膵臓には血糖を調節するホルモン(インスリン、グルカゴン)を分泌する内分泌部(ランゲルハンス島)とタンパク質や脂肪や炭水化物の消化酵素(キモトリプシン、リパーゼ、アミラーゼ)を含む膵液を作る外分泌部からなります。
通常膵炎や癌などは主に外分泌部の障害が中心で、内分泌は保たれており事が多く、障害がひどくなると内分泌能に異常が出てくることもあります。血糖値が高い状態が続くとランゲルハンス島細胞が減少し、唯一血糖値を下げるインスリンの量が減る、もしくはインスリンの効きが悪くなって糖尿病になります。HbA1Cは少なくとも1か月以上の血糖値の推移で変動します。検査1週間前から食事と運動しても血糖値は変わりますが、HbA1Cは改善しません。
通常インスリンは血糖値が上がると分泌が促進され血糖値を下げ、血糖値が低いとインスリン分泌が抑制され、血糖値を上げるグルカゴン分泌が促進され血糖値を安定させる機能があります。グルカゴンは血糖値により調節されていますが糖質摂取では分泌は促進されません。高タンパク食、高脂質食で分泌が促進されますが、単純脂肪経口投与ではグルカゴン分泌の増加は起こりません。
血糖値が低くなるケースはインスリンが出過ぎている状態で代表的なものはインスリノーマというランゲルハンス島の腫瘍があります。インスリンが出過ぎているだけでなくコントロール不能の状態です。90%は良性腫瘍です。あと気をつけるものとして薬剤性低血糖があります。薬剤がインスリン分泌を促進させてしまうもので抗不整脈薬、キノロン系抗菌薬(抗生物質の一種)が有名です。
お礼
詳細にありがとうございました。