どちらも、同じスライス撮影なのですけど、厳密に言えばMRIというCT撮影なのです。ただ、CTが放射線断層撮影として広まったため、放射線を使わない側をMRIとしたのです。
MRIは核磁気共鳴画像法(磁気共鳴装置を用いた断層撮影、 magnetic resonance imaging)です。一般に少しずつ場所を変えて、複数枚の断層撮影(スライスされた画像の連続体で結果が出る)をするのが特徴です。この方法では、同じ組織内で変異のある場所に対する反応がよく分かる傾向があります。ただ、撮影できる部位の範囲が狭く、さらに骨など骨格と血管(出血)は、診断撮影が困難という欠点があります。そのため、確定診断や術前検査、明らかにけがなどで、その場所がおかしいという場合、さらに頭部打撲などの場合(頭はサイズが小さいため、全体を撮影できる)には、MRIを使うことがありますが、全身の診断には普通は使われません。
撮影時間は長めで数十分以上1時間~1時間半程度となります。
尚、MRI撮影中の金属の持ち込みは全面禁止となっており、撮影室内にコンピュータ機器(携帯電話を含む)やベルト、クリップの一つでも持ち込むと、強い磁力により引き込まれる恐れがあり、けがや事故、故障の原因となります。MRI撮影は妊婦など胎児への放射線被曝影響が伴う人には、良い断層撮影手段ですが、逆にペースメーカーなどを利用している人には不向きですが、被爆がないため検査が容易にできるのも特徴になります。
CTは、Computed Tomographyの略で、コンピュータ断層撮影と呼ばれます。主に
レントゲンの撮影技術の応用を用いたもので周囲から放射線によって輪切りなどで透過撮影を行います。元々はMRIと違い、容易には複数枚の撮影ができない機材でした。(その昔はCT撮影には少し時間が掛かりました)
現在は、マルチスライス(多数列同時撮影)が可能なCT装置が生まれたことで、1度の撮影時間も極めて短く、磁気共鳴では得られない画像診断をすることができます。現在は3D立体撮影も可能なCT機材が存在し、全身の断層診断(全身CT撮影)も可能です。
撮影時間は、胸部レントゲンが5秒か10秒吸って吐いてですけど、CTも1分掛からないぐらいで撮影が終了することが多いです。
尚、MRIが苦手とする骨や血管(出血)に関する診断に対しては効果的に作用します。これは、重金属などを除く、物質を透過する力があるためで骨の中の診断や血管の中の診断などにおいて、強い効果を発揮するのです。また、全身の画像撮影が可能なため、全体の健診や病巣が不明な場合の、広い検査ではCTが使われます。
ちなみに、検査機材の利用点数は施設で導入している機材によって異なります。
CTであれば、64列以上の撮影装置で950点
16列以上64列未満が900点。
4~16列が780点。
それ以下は、600点です。
ただし、脳槽に対するCT検査は2300点となります。(造影検査は脳槽を除いて+500点)
MRIは、3テスラ以上が、1600点
1.5~3未満が1330点。
それ以下が920点です。
造影は+250点だったかな?
他にもいくつか条件があるので、点数は検査内容と施設基準によって異なることがありますけど。(診療報酬制度は異常なほど複雑なので)
診療報酬の1点は10円となります。診療保険制度(国民健康保険、協会けんぽ保険、組合健康保険)対象検査の場合は、福祉保健や生活保護、特定疾患、児童擁護施設などの例外を除き、その3割負担です。
こんなところでしょうか?