推薦入試についていえば,どの時点で有利・不利になるかの問題がまずありますね。つまり,
1.高校で推薦する時点で,在校生と被推薦者の男女比が有意にちがう。
2.大学受験時に,男女別の合格者数/受験者数(=合格率)が,一般入試と推薦入試で有意にちがう。ただし,一般と推薦で「受験者集団の能力分布」は同じと仮定します。
1.について。ぼくは私立をふくめて推薦入試がやっと始まったころ(40年くらい前だったかな?)から知っていますが,保護者には「娘に受験地獄は経験させたくない(人間性がいびつになるのではないか)」という思慮がありました。当初は推薦入試の募集人員も少なかったはずなので,「一般入試でも十分に合格可能性がある優等生の女子生徒」が,高校に推薦を願いでるケースがよくあったと思います。大学側でも「この子なら一般でも入るだろう」という安心の判断をし,「合格通知を先取りで出しておくので,これからは発展的な学習に進んでくださいね」という対応をしたのです。
この状況は,「一般では理数系(または英語)が致命傷になって通りそうもないので,推薦で出願しよう」という具合に崩壊してしまいました。しかし,「推薦は女子が好む」という風潮は残っているのではないかと思います。
また,高校内で誰を推薦するかを検討するとき,「面接試験を無難に通れそうだ」という思惑(真実かはわからない)から,女子を優先することがあるかもしれません。これはまったくぼくの推量です。
以上は,大学側の関知しないことです。
2.については,大学側でそういう統計をとって検討した例を知りません。ということは,「推薦で女子を優遇しているのではないか」と問題になっていないんだろうと思います。こっちも馬鹿じゃないので,性別で採点を左右はされませんよ 笑。