昔ね、「殴られ屋」っていうのをやっている人が新宿でいたんですよ。ボクシングのグローブをつけて1分間、客は好きなだけ彼を殴れるっていうんです。蹴りとかはナシね。当たり前だけどボコボコ殴られたら彼も身が持たないから、彼はかわすわけです。元ボクサーで、マスコミで取り上げられたこともありました。
私は何度か彼が商売をしているところを見たことがあります。コマ劇前でやっていました。酔っぱらって調子に乗った大学生くらいの若者が結構本気で殴りにかかってるのですが、一発もかすらなかったですね・笑。
プロボクシングの試合は何度も見に行ったことがありますが、8回戦レベルでリング間際で見ると充分怖いですよ。「俺、これ喰らったら死ぬな」って思います。元々、素人は3分間戦うことはもちろん、「1分間サンドバッグ叩いてろ」ってのも無理です。30秒くらいで腕が疲れてパンチが打てなくなります。あんなの4ラウンドも8ラウンドも、あるいはそれ以上やるなんてバケモノですよ・笑。
若かりし頃、キックボクシングを習いにいったことがありました。時々デモンストレーションで先生のパンチやキックをミットで受けることがありました。もちろん素人相手のデモですから、先生も軽い力で叩く程度にすぎません。でもですね、プロレベルのパンチやキックってすごい重いんです。重い攻撃は何が違うのかというと、精神力がそがれます。先生のキックを2発受けると「ごめんなさい」って謝りたくなりますよ・笑。
ただ街中のケンカってのは技術ではなくて度胸でやるものなので、格闘技をやっていても気が小さいからケンカはできませんという人だっていますよ。キックボクシングを習ってたとき、すごく才能のある高校生の男の子がヤンキーに絡まれて謝って逃げてきたことがあって、みんなから「格闘技習ってるんだからノシてやればよかったのに」とからかわれていましたが、本人は「僕怖いからそんなのできません」といってました。試合のリングには上がるのにね。