一般吹奏楽団で活動しています。
指揮者が必要な理由はたくさんありすぎて書ききれないのですが、まず一点理解しておいていただきたいのは、楽譜を見れば音楽のすべてがわかる、というわけではないということです。
専門的な用語は省きますが、曲のテンポをみても「ゆっくり」と書かれているだけの場合があります。
また一つ一つの音符を見ても強調する意味の「アクセント」という記号はその曲調によって使い方が変わります。人のしゃべりをイメージするとわかりやすいのですが、音楽にも「フレーズ」というのがあり、どこで句読点を打つのか、というのは人それぞれでイメージが微妙に違います。
音の大きさを決めるたとえば「フォルテ」などという記号がありますが、これにしたって厳密に数値で定められているわけではありません。(だいたいの決まりごとはありますが)
これらを決めて演奏者に伝えるのが指揮者です。
たとえば数名のバンドなら演奏中のアイコンタクトでこれらをカバーすることができるのですが、50名以上で一緒に演奏する楽団の場合ですと、アイコンタクトは不可能ですし、配置によっては、ほかの演奏者の状況がまったく見えない場合もあります。
もちろんマーチなどのようにテンポやイメージが大体固まっているような曲でしたら、指揮者がなくっても演奏ができます(よく客席に向かって拍手を促したりしていますよね)。
これらのことを曲の解釈(アナリーゼ)などと呼ぶのですが、有名な指揮者になると、それぞれ独自の解釈方法などをお持ちなので、指揮者が変わると演奏が変わって聞こえます。
演奏者の立場で言いますと、これらの解釈がうまくない指揮者のもとで演奏するととても演奏しにくく、同じ曲をしっかりした指揮者のもとで演奏すると、とても演奏しやすいです。
ちなみに、優れた指揮者は演奏者への指示を指揮棒や左手のアクションで無言のまま伝えます。コンサートの映像で音を消してみたとしても、その曲が持つイメージが伝わってくるぐらいです。
お礼
素人の私でも「ピアニシモ」「フォルテ」や「速度記号」など表現に関する指示があることは知っています。その記号には数字的な決まりはないのですね。となると、指揮者がそれをどのように理解し、表現するかにとってそれが演奏者に伝わるということですかね。 >これらの解釈がうまくない指揮者のもとで演奏するととても演奏しにくく、同じ曲をしっかりした指揮者のもとで演奏すると、とても演奏しやすいです。< この一言ですべてが理解できました。 実はこのような質問をするのは少し恥ずかしかったのですが、質問して良かったと思っています。 私は小澤征爾さんが大好きです。雰囲気がなんとも素敵ですね。 おかげさまでこれまで以上に演奏を楽しむことができると思います。 ありがとうございました。