やや難解なアドバイスになりますがご容赦ください。本日が保障スタートの日なので参考になれば幸甚です。
結論は告知義務違反には該当しないだろう、でも給付の際にイチャモンがつく可能性は残るだろうということです。
以下説明です。
生命保険の成立の三要件というのがありまして「申込・告知・一回目保険料の領収」が揃うことで保障が有効になります。正確には責任開始と言います。なお責任開始と保険会社が引受承諾するというのは別の問題ですので早合点しないように。
今回のご相談は申込・告知を完了した後、一回目保険料の口座振替(責任開始日)までの健康状態の変化についても告知義務違反が問われるかということですね。
商法では「告知しなくてはならない」とされていて、保険会社が運用している約款でもかつて「申込の後、一回目保険料領収の前」の期間にも告知義務を定めていました。
しかしこの規定は昭和49年に削除され以後、告知すべき時期とは「申込から保険会社の承諾の間に告知を求めた時」と解釈されています。従ってあなたが告知した2ヶ月前には告知すべきことは無かったとのことですので告知義務を正当に果たしていると言えます。そしてご懐妊が分かったのは7月20日のようですから今回の件を告知しなくても「約款上は」大丈夫と考えられます。
(出典:生命保険文化センター刊「保険事例研究会レポート第184号)
ところが問題なのは次。(一部失礼な表現をご容赦)
もしあなたが今回の出産において異常分娩となり給付金請求をする場合や、契約日より2年間以内に別の事由により請求をする場合です。
この場合、かなりの確率で保険会社は「事実確認」を行うはずです。具体的には診断書の精査だけでなく「申込・告知時点で妊娠していたのでは?」と会社が判断したら、あなたの同意を得たうえで病院に確認を入れるというものです。因みにあなたがこれを拒否することも出来ますが、その場合支払は実行されないという規定が約款にあるので事実上、確認は拒めません。(余談ですが告知義務違反をしても契約から2年間バレなければ大丈夫という流言を耳にしますが、数多くの判例で嘘であることが立証されています。こうした誤解はしないように)
前述のとおり申込・告知の時点では妊娠は無かったわけで、あなたには責められるべき点はないわけですから保険会社の事実確認が入っても「潔白は証明される」はずで、そうなれば給付金も支払われる可能性が高いと思います。
ただし民間企業である生保も会社によって対応が異なる場合がありますので確約はできません。
整理します。
●あなたは告知義務を果たしている
●約款上は今回の妊娠を告知しなくても告反ではない
●ただし請求時に確認を求められて不快感を味わう恐れがある
このようなことを理解されているのであれば堂々としていれば良いと思います。ご不安があれば生命保険協会でも無料で相談にのってくれます。
お礼
ありがとうございました。無知なもので、すごく助かります。