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売買したが登記していない土地の第三者に対する効力
土地の取引結果について質問です。 更地の売買契約書を作成して、引き渡しを済ませたとします。 しかし、登記をせずにいた場合、第三者に対する効力はどうなりますか? 民法177条により、登記がなければ第三者に「対抗」することはできないことはわかります。 しかし、対抗関係にない者、例えば土地を借り受ける者や土地に課税する行政庁に対しては、譲受人は所有者であることを主張できるのでしょうか。
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> 第三者に対する効力はどうなりますか? その第三者の「立場」「地位」、しだいです。 例えば、私が質問者さんの土地を買って、まだ登記を移転していないとします。 所有権の移転は、当事者の合意によって「のみ」効果を生じます(民法176条)。所有権移転に、登記は不要です。 なので、例えば第三者Aが、その土地にゴミを捨てたら、私はAに対し「俺の土地にゴミを捨てただろう。撤去しろ」と要求できます。 訴訟をやっても勝てますよ。もちろん、売買契約書などの証拠とか、質問者さんの「売った」という証言など、「所有権移転の意思表示・合意があったこと」を証明できなければダメですけど。 登記が無ければ対抗できない第三者とは、私と法律的に「競争関係に立つ人」だけです。例えば、私と同じように質問者さんからその土地を買った(二重売買)とか、質問者さんから正式に借りたとか主張している人だけです。 なので、登記なくして対抗できないのか、できるのか、場合分けしないといけません。 で、固定資産税を課税する市町村はどっちなのか、ですが、これは厳密に言うと「対抗問題」ではありません。繰り返しますが、対抗問題は競争問題なのです。どっちが勝つか、という場合の判断基準です。 固定資産税は毎年1月1日現在の所有者にかけることに法定されていると記憶しています。で、所有者かどうかは、登記の記載によって判断することになっている思います。 実際に誰での土地でもいいんです。その年の1月1日現在で、所有名義の登記を持っている(もたされている)人にかけるのです。例外は相続人ですね。相続人は被相続人の全人格を承継しますので。 結局、毎年1月1日現在の「登記名義人」にかけるのです。それだけのことで、所有者と自治体が所有権の有無をめぐって競争しているわけではないのです。 ま、ほととんどの場合「登記名義人=所有者」なので、所有者にかかるのですが、それはあくまでも経験則であって、厳密にいうと所有者にかかるのではないのです。 なので、上記の例でいうと、質問者さんが市町村に対して「土地はfujic-1990に売ったから、固定資産税はアイツからとれ」と言って証明しても、逆に私が「俺の土地だから、固定資産税は俺からとれ!」と叫んでも無駄だ、ということになります。 自治体は、「質問者さんが登記名義人だから、法律に従って質問者さんから固定資産税を徴収します」と言うだけの話です。
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- chie65536(@chie65535)
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>対抗関係にない者、例えば土地を借り受ける者や土地に課税する行政庁に対しては、譲受人は所有者であることを主張できるのでしょうか。 主張できません。 売買契約書があったとしても、引き渡しの事実があったとしても、登記がなければ「所有権移転の事実の証明にはならない」です。 現在の民法の解釈では「所有権の移転は登記によってのみ行なわれる」と言う解釈になっています。 なので「契約書があろうが、売買代金の支払いがあろうが、引き渡しが行なわれていようが、登記してないなら所有権は移転していない」との解釈が主流です。
お礼
所有権移転時期について、登記が完了したときとする説をとっておられるのですね。 いち早くご回答くださいましてありがとうございました。
お礼
>対抗問題は競争問題 この言葉をいただき、非常にスッキリして高い納得感を得られました。 不動産取引において所有権はいつ移転するのか?という問題に対する内田民法の「段階的所有権移転説」(場合によって移転時期が異なる)の考えとも符合します。 大変ありがとうございました。 感謝申し上げます。