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「九成宮醴泉銘」の学び方
60歳で書道をはじめて二年、有段者の仲間入りをして現在は古典の臨書に取り組んでいます。 手始めに「九成宮醴泉銘」の法帖を手本に、楷書の基本習得を目指しているのですが 九成宮独特の特徴をつかむのがなかなか難しくて悪戦苦闘しています。 何か、九成宮の筆使いに近づけるポイントみたいなものがひとつでもあれば、教えて頂きたく 思います。
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こんにちは。 昨日は、時間が遅かったので、動画の紹介のみで失礼しました。私が「九成宮醴泉銘」をやった時に参考にした、二玄社の「書道技法講座《1》楷書 欧陽詢」という書物があり、その中で、書家の今井凌雪氏が解説を書いているので、一部要約して御紹介します。 全体感 九成宮の文字は一般にややたて長で、そびえ立った感じ。十分鍛えられた手足はのびのびとのばされ、胴はよく引きしまっている。一点一画、筆使いの細部にわたって分析することは大切だが、全体の感じをしっかりつかんでおくことも忘れてはならない。 起筆 外見は簡単に見えるが、たて画などは、深々と逆方向からなでるようにして突き上げ、また、もと来た道を帰るという、二重の筆の運び方使い方をしている。「口」字の第一画の起筆のような場合、一旦軽くたて方向に筆を下してから右へ打ちこみ、それを下へ引くという念の入った用筆をしている。横画の起筆においても、小さいながらうんと鉾先をくじいて鋭さと筆の弾力をつけている。 横画 全体にシンプルな感じであるが、短いものを除くと、みんな強靭な弾力を秘めた張り(たわみ、そり、湾曲)を持っている。しかし、湾曲度は少なく、直線に近い。形状は円弧を描いており、どこかで急に曲がるということはない。また、その力や重さの配置は、頭部がやや軽く、後半収筆に近づくほど重い。太さも右へ進むほど心持ち太い。 たて画 直線に近いが、その字の態勢が中心部で引きしまった感じ。背勢になるような方向へほんの少し湾曲している。重要なたて画は頭部が大きく力づよく、上へ突き出した感じで、脚部は自然におさめてあまり太くない。 左はらい ゆるみなく力づよい。たて画や横画同様、円弧に沿ったそり方。 右はらい 三過折の法を正しく守っているが、直線的で、あまり抑揚をあらわさない。はね出しの部分は比較的短く、鋭く、しかも十分な重みがある。 はね たて画の終わり、あるいは、風がまえの右下にあるようなはねは、短く力がこもっていて鋭い。はね出しの中側の角度をいつも直角に保っている。 このあとに、「右上がりの態勢と字座」という詳しい解説が続きますが、要約が難しいので省略します。私が持っているこの書物の版は古いものですが、現在は改訂版がDVD付きで出ているようです。本編は、中国の書家、余雪曼が一字ごとに書法の解説をしているので、法帖のみで難しいようなら、助けになると思います。私は、法帖ではなく、こちらをもっぱら使っていました。 http://www.amazon.co.jp/%E6%A5%B7%E6%9B%B8-%E4%B9%9D%E6%88%90%E5%AE%AE%E9%86%B4%E6%B3%89%E9%8A%98-%E6%AC%A7%E9%99%BD%E8%A9%A2-%E6%9B%B8%E9%81%93%E6%8A%80%E6%B3%95%E8%AC%9B%E5%BA%A7-%E9%9B%AA%E6%9B%BC/dp/4544151015/ref=sr_1_3?s=books&ie=UTF8&qid=1415412081&sr=1-3&keywords=%E6%9B%B8%E9%81%93%E6%8A%80%E6%B3%95%E8%AC%9B%E5%BA%A7+%E4%BA%8C%E7%8E%84%E7%A4%BE%E3%80%80%EF%BC%91 以上、御参考になれば幸いです。
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- Tastenkasten
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No.2で御紹介した、今井凌雪氏の解説のような運筆をしている動画がありましたので、御紹介します。 https://www.youtube.com/watch?v=GeaAkxGPrcw https://www.youtube.com/watch?v=qky7slne8fE 起筆で、このように逆方向になで上げてから戻るという運筆をしない人も多いようです。中国の書家にも、さらっと書いている人がいるようです。下の動画は、中国の方ですが、運筆が少し違います。 https://www.youtube.com/watch?v=exxHmNvpOag https://www.youtube.com/watch?v=sf2m9lb7rO8 ほかにもたくさん参考動画がありますので、下のページからご覧になってください。 https://www.youtube.com/results?search_query=%E4%B9%9D%E6%88%90%E5%AE%AE%E9%86%B4%E6%B3%89%E9%8A%98&page=1
- Tastenkasten
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こんばんは。 昔、「九成宮醴泉銘」の臨書をしていたことがあります。全くの自己流でした。今はインターネットでいろいろ調べることができて便利になりました。下の動画が参考になるでしょうか。 https://www.youtube.com/watch?v=KNyuTr9F7ks https://www.youtube.com/watch?v=MqfknZ0aHOc https://www.youtube.com/watch?v=5zeDthO1uDg 御参考になれば幸いです。
お礼
早速の返答、ありがとうございます。 「九成宮醴泉銘」の筆使いを言葉で説明するとかなり難解となり 初心者にとっては理解に苦しむことになりそうです。 ただし、今回は動画を数種類紹介して頂いたので何度も繰り返し 観ながら、少しづつ咀嚼してゆく以外に近道はなさそうですね。