オーディオ世界の 内 と 外
[生活面で支障が出る話] の質問と、[オーディオ技術の変遷] 情報の二つの話です。
◆[ 生活面で支障が出る話 ]
オーディオ鑑賞では不都合がなくても、実生活では聞き取れないと困る問題です。
音の歪みや高音域の不足など公共放送の粗悪音や、放送声の質・活舌が悪く耳感度が良い人でも意味が通じない場合が散在しています。
自分が将来に耳感度が弱まったりした場合は、かなり困ります。
非常事態の場合に事態や非難方向などの正確な情報が解らなかったり聞き違えたりして身の危険を回避できない状況や、諸々の支障を防ぐ必要があります。
声が明瞭でない場合は、設備の高音域を強めると明瞭化する方向などの具体策をとれば解決する問題です。
参考に1kHz(定点)と、20~20kHz(連続スィープ)の再生音を紹介しておきます。 http://mojim.net/cn_search_u2_VuzN45qqqEI.html
出る音は使用パソコンのスピーカ音なので、聴こえ方は単なる目安です(良質ヘッドホン使用を推奨)。
<放送音声 (TV・ラジオ)>
o (送信音)
出演者の声の質によっては聞き取れない場合、談話マイク毎に高音補強(並・中・強3段階)の切換えスィッチを設けるなどの方法で明瞭化は実現できる
o (受信機)
音声の明瞭度は、音質切換えや微調整ができる機種でも、聴こえ易さは概して不十分なので、改良を望みたい
電話の明瞭化は、電電公社時代に武蔵野通研で研究の結果、300~3kHz(400オーム回線)が最明瞭と判明。(5kHz以上に広げると、現状の回線を高品質のフィーダーに変える必要が出る)
<街頭放送 (防災無線、駅構内・館内放送など) >
o (防災無線)
町内の放送は、鉄柱の上に殆どがホーン型sp(スピーカ)で多くは折畳みリエントラント形並級品と見え、音質が悪い上に建物こだまやエコーもあり、耳の良い人でも聞取りにくいという
良質品に変えるか、遠方でハッキリ聞取れる平面波方式のFPS (平面板sp) を採用し、小区域ごとに分散設置するなどの改善が望まれる(FPS=Flat Panel Speaker)
移動用・街頭などの設置例 http://www.fps-inc.co.jp/proaudio/
o (駅構内、街頭・店舗)
音質は良くても遠く離れると音量が弱い
平面板駆動による平面波で、離れてもハッキリ聞取れる電磁式の良質な [平面板sp] の採用が望まれる
駅構内の設置例 http://www.fps-inc.co.jp/eki/
以上の私見について、コメントや別論などがあれば御回答ください。
◆[オーディオ技術の変遷]
一般の人は音の高調波を言わない傾向が見え、音質は主にf特(周波数特性)と過渡特性を考えているのではと思います。どっこい!sp(スピーカ)の高調波歪みが音質全体に大きく影響しているのを忘れないで下さい。
そういう感想なので、上記質問への御回答前に、オーディオの知識を豊かにしておいて貰いたいと痛感したわけです。
<技術解明記事が少ない。技術進歩が止っているのか?>
一般的な疑問です。そのとおり!新鮮な技術解説も音質評価も音色鑑賞論も乏しい現況のようです。
しかし、実は 実用技術は出尽くした段階と思います。マイクの分野でさえ望遠マイクなども実用化ずみです。
オーディオ熱も今は下火で、出版者側は今さら記事にする問題がない状態ではと思います。
個別的な疑問や解説類は、雑誌社へリクエストして記事にして貰う方法があります。 纏まった手記があるなら、自分で出版すれば多くの人の参考に役立ちます。
オーディオの応用技術の新分野は、一部の先進的問題などをNHK技研が研究していて、毎年5月ころ一般公開されます。
(この次は来年です: http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1505/14/news167.html )
通常の基礎技術は、書誌「オーディオ事典」「音のなんでも事典」などや専門書・参考書で解明できます。
実用的なオーディオ解説なら、1900年後半(’50~’90年)ころの各雑誌に、貴重な記事が多数潜在しています。 図書館の利用が便利です。
ラジオ技術、無線と実験、電波科学、ほか次のような専門誌がありました。自作ラジオで受信鑑賞する時代から音楽鑑賞・オーディオの世界へと移行する過渡期でした。
電波技術、初歩のラジオ、電波とオーディオ、ラジオと音響、オーディオファン、H i-F i
定評ある執筆者は、
技術解説:富田義男 (NHK技研~日本ビクター)
障害解析:兵頭 勉 (修理技術・故障解析の第一人者)
質評価・品質解説:瀬川冬樹(オーディオ評論家)
劇場・音響評論家:菅野沖彦、江川三郎、長岡鉄男
おぼろげな記憶にあるのは以上です。その頃は「オーディオ相談室」風の某社小部屋が東京虎ノ門にあり、一流の評論家と一般者が談話可能で、富田先生とも何回か談話できた、良き時代でした。
最新技術の類は、現行の書誌類に頼ればいいだけの話です。
オーディオでは常識すぎて雑誌なども滅多に出てこないことを幾つか述べておきます。
o (オーディオの心髄):スピーカから、そこで実演奏しているように聴こえる音が出るのが理想、という考え方が一般的
幕で隠してアンプ再生音とナマ演を聞き、どちらがナマか当てる催しも、昔は稀に行われた
o (オーディオ指向の種類);概ね次の3系統
*音楽鑑賞派(楽曲の内容を楽しむ):再生音楽の愛好家
*音質尊重派(忠実音演奏を楽しむ):オーディオ趣向家
*機材優先派(再生のワザを高める):オーディオ邁進家
o (スピーカの種類)
*コンデンサ型(ヘッドホンでも最高音質)
「原理図」http://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2013-11-20
「特性例」http://www38.tok2.com/home/shigaarch/electrostaticSP.html
*電磁式平面板型(ヘッドホンはオープンエア形が優良音;ゼンハイザ製が定評)
「原理図」http://www.just-tech.co.jp/livesound_r3/Exp1.htm
「構造例」写真6、図1・2 http://801a-4242a.blog.so-net.ne.jp/2014-05-04
「小型製品例」6番目写真(NHK放送博物館)http://www.nhk.or.jp/museum/book/kiki100sen03.html
*電磁式コーン型(通常品)
*電動弁型(サイレン似の風量変調式:音質が悪く普及していない)
*ロクハンは「6.5インチ」の俗称。万能ではない。単品で全音域が無難に出る程度のフルレンジ優良品が開発され、調整室のモニタ用や館内放送などに多用された。低音域は耳を寄せないと聴こえない
低音域は音の放射効率が低く、離れて聞く音楽鑑賞などには10’(25cm)以上の大口径が必要
コーンを楕円形にし、長辺で低音域の効率を高め短辺で高音域の分割振動を助けた製品もある http://www.ekouhou.net/偏心コーン形振動板を備える動電型スピーカー/disp-A,2010-109665.html
o (増幅信号と再生音の状況)
*周波数特性(f特)通常20~20,000 Hz。アンプ (出力トランスも)・puもほぼフラット特性。スピーカは例外
*高調波=回路の電磁的-と、sp・pu駆動部の機械的-とが共存
[真空管] 3極管は偶数次-、5極管は奇数次-が顕著とも
[出力トランス] 奇数調波が無視できないレベルとの説も
[sp] 歪みの最大発生源 (URLの2番目図4色の曲線。上方の赤曲線は周波数特性) http://www.spatiality.jp/articles/post-887
*過渡特性=電磁的-と機械的-の両方が共存
上記1番図は巻線部回路の過渡特性を調べる衝撃1波の残響信号
物体では、スポンジなどで浮かせば、自由振動してシロホンのように余韻の残響が出るが、spは可動部にダンパーがあるので、残響音や共鳴は出にくい
spへの音信号が入ってから可動部が動き出す迄の、可動部質量による応答性(コンプライアンス)次第で音の時間遅れ・位相ずれが生じ、音色に若干影響する
*波形歪み=現製品では僅少(アマ無線などのしわがれ声は、C級増幅による波形歪が主因)
◆[ 全体像 ]
再生音の優劣は「アンプ」よりも「sp」で決まると考える
アンプは、[マッキントッシュ] が世界最高峰と定評。どう作れば同じ音が出るのかの謎も有名。回路図どおりに抵抗もコンデンサも同一値で組立てても同じ音が出ず、何が違うのか不明で、ハンダ材質が違うのではの説まで出た。現実はどの製品も技術の粋を尽していて大きな差はない筈
spは、同心円の型深さや硬さも、分割振動を決めf特に現れる。最大の問題点は振動板全体の機械的高調波が音色を左右し、品種ごとにに差が出ると考えられる
振動板の高調波は、音のつや・輝きとなって現れ、そのスピーカ独自の音色・特色になるらしい。もし全てのスピーカに高調波が出なかったなら、メーカ別・品番別による音色の差は殆どなく、どれも同じような音に鳴る筈
室内・劇場では、ある程度の残響と箇所による無反射壁も必要。設計して決める
測定は無響室で行っても、リスニングルームが無響室だと不自然な音になってしまう
お礼
回答有難うございます
補足
回答有難うございます。 麻倉怜士 氏 ステレオサウンドに掲載されている方ですね ステレオサウンド は特集が面白いそうなので買ってみたいです。 でも結構場所取るので躊躇します。 (80号あたりから100号ちょっと超えたぐらいまで購読してました) 買うなら付録も欲しいし いま194号ですか。。 20年以上ブランクがありますね。。ははは ありがとうございました。