興味がない先生が,学生の研究が実は違う方向性に進めればもっと面白くなると思っても,その先生は興味を示してくれなくなります。一方守備範囲が広い先生であれば,学生が気が付かないような些細な実験結果から,さらに途方も無く面白いテーマを考え出せるからです。
あなたが危惧しているのは,教授がいろいろ調べ出すと,それに追従しようとして自分もいろいろ調べないとついていけず,そのために学生は混乱するのでは?
ということだと思いますが,実際には教授が頭のなかに描いているすべての知識を学生が学生の間に追いつけることなど殆どありません。学生の自分のテーマという限られた範囲でのみ,教授よりも最新の知識を持ちうることはあるので,多くの優秀な学生は自分の守備範囲で先生よりも世界で一番その知識を持ちさらに最先端の実験をする。ことを目標にする物です。