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クリスマスローズの開花について
- クリスマスローズは咲かないことも多いのでしょうか
- イエローのシングルは咲き、ブラックのダブルは咲かない
- 開花が期待できる苗でも咲かないこともあるのか、ダブルは遅れて咲く可能性
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開花が期待できる苗というところから、購入した物は「開花見込み苗」だったのだと思います。これはあくまでも「予定」なので「たまに個体によっては次の年に花芽が出てこない物もある」と言うことなんです。おそらくイエローシングルの方の個体は成長が旺盛な性質を持ち、ブラックの方はダブルとのことでシングルとはまた別の系統でありイエローよりも育ちのゆっくりな個体だったのでは。 2つの個体はガーデンハイブリットと呼ばれる園芸種です。おおもとになった原種から改良されて作られましたが、多様性を持たせるために過去の交配で受粉可能な近縁の別の原種の遺伝子もとり入れられています。そういう植物はいろんな遺伝子情報を持ち、人が主に花の美しさを重視して交配・選抜を繰り返すために他の性質の方の改良はおろそかになりがちなんですね。 その結果、珍しい花色や花弁の形状の個体ほど性質が弱めだったり育ちが遅かったりする傾向が強くなってきています。 花弁の形がシンプルなシングル咲きで花色もグリーンから色素の一部が欠損して発色するイエロー系は私の家にもありますが、結構大き目の個体で育ちが旺盛と感じます。これは他の植物でも野生種でも良くある花色で園芸化された他の植物でも野生化では存在しない花色のは放置されると弱めで色が褪せたりするのに黄色や赤い花のは半野生して毎年綺麗に咲いてくれるので、黄色の花の個体というのは遺伝子的に優勢で強い特徴を持つのでしょう。 逆に、ブラックに見える色素は野生の物の花ではあまり多くありません。植物中に色素自体はスポット模様などして存在していても花弁の主体色としてまで多く存在していませんでした。 それを人が改良を繰り返して黒く見える色素が多く出現するように交配・選抜しながら導いて花弁全体の色として存在できるように作り変えた。ダブルの花弁の特徴も元々は突然変異で出来て昔は実生で育てた中での出現率は低かったのを交配・選抜を繰り返して形の良い八重の花弁が、実生で殖やしても昔よりは多めに出現してくれるように作り変えられています。 植物と言うのは自然界に生えていたころの姿からかけ離れるほど遺伝子が複雑に成りすぎて性質の方もちゃんと交配で改善しておかないと、いろいろな面で多様性が出る代わりに個体差も激しくなります。また、遺伝子情報からこの花色・模様の物はだいたいこんな性質と言う個性も出て来ます。 今回ブラックのダブルは珍しい花色・花弁の形状が故に生育の面では遅れがちのものだったと思われます。反対にイエローのシングルは生育の面では旺盛。我が家ではイエローの他にやはり黄色の色素が混ざるアプリコットのシングルも育ちとしては旺盛な方で花も大きいです。 もうすでに開花時期は過ぎていて蕾は作られないので今年は残念ながら咲きません。でも今年の管理が適切で夏越し出来れば、ちゃんと花芽分化条件が揃うと花は来春に咲いてくれるはずですよ。 ただ、まだ花が見られていないとのことなので時折実際咲いてみるとブラックのダブルでは無い時もあるので、それだけは心に留めておいてください。 苗のまだ開花経験の無い株だと、実際咲いてみない事にはどんな色か花弁の形状かは解りません。花色・花弁形状も「あくまでも見込み」なんです。 ガーデンハイブリットは複雑な交配が繰り返されているために性質の固定化が行われていないと、過去に交配されていた花色や花弁の形状が出てくることがあります。購入時にメリクロン増殖苗とはっきりと解っている物なら親(細胞を採取した個体)と同じ花が咲きますが、品種名無しで売られている物だと必ずしもメリクロン増殖ではない事もあります。信頼できる種苗会社の販売先から直接買えば大抵はメリクロン物ですが、お店で売られている物の場合は種苗会社や生産者の解るタグやラベルが付いていないと実生で育てられた可能性があり、昔よりは低めの出現率にはなりましたが親と違う姿で咲いたり色が薄めの物が出る事もあります。八重咲き品種から種子を採って育てた実生苗からシングルの花弁が出る事もあります。 ただ八重咲きの特徴は株が充分に育っていないと出現せず初花はシングルや半八重気味で咲くこともあるので、もし初花が八重咲きで無かったとしても次の年に期待を残しておいてください。株が適切な管理を受けて充実すれば翌年は八重の花弁で咲いてくれるかもしれません。ただ、翌年もシングルで咲いてしまった時は運悪く八重咲きの中に隠れていたシングルの特徴が強く出てしまった個体だったと言う事で、ダブルには咲かなかったもののブラックの花色は継いでくれると思うので大切にしてあげて下さい。それに八重咲きの特徴を確実に遺伝子の中に持っている個体なので、そのシングルの花に稔性があるなら自家受粉させて種子を採り育てていくと、2世代目か3世代目(子か孫株)に八重咲きが出てくれる可能性はあります。ガーデンハイブリットは隠れている花色の遺伝子情報も多いので、世代を繰り返し実生苗を多く育てていくとブラックのダブルの他に他の色のダブルの花も出る可能性もあります。 もし今回クリスマスローズを初めて栽培するのでしたら管理方法にコツが要り、梅雨時と夏の管理が適切でないと年々徐々に弱って行く事もあるので、できればクリスマスローズの最新の栽培本を一冊購入なさって、それに沿った管理を行ってください。 屋外ではできれば東側か、夏は落葉広葉樹の陰になる様な半日陰の環境に置き、もし難しいなら遮光シートなど使って日差しを調節してください。 元々クリスマスローズは北方性の植物で、ガーデンハイブリットの場合は園芸化されたことで本来向かなかった環境に適応できている物もありますが、珍しい花色・花弁形状の物は弱めな物もあります。 庭に植えっぱなしや早春の開花時期以外は日当たりが良すぎる場所に置いたままだと中には育ちが遅かったり徐々に弱ったりもありえますので、基礎知識を覚えないで自己流の栽培をしていると性質の弱めの物だと寿命が短くなることもありますので、まずは関東標準の年間管理を栽培本に沿ってお住まいの地域に合わせて行っていき、次回の植え替えはクリスマスローズに合うブレンドの土を使い、適切な時期に肥料を与えていき時期ごとに置き場所を変えたりしながら育てて行って下さい。もしかするとブラックのダブルだとシングル咲きの物より生育が遅めで株の殖え方も遅い可能性があるかもしれませんが、個体によっては開花株に成れば花後(花弁は散りませんから蕊が落ちて花色が変わってきたら咲き終わり)できるだけ早く花茎から切ってしまい必要以外は実を膨らませない(もし自家受粉させて種子を採りたくても花茎が5本以上出てくるまで待ち、すべての花に受粉させてから実が膨らんだ1~2本だけを残して他は切って下さい。別の個体との他花受粉を試みるのなら良い個体を得るためには育苗に多くの種子を必要としますが、鉢植えだと土の容量が限られ数年ごとに株分けするので大株に出来ず、一株から多くの種子を採るのはちょっと難しいかも)でおくと株に負担がかからず済みます。 今の株を2~3年栽培してみて生育サイクルを把握できて自信が付いてから、他の物を買って増やしていくと良いです。やはり交配が複雑なバラなどの様に個体ごとの個性、花色や花弁の形状による傾向が徐々に見えてくると思います。ガーデンハイブリットの他にクリスマスローズは原種もいくつか販売されていますが、原種の場合は園芸種ほど丈夫では無いのでもしかするとそちらでは栽培がちょっと難しい物もあるかもしれません。ですから原種の場合うまく栽培できなくても「元々我が家の栽培環境には適応できなかったんだ」と考えておいてください。 私の住む所は北海道でクリスマスローズの栽培には最適でガーデンハイブリットなら植えっぱなしでも大抵大株に育ちますが(ただ、他と比べて生育が遅い物はあります)同じ場所に植えても原種の方は気難しく徐々に弱っていき消えてしまった物も。こちらでもそうなのですから本州だと結構難しい可能性もありますから・・・。
その他の回答 (1)
私は、昨年冬に咲いてないクリスマスローズ苗を 買いました。去年は開花しませんでしたが 少し肥料などはあげていましたら 今年に咲いて、びっくりしました。 もし、今年だめでもあきらめなければ 来年咲くと良いですね
お礼
今年はダブルは咲きませんでしたが、そのぶんシングルのほうは咲いて 良かったと思います。
お礼
とてもくわしい回答ありがとうございます。 >まだ花が見られていないとのことなので時折実際咲いてみるとブラックの>ダブルでは無い時もあるので、それだけは心に留めておいてください。 これは知りませんでした。実際に咲いた場合、色や形状が違う場合もあるのですね。 そういえばクリスマスローズは「ひとつとして同じものはない」そうで そのこともクリスマスローズの魅力になっていると何かの本に書いてありました。 ブラックのダブルは咲きませんでしたが、イエローのシングルが咲いたので 良かったです。 またイエローのシングルは5つ咲いたうちの2つはクリスマスローズにありがちな下向きではなく、「横向き」に咲きましたので、咲いているときは一層見応えがありました。 今、最後のひとつが咲いています。 残りの4つもがくだけになり緑がかっていますが「花の形」をとどめています。 最初のひとつめが開花したのは2月のなかばでしたので、1ケ月以上咲いていることになり、花が咲いている期間が長いこともクリスマスローズの魅力だと 思います。