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病名等人名に使うとは思えない字がなぜ人名漢字に入るのか?
本日の夕刊に「人名漢字578文字追加へ」の記事が載ってました。 一覧をながめると非常に奇妙です。 「狐」「狸」「鼠」などの動物系、 「癌」「痔」「疹」などの病気系、 「姦」「悶」「淫」などの卑猥係、 など、疑問に思えるような字が沢山あります。 かわいいわが子にこんな字をつける親が、居るとは思えません。 なぜこれらの文字が選ばれたのでしょうか? (法務省のページはまだ更新されてないようです。)
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質問者が選んだベストアンサー
「なぜ選ばれた」というご質問ですが, 答えとしては「選ばれた」というより「落とされなかった」ということになるでしょう。 既出の回答の中にもいろいろ批判がありますが,新しい人名用漢字表(の案)にけちをつける前に,なぜ今までの常用漢字表に文句を言わないのでしょうか。 その前にまず,人名につけられる文字が法律でどのように定められているかから説明しましょう。 戸籍法の第50条に, 「第五十条 子の名には、常用平易な文字を用いなければならない。 常用平易な文字の範囲は、法務省令でこれを定める。」 と書かれています。 そして,この法務省令(戸籍法施行規則)の第60条に 「第六十条 戸籍法第五十条第二項 の常用平易な文字は、次に掲げるものとする。 一 常用漢字表(昭和五十六年内閣告示第一号)に掲げる漢字(括弧書きが添えられているものについては、括弧の外のものに限る。) 二 別表第二に掲げる漢字 三 片仮名又は平仮名(変体仮名を除く。)」 となっているわけです。 つまり,今まで子どもの名前に使えた漢字は,「常用漢字表」の1945字と,「戸籍法施行規則別表2」(いわゆる「人名用漢字表」)の287字,合わせて2232字です。(あと,ひらがな・カタカナが使えます。) このうち「常用漢字表」というのは,「一般の社会生活に置いて,現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安」として1981年に定められたものです。 具体的にこの表が効いてくる場面というと,人名の他にも,たとえば新聞記事などは,(社によって多少違いますが)この表にない漢字にはなるべくふりがなをつけるとか,中学校の国語では3年を終わるまでに常用漢字のだいたいを読めるようにする,といった規定があり,日頃目にする文章では「常用漢字は一応読める」という前提で書かれていることが多いです。 常用漢字は,もともと人名につけるためだけに選んだものではありませんので,「死」「殺」「悪」「汚」「忌」「病」「臭」「痢」「罰」「盗」「堕」「葬」「腹」「扉」「塾」「尿」「軟」「謄」「逓」「臓」など,マイナスのイメージの文字や,あまり人名には使わなさそうな文字もたくさん入っています。 今まで,「戸籍法施行規則を改正して,常用漢字の中でこれらの文字は人名として使えないようにしろ」という意見は聞いたことがありません。 なぜ今回に限って急に批判の声が出てきているのか,不思議です。 No.1さんのおっしゃるとおり,「人名漢字に入ったからといって、嫌なら使わなければいい」ということです。 今までもそうだったし,これからはそういう文字も増える(でも使いたくなるような文字も増える)というだけの話ではないでしょうか。 むしろ,あえてそういう文字を「国家が禁止し,その規定を法令で明文化する」するほうが,「国家が個人に価値観を押しつけている」ことになって,問題があると思います。 怖そうな文字だって,魔よけとか,強い子になって欲しいという意味と解釈することもできるかも知れません。 そもそも,おおもとの戸籍法だって, 「常用平易な文字を用いなければならない。」 とあるだけで, 「常用平易で,不吉な意味や不道徳な意味などを有さない文字を用いなければならない」 などとはなっていませんよね。 なお,回答No.3に「人名に使える漢字を決める協会」とありますが,そんな協会は聞いたことがありません。 ありもしない団体について「そんな協会なんかいらない」「存在意義0ですね。」などと感想を述べあっても無意味なことです。 そもそも,ここのサイトは質問に回答するところであり,質問者は「これらの文字が選ばれた理由」をきいているのであって,「選ばれたことをどう思うか」という意見を募集しているのではないでしょう。 なお,「全部の漢字を使用可能にしてしまえばよい」という意見については,いろいろ議論もあって,ここでは詳しく述べませんが,次の3点だけ指摘しておきます。 1.名前は親だけのものではなく,社会全体で使うものである。 2.命名が完全に自由だった時代(1947年に戸籍法ができる以前)に付けられた名前には,画数占いなどによって,勝手に点や線を増やしたり減らしたりして新しく作った漢字や,届け出るときに書き間違えてそのまま登録された漢字などがずいぶんあって,混乱の元になっていた。 3.戸籍上の名前とは別に,芸名やペンネームなどで自分の好きな文字を使うのは全くの自由である。元歌手の畠田理恵さん(羽生名人の妻)は,「恵」の右上に小さな点を打っていた。また,「椎名林檎」の「檎」は今回認められる(予定の)文字に入っているが,最初からこの芸名である(もちろん戸籍上の名前は違う)。 以上のことより,「すべて自由」にすると,かえって混乱が起きるのではないかと思います。 新しい漢字を作り上げて届け出る人とかもいそうだし。 ちなみに,今回の選定基準は法務省によると次の通りです。 -------------------- ア 現在人名用漢字に含まれていないJIS第1水準の漢字計771字から,基本的に,漢字出現頻度数調査(平成12年文化庁作成)に現れた出版物上の出現頻度数に基づき,上位521字を「常用平易」と認め,選定した。 イ 現在人名用漢字に含まれていないJIS第2水準以下の漢字から,上記出現頻度数,追加の要望の有無・程度などを総合的に考慮し,57字を「常用平易」と認め,選定した。 (注) 当該漢字が専ら「常用平易」と認められるか否かの観点から選定を行った。漢字の意味(人名にふさわしいか否か)については一切考慮しなかった。 -------------------- なお,法務省のページにもすでに掲載されています。(11日の晩にはもう載っていたと思います) こちらをご覧下さい。 「人名用漢字の範囲の見直し(拡大)に関する意見募集」 http://www.moj.go.jp/PUBLIC/MINJI46/pub_minji46.html 長くなってしまってすみません。ご参考になれば幸いです。
その他の回答 (7)
- SCNK
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国家が必要以上に関与すべきではないと思いますよ。 選ばれた理由は新聞などに使用される頻度からと放送してました。
- puni2
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No.3への補足で >「人名に使える漢字を決める協会?」>とは「法相の諮問機関である法制審議会の人名用漢字部会」のことですね。 >(#6の方はご存じなかったようですが。) と書かれましたので,少し付け足します。 法制審議会の人名用漢字部会のことは知っています。No.6の回答を書く際は,念のためこの部会のメンバーが誰であるかも調べました。(結果的に,あまり回答内容には関係なかったので書きませんでしたが。) ただ,「協会」といわれたときには,法制審議会のことはイメージしませんでした。 むしろ,民間で人名用漢字についていろいろ運動やキャンペーンをしている団体とか,そうでなければ,役所の外郭団体(「気象庁」に対する「日本気象協会」とか,警察庁に対する「交通安全協会」などのような)のたぐいで「戸籍」や「人名用漢字」について扱っている組織を想像しました。 実際,文字や言葉については,さまざまな運動団体がありますから。 漢字をやめてひらがなにしろとか,ひらがなもやめて日本語は全部ローマ字にしろとか,歴史的仮名遣い(旧かな)を使おうとか。 だから,そういう外部の団体で戸籍や人名用漢字を扱っている組織は聞いたことがない,という意味で「聞いたことがない」と回答しました。 以上,誤解のないよう念のため補足しました。
補足
失礼な事を申してすみませんでした。 丁寧に補足いただいて感謝します。
- sinnkyuusi
- ベストアンサー率19% (639/3298)
今回は常用漢字かどうかだけを考慮して増やしたそうです。 名前にふさわしいかどうかは一切考慮しなかった、というコメントをYAHOOニュースで見ました。
補足
なるほど。であれば「常用漢字」の拡張と言えばいいのに。 「人名用漢字」の拡張というから、違和感を感じたのは私だけではないと思います。
- kameyama
- ベストアンサー率47% (18/38)
いやあ本当No.3様の言う通り!!!もう協会とか存在意義0ですね。 「苺」の字は使えるようになってすごい良かったと思いますが、今までそれを禁止しといて今度は「癌」を許可するギャップが凄すぎですね。いろいろ言われて開き直ったか(笑)??
補足
過去約50年間で約400文字しか追加されていなかったそうですから、今回の抜本的改正(大量追加)自体はいいことだと思います。
- buzz_buzz
- ベストアンサー率29% (190/650)
人名に使える漢字を決める協会?みたいなのがあるそうで、その選定基準から「使用にふさわしいかどうか」と言うのが 外されたそうなんです。 要するに、「人名にふさわしいかどうか」は協会が協会の基準で決めることではなく、それぞれの親が常識だと 思う範囲内で付けてくれればいいということなのだそうです。 ただ、痔とか淫とかいう単語を、「ふさわしいかどうかは・・・」と言ってしまうくらいなら、そもそもそんな協会なんか いらないのではないかと思いました。 全部の漢字を使用可能にしてしまい、「親に任せる」ってしてしまえばいいことになりますから。
補足
「人名に使える漢字を決める協会?」とは「法相の諮問機関である法制審議会の人名用漢字部会」のことですね。 (#6の方はご存じなかったようですが。)
- StarkerRegan
- ベストアンサー率40% (18/45)
選定作業では、文化庁が00年、385の書籍・雑誌に出てくる漢字の出現頻度を調べたデータをもとに、「過半数の読者が年1回以上目にした」とみられる字など578字を選んだ、とのことです。波紋はおきそうですね
補足
朝日新聞は普段見ないのですが、他の新聞に比べ詳しく記されていますね。URLありがとうございます。
- miyu--n_n-
- ベストアンサー率32% (114/351)
「漢字を選ぶのは親だ」というようなことをTVでみました。 人名漢字に入ったからといって、嫌なら使わなければいいってことかなと思いました。
補足
「選ばれた」理由が今回の質問の意図だったのですが #2、#6の方の示していただいたURLを読んで 「2000年の出現頻度調査に基づき上位のもの」で「人名にふさわしいか否かは一切考慮しなかった」ことだと理解しました。
補足
法務省のURLを示して頂いて感謝します。 現時点でもトップページの「topics」「法務省からのお知らせ」双方ともこのページへのリンクはなく、左のメニューの「パブリックコメント」から辿れるとは、私のような素人には分かりませんでした。