ドーナツを買ってきて、同じ形に切り分けて下さい。いくつに切ってもいいのですが、上から包丁を当ててまず縦に、次に横に切れば4等分になりますね。そのくらいでかまいません。円柱がカーブしたようなかたちのものが4つできますね。ただ、切った後で動かしてはいけません。もとのドーナツのリング型を保ったままにしておいて下さい。
そして、このドーナツを、両手の親指と人差し指を開いて左右から挟み込むようにし、中心に向かって押して下さい。切り分けられた4つはドーナツのかたちを保ったままですね。もちろんドーナツは柔らかいので、あまり強い力で押せばつぶれてしまいますが、少なくとも切り分けられたドーナツが内側に外れてばらばらになってしまうことはないでしょう。
桶や樽も同じです。切り分けられたドーナツのように木の板を並べてあるので、外側から押しても内側に外れてしまうことはないのです。
ただ、当然ですが外側に外すことは簡単ですね。もし何も留めるものがなく、ただ木の板を並べただけだったら、すぐに外側に倒れてばらばらになってしまうでしょう。だから外側に外れないように竹でできた輪っかをはめるのです。あの輪っかを「たが」といいます。
というわけで、桶や樽の板は内側には外れないが外側には外れるので、外側だけを「たが」で締めれば大丈夫、というのが答えです。もちろん今でも作られていますし、日本だけでなく外国にもちゃんあります。
お礼
時代劇に出て来る桶職人、木槌で箍を打ち付けるだけで何故外れないのか 曲げわっぱにしてもしかり、外径を計っているわけでもなくピッタリ合う。 何故現代のように機械も道具もない時代にあんな物が、と感心しながら見ています。 ありがとうございます。