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相当因果関係説について。

こんばんは。 某大学の法学部です。刑法のテストでややこしい問題が出たのでといて欲しいです。 因果関係には折衷説と客観説があるが、それらの相当性の判断に 問題がある。それらの証明を大阪南港事件を踏まえて説明しない。 という問題です。自分でやっていても分からなかったのでお願いします。

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  • kgei
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回答No.1

 まずは相当因果関係説について。  相当因果関係説とは、刑法上の因果関係について、「社会生活上の経験に照らして、通常その行為からその結果が発生することが相当だとみられる関係」が必要と考える説です。  折衷説は、行為当時一般人に認識・予見可能であった事情及び行為者が特に認識・予見していた事情を基礎として判断する立場です。  客観説は、行為当時に客観的に存在したすべての事情及び行為後に生じた事情で一般人に認識・予見可能であったものを基礎として判断する立場です。  これを前提に大阪南港事件を検討してみます。  大阪南港事件では、起訴された第1暴行行為と、行為者不明の第2暴行行為があります。  行為者不明の第2暴行行為は、一般人にとって認識・予見は不可能ですから、行為者不明の第2暴行行為は「なかった」として扱われます。  そうすると「相当性」は認められるでしょうか?  「死亡」という結果を抽象的に考えると、第1暴行行為によって「死亡」という結果が生ずるのは社会通念上相当と考えられるので、因果関係は認められることになります。  しかし、もともと相当因果関係説は、突飛な因果的経過を辿った場合に、因果関係を否定する理論です。大阪南港事件では突飛な因果的経過を辿った以上、因果関係を否定するのが相当因果関係説の本来の姿ではないでしょうか。相当性を判断する事情として一般人にとって認識・予見不可能を排除した結果、実際の因果的経過の相当性の判断が歪められているという批判が可能だと思います。  因果関係を認めた場合は、判例の結論と同じになるので、結論の妥当性は問題がないようです。しかし、第2暴行行為が「殺害行為」であったらどうでしょうか。この場合も「殺害行為」は一般人にとって認識・予見は不可能ですから、「殺害行為」はなかったとして扱われます。そうすると、第1暴行行為と死亡の結果の因果関係が肯定されます。  また、「死亡」という結果を日時場所を伴った具体的な「死亡」と考えるとどうでしょうか。そうすると、第2暴行行為によって死期が早まっていた場合、因果関係が否定されることになります。  以上のように相当因果関係説では、行為後に特殊な介在事情があった場合、相当性の判断に問題が生じます。  私も十分理解したと言い切る自信はないので、みなさんの御指摘等を期待します。