採用募集を、人事の仕事だと思い込んでいると道を外しますよ。
どちらかというと、これは営業の仕事だと思った方がいい。
営業にまかせろと言う意味ではありません。人事部がやるのですけど。
人材に、自分の会社を魅力的に感じてもらい、応募してもらう、というのは、自分の商品に魅力を感じ買うと言ってもらうのと同じですよ。
雇用側に立ったら立場関係は別になります。
また、応募後の面接でも立場関係は違います。
しかし、募集中は、会社側が「売り手」で、人材が「買い手」です。
ここをしっかり納得してください。
だとしたら、単純に商品名とか店名を書いたチラシをばらまいて客がくると思うのは甘いですね。
どこに撒いたらいいでしょうか、という質問ではおそらく成果に遠い。
挨拶を兼ねて大学に訪問、というようなことをする企業は自分以外にもたくさんあるはずです。
大学の就職課が、それらの中からあなたの会社を推薦してくれると思いますか。
大学の事務側からいえば、自分のとこの卒業生が活躍しているという会社なら、推薦する気になりますが、そういう情報は渡していますか。
あるいは、自分の大学の学生ならこの事業で生きるだろうと思わせるようなトークをしていますか。
事務だけを相手にしていませんか。
大学の教授とか研究室に売り込みをしていますか。
魅力的な会社だ思われていなければ、そもそも選択肢の頭にも浮かびません。
また、大事な自分の学生に紹介しようとも思いません。
可愛い弟子に推薦状を渡して応募させたいという発想もわきません。
そして、そもそもですね。売り物に魅力がないといけません。
人事の人は、給料とか賞与とか、休日とか車出勤可とか寮あり、というような待遇だけを売りものにしようとしがちです。
でも、応募するほうは、もちろん給料は気になりますが、仕事のやりがい、自分の人生を考えます。
さらに、入社直後から、待遇ではなく環境を気にします。
このOKWaveで出ている質問を見るだけでそれはある程度検討がつきますよ。
どうも、この仕事をするとどういうスキルが身につくのか、が魅力のようですね。
それと、入社後きっちり教えてくれるか、面倒をみてくれるか、ということで苦情をいい、ブラックだとかいう人が割合います。
ろくに教えもしないで無能呼ばわりされた、とか。
雇用側からいえば、社員になってもあんまりお客意識で教えろというのはいかがなもんかとは思うでしょう。
一人前になってもらわなければ困るじゃないか。
けど、どちらが正しいか正しくないかの話をしているわけではありませんよ。人材から会社が魅力的と思うかどうかです。
もし入社してもらえたら、教育方針をきっちり説明し、3か月経過後はプロとして扱うからそのつもりで、と言えばいいのです。
話の観点を変えます。
その会社が魅力的と思う大きなことが、待遇環境でないところにひとつあります。
その会社の製品が非常に魅力的だ、とかわくわくする夢がある、という観点です。
いまAppleに入社したいと思う人は、iPhoneという製品ががその牽引をしているでしょう。
あるいは、「プロジェクトネクストデイ」を実行中という。
それは「旅先からでも自分の家の家電を起動したり制御できるシステム」を開発しようとしていることだ、というなら、それもワクワクさせます。
このアイディアは特許をとっている、とか申請中であるというと、権利がキープされているから、自分が入らないとその仕事にはかかわれないのだ、と判断できます。
以上、あっさりと言いましたが、たくさん並んでいるものから自分が立ち上がって見える工夫をしないとどうにもなりません。
そんな新製品の予定もなければ特許もない、というのであれば、実例の立ち上げをしてください。
総務勤務のA子さんの1日の生活、というような記事を読み物にして別冊で無料配布する。そういうのが割合効果を持ちます。
その人が腎臓病を持っているとか親の介護に追われているというようなことがあるほうが、実感を持って読んでもらえます。
もちろん嘘を語るのはよくないし、当人の納得を得ずに書くのはルール違反ですからそのあたりの常識は持ってやってください。
人事部は、雇う前から雇ったあとのことしか語ろうとしない傾向があるので、この話をしました。
お礼
hue2011様 返信が大変遅くなり、失礼を致しました。 また、ご返信、拝見させていただきました。 ありがとうございます。 自分自身の業務自体をきちんと見直し、 仕事の意味と目的を考え直すきっかけになる ご返信を頂きました。 あさってから早速、取り入れて変えていきます。 ありがとうございました。