四万十川という事なので、そこにスポットを当てて
一般論としては
1)河川に入る汚水の削減(生活排水や農業・工場排水)
2)河川の分解力維持(自然護岸推進等)
3)水量の確保(沈降・堆積の防止)
なんてことで、河川の『汚濁』は大半が防止できます。
これを家庭や地域に展開するなら
1)洗剤使用量の削減(これをやらないと合成洗剤を使っても石鹸を
使っても効果は出ない。)
2)食器は先ずペーパー類でふき取ってから洗う。
2)河川からの取水の削減
なんて事になるんでしょうか。
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で、今回のご質問を拝見しての疑問。
これは汚濁物質の流入が原因じゃないかもしれませんね。
ここら、ちょっとややこしいメカニズムなんで長文になる事はご容赦を。
河川水の発泡や、悪臭を発する堆積物の発生(以下、天然ヘドロ)は、どう
しても第一観で「人や工場が汚水を垂れ流しているから」と見えるのですが
詳細に調べると、そうでない場合も結構あるんです。
例えば、ある種の藻類は多糖類を分泌しますが、水中の多糖類濃度が上が
ると、水を攪拌した場合に発泡しますし、そのような場所は、藻類が大量
に発生している場所ですので、当然水中の岩などは藻類に厚く覆われ、藻
類の分泌する粘液で岩がヌルヌルしているように感じます。
この水中の岩に付く藻類を石垢(いしあか)と言いますが、この状態は河川
にとっては至って自然な状態で、石垢が多いか少ないかは、その河川ごとの
特徴と言えます。
で、藻類の繁殖は、水中の栄養分にも寄るんですが、水温や日射量・水量
水中の魚類量等に大きな影響を受けます。
例えば、藻類の堆積量がある程度増えると、水の圧力に抗しきれなくなり
洗い流されるのですが、水量が少なくなったり、川底の石等が少なくなっ
たりすると洗い流されにくくなりますので、付着量が増えて「多糖類濃度
の上昇=発泡」という減少が起きます。
また、藻類は光合成を行いますので、日射量の増大や水温の上昇で大量に
発生しますし、藻類の捕食者である魚類や水棲昆虫が減少することでも大
量発生に繋がります。
また、水量の減少や流速の減少が発生している場所では、上流から流れて
くる堆積物質が沈降しやすく、これと藻類が結びついて、悪臭性の堆積物
となる場合もあります。
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ですから、gosekiさんの川を汚さないように...との努力は貴重と思いま
すし、そのためには他の方の回答や冒頭での回答が対策としてあるんで
すけども、四万十川の水質の推移と併せたら、『水質が原因ではない
可能性が高い』というか、以下のような事柄が疑わしいのではないかと
思います。
1)何らかの事情で捕食者が減った。
産卵期の増水で産卵が不可能だった。 漁獲高の増加
産卵期の水温が不適、水量の減少
2)川底の様子が変った。
川底から採石した、人が入らなくなった為に川底の状況が改善
された、上流からの土砂の流入等
3)水量が減ったor流速が減った。
降水量の減少、農業用等取水の増加、川底の岩石量増加
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人が入る川って、水質以外の色々な事で様相が変るんで、非常に難しい
ものでありますね~。
お礼
EM石鹸というのを何回か使ったことがありますが、あまり意味の無いものなんですね。私が川遊びする上流で土木工事が3か所くらいありました。参考になりました、ありがとうございました。