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損失係数と位相遅れの考え方
- 損失係数とは、振動減衰の指標の一つであり、応力に対する応答歪みの遅れ角を表します。
- 樹脂屋やゴム屋では、損失係数をレオメーターという測定器で測定し、応答歪みの遅れ角を説明します。
- 一方、機械屋では、応力に対する歪みの遅れは共振周波数を境に低周波数側では90度以下であり、高周波数側では90度以上であると考えます。
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>レオメーターでの測定法では共振周波数と入力周波数の関係によってどうにでも数値は・・・ はゴムの特性測定値(tanδ)であり、これと振動系の位相を混同していないでしょうか? ゴムはバネとダッシュポットを組み合わせたモデルで近似され、小野測の 資料図6の1自由度振動モデルで質量M部にPsinωtの加振力を加えた時、質量M部の変位xの変化を位相で表したものが図8で、低周波では荷重と変位はほぼ同相で動くが共振点を超えると逆相に動くと言っている。 ここで問題となるのは、tanδと減衰率の関係だと思うが、防振ゴムの動特 性について色々と資料があります。 例えば、「ゴムの動特性と防振ゴム」関口著等をネットで検索してみて下さい。 小野測器の資料「制振材料とその性能測定について」(ネットで検索して下さい)から、tanδ:損失係数、ζ:減衰比とすると、損失係数と減衰比の関係はζ=tanδ/2で表されると記している。 したがって、tanδは振動系の減衰を決める要素で、tanδ大きいほど減衰が大きくなると言えます。
機械の共振系は、ゴムに比べて損失率が小さく、明確な共振が観測される とおもいます。これに対して、ゴムは損失率が大きく、明確な共振が現れ にくいものと思います。 また、ゴムの損失は、ヒステリシス損失が大きいので、低周波でもゼロに 漸近しないと思います。 (機械系でも、重ね板バネ等は、ヒステリシスが生じますので、低周波 でもゼロに漸近しない筈です。) ご質問のとおり、それぞれの物質に適した観測周波数を利用しないと、 実用的に意味をなさないデータとなる可能性があります。しかし、物理現 象のバックグラウンドを十分に理解してデータを見れば、どのような挙動 をしているか、理解を深めるためにも活用できると思います。 被測定対象は、ゴム又はプラスチックとして宜しいでしょうか? >小野測器URLの図8の計算式を利用してExcelでといてみました ・機械の共振系の考え方を適用したと考えていいでしょうか? ・サンプルの形状はどのようなものを使ったのでしょうか? ・質量(重錘)を付加したのでしょうか? >会社で測定するtanδは、中央加振法 tanδの測定値は概ね同じ ・tanδの値を比較したのは、小野測器URLの図8の方法と同じ周波数 ですか? 両者のtanδが合致したのは偶然ではなく、測定するモデルや周波数について 材質の物性値を代表するに相応しい適切なモデルや周波数を選定したという ことと推定します。お問い合わせの内容をもう少しフォーカスよく把握でき れば、疑問点の核心に迫れるかもしれません。
お礼
ありがとうございます。小野測器URLの図8の計算式を利用してExcelでといてみましたが、ご指摘の通り、低周波数に行けば行くほど、いずれの損失係数においてもtanδはゼロの漸近するものの各損失係数の比はtanδの比に概ね等しい値となっていました。しかし、tanδの絶対値そのものは限りなくゼロに近づいていきます。しかし、会社で測定するtanδは、別途中央加振法(http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/newreport/damp/damp_4.htm)で測定するデータと概ね同じになります。偶然の一致とは思えず、どう考えたらよいか悩ましいところです。
補足
お礼が遅れて大変申し訳ありません。 >被測定対象は、ゴム又はプラスチックとして宜しいでしょうか? →プラスチックです。 >・機械の共振系の考え方を適用したと考えていいでしょうか? →ご指摘の通りです。 >・サンプルの形状はどのようなものを使ったのでしょうか? →ISO曲げ試験片です。厚み4mm、幅10mm、スパン40mmで3点曲げ です。 ・質量(重錘)を付加したのでしょうか? →質量は負荷していません。 >会社で測定するtanδは、中央加振法 tanδの測定値は概ね同じ ・tanδの値を比較したのは、小野測器URLの図8の方法と同じ周波数 ですか? →違います。中央加振法は試験片の共振周波数にて評価を行いますので、今の試験片だと100Hz以上ですが、レオメーターは1Hzです。 >両者のtanδが合致したのは偶然ではなく、測定するモデルや周波数について材質の物性値を代表するに相応しい適切なモデルや周波数を選定したという ことと推定します。お問い合わせの内容をもう少しフォーカスよく把握でき れば、疑問点の核心に迫れるかもしれません。 →数値計算してみましたが、残念ながら違うようです。両者の値が一致するのはおよそ共振周波数の半分くらいのところであり、今の試験片を考慮すると100Hzくらいで測定しなければなりませんが、レオメーターは一般的には1Hzくらいです。この辺では一桁以上数値が違います。 色々とヒントありがとうございます。この情報をベースにメーカーに尋ねてみます。本当にありがとうございました。
お礼
ご指摘の通り減衰比と比例関係にあります。したがって小野測器の資料の1自由度振動モデルで質量M部にPsinωtの加振力を加えた同じモデルでtanδも減衰比も論じることができるということになります。そもそも、この資料ではtanδと損失係数は同じものとして扱っています。形状、拘束条件、材質が決まれば共振周波数は決まりますので、やはり共振周波数との位置関係によってtanδの値が異なるというのが、振動工学の考え方と思えるので、レオメーターでの測定値を材料の普遍値として扱うことが、しっくりきません。明日、測定器メーカーに問い合わせてみようと思います。ありがとうございました。
補足
ありがとうございます。ゴムの特性測定値(tanδ)は振動ではないのですか。初歩的な質問ですみません。回答(2)様のご回答に答が潜んでいる気がします。