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【法律に詳しい方に聞きたい】猫をいじめたらどうなる
悲しいことですが、 家でも、社会でもいじめられて、 自分より弱くて、あたれるものは、 野良猫ぐらいしかいません。 野良猫をいじめようとしたのですが、 犯罪になるかな、と思ってコワくなり、いじめませんでした。 野良猫をいじめるのは、何の犯罪になるのですか? また、罰は、どのようなものでしょうか?
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「動物の愛護及び管理に関する法律」と題する法律があります。 猫は同法第四十四条第四項において 「愛護動物」の一つとして掲げられています。 同法同条第一項から第三項の規定は 「愛護動物」保護に関する罪刑規定です。 同法より抜粋。 “第四十四条 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。 2 愛護動物に対し、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、又はその健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であつて疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であつて自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行つた者は、百万円以下の罰金に処する。 3 愛護動物を遺棄した者は、百万円以下の罰金に処する。 4 前三項において「愛護動物」とは、次の各号に掲げる動物をいう。 一 牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる 二 前号に掲げるものを除くほか、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの” 猫を、正当な事由なく「いじめ」によって殺したか負傷させた場合 ⇒ 法定刑は二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金、 猫に虐待に当たる「いじめ」を行ったところ、 その猫は負傷することなく一命を取りとめた場合 ⇒ 法定刑は百万円以下の罰金、 猫を遺棄した場合 ⇒ 法定刑は百万円以下の罰金、 ということになります。 飼い猫など人が合法的に占有している動物は、 刑法上は、その人の物[財物]です。 人の動物をその人の承諾を得ずに傷害することは、 刑法第二百六十一条に定める器物損壊等罪になります。 この「傷害する」は殺す場合を含みます。 この罪は、親告罪(=告訴がなければ検察官が公訴を提起できない罪)です (←同法第二百六十四条)。 刑法より抜粋。 “(器物損壊等) 第二百六十一条 前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。” ある猫が一見、野良猫に見えたとしても、 たとえば その猫に付いている首輪や その猫の近くにいる人が手に持っているペットフードの袋から 当該猫が人に占有されていると推認され得る状況において、 仮にそうであったとしても当該猫を傷害して構わないと思って これを傷害すると、 人の動物を傷害することに未必の故意があったとして この罪に問われる可能性があります。 同じ猫に対してされた一つの行為が、 この刑法の器物損壊等罪と前出の三罪のうちの一罪の 双方に当たる場合には、 法定刑は重い方になります。 たとえば、 人の猫をその人の承諾を得ずに、一つの行為によって、 正当な事由なく殺したか負傷させた場合、 前出の「愛護動物をみだりに殺し、又は傷つける」罪 (法定刑は、二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金) 及び 器物損壊等罪 (法定刑は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料) の双方が成立しますが、 この器物損壊等罪について告訴があると、 法廷刑は、三年以下の懲役又は二百万円以下の罰金となります。