>カトリック教会が避妊を禁止する理由
カソリック教徒ではないので間違っているかもしれませんが、明確な教義はないと思います。
避妊や中絶を禁止する文言を言い始めたのは近年になってからでしょう。
先ずは前提となるカソリックの教義について述べると、
カソリックにおける人間は、他の生物に対し特別な存在とされています。
1、人は他の動物と同じように土からつくられはしたが、そのかたちは神に似せてつくられた存在である(『創世記』1・26、2・7、2・19)
2、「神は……命の息を吹き入れ」た(1)(『創世記』2・7)としている唯一の存在だからである。
3、人間は神の似姿として存在している唯一の生物であり、地球上のものはすべて神が人に与えたもので、統治するものである。
何と傲慢な教えでしょう!?
また、「カトリックの教説では、神聖な存在の人間の生命をコントロールすることが許されているのは創造主である神のみであり、神が定めた法則に反してはならない。」という教説を1995年にローマ教会が出しています。
現行のカトリックの教説は、人間は受精した瞬間から人間である、つまり受精卵も人間であるという考えを示しています。
しかも生まれていない人間は罪のない人間である。
中絶を行なうことは殺人であり、十戒の中の一つ、人間を「殺してはならない」という教えを犯すことになるとされます。
次に荻野博士に関して、
19世紀末から20世紀前半の医学界では婦人の性周期に関する研究が進みました。
ドイツの学者であるシュレーダーが1917年(大正6)に発表した『排卵は月経開始後の14日から16日の間におこる』『28日型の月経周期説』いうのが定説になります。
驚くべきことは、この説が現在の日本でも未だにまかり通っていて、正常な女性の月経周期は28日間であると思い込んでいる女性が数多くいます。
最新の調査から28日間の月経周期の女性は、ごく少数派であることが判っています。
荻野博士は実際の診療の中で、これに当てはまらない例が数多くあり、日本ではこの例外が半数以上にのぼったので独自の調査を行ったのです。
奥さんにも月経のカレンダーにつけるようにお願いし、膨大なデータを集めたそうです。
そして、3年の歳月をかけ『排卵時期は、次の月経の12日から16日前の5日間』というシュレーダーらの学説をひっくり返す画期的な法則を発見しました。
余談ですが、自らの学説を証明するために、実験して二男が生まれたそうです。
1924年(大正13)6月、白本婦人科学会雑誌に「排卵の時期、周期的な変化について」の論文を発表したました。
しかし、日本の学界は「新潟くんだりの開業医が何を言うか」という冷淡なもので、全く無視されました。
しかし、これにめげず荻野博士は1929(昭和4)年8月に自費でドイツに渡航し、論文をドイツ語に翻訳して医療の先進国であるドイツで発表すれば、日本はもちろん世界の婦人を救うことができると活動をしたそうです。
やっと3ヶ月後、フンボルト大学のシュテッケル教授が読んでくれて、ドイツの医学雑誌にのせてくれることを約束、昭和5年2月、ドイツ婦人科中央雑誌に掲載されました。
最初の反響はあまりありませんでしたが、意外なところから広がって行ったのです。
月経周期のオギノ学説が、避妊法に流用され、オーストリアのクナウスが賛同して『オギノ・クナウス式』の避妊法として、カトリック信者の間で流行していったそうです。
日本では避妊方法の一つの手段として「オギノ式」という名称がまかり通っていますが、実際には、荻野博士の目的は不妊治療であり、一度も自身の理論を避妊法として展開したことはありません。
正確には「クナウス式避妊方法」と呼ぶべきです。
1932年、避妊、堕胎を厳しく禁じていた4億人のカトリック信者の総本山・バチカンの教皇ピオ11世は大論争の末、オギノ式避妊法を容認しました。
そして、1968年、時のローマ法王パウロ六世が、ピルやコンドームの避妊法を認めるかどうかで、これを退けてオギノ式避妊法を公認して、荻野の学説が世界公認となったのです。
採用された理由として、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世は、『家庭一愛といのちのきずな』の中で次のように述べています。
「多くの夫婦の経験やもろもろの人間科学によって提供された資料に照らして、避妊と周期のリズムを利用することの『人間学的・倫理的相違』を神学的にとらえ、その考察を深めなければなりません自然な方法だからです。
お礼
回答ありがとうございます。 また、しばらく、放置してしまったことをお詫びします。 詳細に、丁寧に、ありがとうございました。