実は技術に興味がない?
40代課長 大型輸送機器関連設計職です。9年目。
前職は自動車関連です。
直接の仕事ではないのですが、職場の会議室で勉強会のようななりゆきで大型の船舶エンジンの話をすることになり、そこで部下(6名、32歳10年目~24歳中途採用2年目)との会話があったのですが、その中の最年長君との会話がざっと以下の通りです
私:「大型舶用機関の敵はトルクリッチであり、レーシングカーみたいに『全開で飛ばしてやきついた』なんてことはまずゼロ、そもそも内燃機関にとって、例えばマニュアル車で4速くらいでアクセルを踏み込んで延々きっつい坂道を上るのは、実はブンブンに回すよりも悪いんだよ。だからそれを避けるためにも、船はドック入りした時には必ず船底やプロペラクリーニングをし、場合によっては港で水中清掃なんかもするんだ。」
彼:「はあ、私オートマしか乗らないので」
私:「ならわかりにくいかもね。エンジンを高回転で回しているときは、実は作動油圧も潤滑油圧も上昇していて、実はエンジンはそんなに壊れないんだ。低回転でトルクが高い時は内部で潤滑が減ってパーツがメタルコンタクトを起こしやすい。一度メタルコンタクトを起こした内燃機関はその箇所から加速度的に焼き付いてしまうから、実はそっちの方が絶対に避けないといけない状況なんだ」
彼:「はあ」
私:「試しに○○○○kW, 毎分○○○回転の舶用内燃機関がどれくらいのトルクを発揮しているか、ぱっと計算してみなよ。」
彼:「はい。」
私:「いくらぐらいになった?」
彼:「○○kN-mです(実はかなり大きな値です)」
私:「・・・(え?何の感想もないのか?)その値を見て、どう思う?」
彼:「別に・・・計算しただけです」
(会議室の一同を見回す・沈黙数秒)
私:「自分の自動車なんかと比べてスゴい値だ、とは思わない?」
彼:「自動車のこと、知らないので」
私:「舶用機関のトルク計算って、以前にやったこと、あるの?」
彼:「ありません」
うーん、仮にも大型輸送機器関連設計部門なのですが、私よりも現職で経験の長い10年目の男性社員がこの反応。
工学部機械工学科卒なのに実は機械になんか全然興味がないのか?なんて思ってしまいました。
今の日本の製造業って、実情はこんなもの、なのでしょうか?
似た経験(機械や工学系に関係なく)のある方、おられますか?
*単に私自身が人望がないだけかもしれません。ちなみに会社、結構傾いております。