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金属原子の移動について
- 熱をかけることで金属中に別の金属原子が移動し、混ざり合う層ができることがあるのかについて調査しました。
- 金属中に別の金属原子が移動し、混ざり合う層ができることがある場合、それは合金以外の形態を取る可能性があります。
- もしそのような層ができる場合、どのような状態になるのかについても調査しました。
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化合物の状態があり得ます。 AとBの仲が良い(親和力が強い)なら、 金属間化合物をつくります。 というよりもむしろ、金属間化合物はごくありふれたもの であると考えるべきです。 例えば身近な合金である鉄クロム合金ではσ-CrFeという 脆い化合物を作ります。 例が多すぎて、詳しくは状態図集を見てもらうしかありません。 おっしゃる「合金」とは多分溶け合った状態である固溶体を 指していると思います。 しかし実用金属では不純物元素や少量の添加元素を 含んでいるのが普通ですから、 AとBが固溶体を作っても、これらの少量金属とBが 化合物を作る可能性があります。 そうするとAとBの固溶体中に少量の化合物が 析出した状態になります。 実用金属はこのような状態であることが普通です。 肝心のAとBを接触させて加熱するときの話を書くのを 忘れていました。 上記のことは予備知識として理解しておいてください。 Aの表面にBを接触させて加熱する(例えばめっきした鉄を加熱する) とA中にBが拡散していきます。 A/B界面が一番B濃度が高く、傾斜的にBの濃度が薄くなります。 このときAとBの化合物であれ、 Aにもともと含まれている少量元素とBの化合物であれ、 Bの濃度に依存して化合物であったり 固溶体であったりします。 例えば表面付近は金属間化合物ABが大量にあり、 Aの内部ではAとBは化合せず、 AにBが固溶した状態、 というようなこともあり得ます。 クロムとバナジウムのように化合物を作らない金属であれば 組成の違う固溶体が表面から傾斜的に並んでいることになります。 金属A、Bを接触させて加熱する場合、 溶体、化合物以外思いつきません。 拡散して行く過程で、最初に固溶し、 AとBの親和力が強ければ化合します。 ただし拡散すらしないほど仲が悪い金属の場合は 固溶体すら作りません。 (原子レベルで見れば混ざりますが) AとBが共晶反応を起こす金属であれば、 とけて液体になってしまうことはあります。 不純物CとBが共晶反応を起こす場合も A-B-C固溶体中でBとCの液体合金が 存在することはあり得ます。 氷に食塩をかけると0℃以下でも 液体になる現象(冬場の凍結防止剤) と理論的には同じです。 ちなみに、失礼ながらお節介を焼いておくと、 >金属間化合物、共晶合金の場合も指しているとお考えください。 の部分、共晶だけでなく共析、包晶などの反応形態があります。 合金が全て共晶でないことを付け加えておきます。 (理解されていて、言葉のあやであればご容赦ください。)
お礼
ご回答頂きありがとうございます。 質問文に私の説明不足な部分がありました。 私の質問文中の合金とは固溶体のみを指しているわけではなく、 金属間化合物、共晶合金の場合も指しているとお考えください。 (一般的な合金の定義のもの) それをふまえたうえで、この層はいわゆる合金以外の形態をとることがあり得るのでしょうか? という問いにお答えいただけると助かります。 ご丁寧なご回答ありがとうございます。 私の質問の核心の部分に近づいてきましたがまだ納得いかない点があります。 ご回答の文中の『ただし拡散すらしないほど仲が悪い金属の場合は 固溶体すら作りません。(原子レベルで見れば混ざりますが)』の部分はまさに今回私が知りたいと思っているところです。 しかし、ここで言う(原子レベルで見れば混ざりますが)いう部分が理解できません。拡散において原子レベルで混ざるという現象は理解できるのですが、 化合物や固溶体を作らず原子レベルで混ざっている状態とは どのような状態なのでしょうか?(←最も知りたい部分です) 何度もお聞きして申し訳ありません。 納得してすっきりしたいのでご教授いただければ幸いでございます。 よろしくお願いいたします。