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シャープは、なぜ?

こうなったのかしら?  (1)もぬけの空のようになった??  (2)減資って?  識者様! 教えてくださいませ。

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  • hue2011
  • ベストアンサー率38% (2801/7249)
回答No.2

FPGAという技術が命取りなんです。 真空管の昔はちょっと置いておいて、昭和40年代後半からのソリッドステート時代というのがあります。 トランジスタを中心として、コンデンサと抵抗を組み合わせて詳細な動きをする回路を組む技術が発展したのです。 しかし教科書的にいくら勉強してもダメだったのは、こういう電子部品には性質にばらつきがあって、テスト機で十全の働きができた回路を大量生産するとうまくいかないものがいくつも出てきた。 そこで技術であって、そういうばらつきをうまく吸収できるような回路を設計し、安定させるわけです。 こういうのは、頭が悪ければできませんが、優等生的な発想ではだめで、一種の勘と天才が必要です。 そういう世界では、人種を言うとまずいですけど、向いている民族というか国があります。 日本人というのはこういうことにきわめて親和する性質をもった民族です。変に優秀なのです。 ソリッドステート時代の若きスターというのがソニーです。 そして、もともとくりだし鉛筆の芯を0.5ミリのような細いものにし、削る必要のない万年鉛筆を発明したシャープは、電卓という方向に進みました。 これは高度成長時代とリンクした発展の黄金期です。 これを真似しようとして、アジア系の国がいくつも追いかけてきましたが、NICSだとかNIESと悪口で呼ばれる、はりぼて状態の製品だった。 英米人から見ると日本人と周辺アジア人の区別がつきませんので、スピルバーグ映画でグレムリンなんて、ろくでもない機械を日本製呼ばわりしました。 ところが、同じ監督の、バックトゥザフューチャーというものでは1955年のドックが日本製品と聞いて見下すように言ったらマーティが、いま一番いい技術を持っている国だといいました。 このへん、日本製品がブランド化した時代です。 さて、トランジスタ回路ですけど、工夫に工夫を重ねた複雑な回路は、当然ですが故障しやすくなります。 大量生産にもなかなか手ごわいものがあります。 50個かって数百円なんていうコンデンサなんていう部品を組み合わせるとすれば、ひとつやふたつ事故品が入っていても文句言いません。 ポップコーンで膨らんでいないものが数粒あっても苦情を言わない理屈になります。 これは半分自殺行為です。 だとしたら、こんなもん、トランジスタと組み合わせて回路として売ったらどうかという考えが生まれます。 で、組み立て終わって動作確認までした「ボード」という販売を考えます。 これは品質上非常に助かり、必ず動く部品を買ってきて組み立てればいいことになります。 この発想は、全部圧縮してひとつの粒にしてしまえばいいのでは、という考え方になります。で、LSIというものができることになります。 微分回路積分回路をいちいち組み立てないで「オペアンプ」という1個の粒になっている部品を買ってくれば、受信装置さえ組めばすぐにラジオができることになります。 この発想はどんどん進展しました。 そして、開発者の技術力、組み立てた人間の腕、があまり問われないような部品になっていきました。 その部品さえ買ってきてその回路に置けば、電気回路の計算ができない人間でも製品が作れるようになってきたのです。 FPGAというのは、複雑極まりない電気回路を電気計算をしながら組み立てるのではなく、開発言語があってそれで論理を記述するのです。 その論理をコンパイルすると、電気回路の設計図が生成されるというような技術だと思ってください。 その設計図を印刷機にもっていって、数ミリの四角形の中に、半導体をインクにして印刷すると、人間の目で見ながら組んだら不可能なくらい小さい、しかも精巧な電子回路ができているという話になります。 このやりかたで開発された部品をASICと言います。 一番最初に、あるシステムのASICを開発するのは大変です。本当に寝る間も惜しんで命けずりながらやるしかない。 でもできたら、あとは印刷でいくらでもできますから、そのチップを100万個生産するなんて簡単にできます。 ここが問題なんです。そのASICさえ手に入れたら、技術力も何も持っていない会社でも、優秀なシステムはすぐにできることになります。 地デジやBSの受信装置、テレビの画面安定装置はいまASICです。 ということは、かつてNICSなどと呼ばれたような国の人間がこのASICさえ手に入れたら、世界でおれたちが優秀なメーカーであると威張るのは簡単になります。 ASICを最初に開発した会社はその元をとらなければならないから製品価格はある程度の高価さを要求します。 ASICを部品として大量に仕入れる会社は、それを買い叩けばいいので、あとは製品価格はオリジナルの10分の1でも大丈夫になります。 開発に痛みを感じた記憶なんてないですから、安く売ってもなんとも感じない。 そうすると、かつてなら安かろう悪かろうだったような国のものが安かろう優秀だろう、になってしまいます。 某国にデジタルテレビの市場を奪われてしまうとか、液晶技術で太刀打ちができなくなるというのはこういう原理です。 そして、優秀な技術者を正社員で置いておくお金も足りなくなり、彼らにしてもらう仕事もなくなるのです。 彼らが全く新しい素晴らしいシステムをASICで作る毎に儲けが減るのですから、リストラしかなくなり、減資しないと回らなくなるのです。 誰が悪いというのではなく、こういうことを予測しなかったことが問題です。 人間のスパンに比べ、技術の発展が速すぎたのです。

richard23
質問者

お礼

お詳しい内容に深謝いたします。  有難うございます。

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その他の回答 (2)

  • itou2618
  • ベストアンサー率26% (319/1208)
回答No.3

シャープの商品を買ったことありますか? 確かに、目のつけどころ、アイデアは良いのです。 でも信頼性が・・・。 アイデア倒れですね。

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  • SPROCKETER
  • ベストアンサー率26% (2131/8006)
回答No.1

 ソニーと競り合った会社は、みんな傾くと言われています。セガがソニーと競り合ってゲーム機市場から撤退していますし、シャープも液晶テレビ市場でソニーと競い過ぎたのでしょう。  しかし、家電大手企業が潰れかかるというのは初めて知りました。競争に夢中になっているうちに採算割れを起こして自滅する例は珍しくないようです。  それというのは、テレビ全てが薄型大画面液晶にシフトして、競争が激化し、40万円のテレビが10万円まで価格破壊を起こしたでしょう。あれでは赤字に転落するのは当然でしょうね。  プラズマテレビも有機ELテレビも液晶テレビに勝てずに敗退し、液晶テレビの独壇場となり、海外企業との過当競争で価格が暴落し、赤字が深刻化したようです。  税金を減免して貰う為に、大企業から中小企業へ減資するのではないかとか、噂が広がっていますが、国内家電大手の数が減るのは、製品を選べなくなるので、好ましくないと思います。  それにしても、8ビットパソコンで市場を席巻していたシャープが、ここまで落ちぶれるとは考えてもみませんでした。

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