>神経まで犯された虫歯は治療前に神経を抜いてしまうそうですが、
>またこのような虫歯は蝕まれていう部分を削っても回復しないのでしょうか。
それ自体が治療です。就学前の子供で、外傷であり、神経が外部に露出しない状態の場合は稀に回復する事がありますが、それ以降ではまず回復することはありません。なので感染する前に抜髄する事が適切な処置といえます。
しかも外傷ではなく虫歯であれば、虫歯自体が感染症ですから早急に抜髄する必要があります。
一時3mixとかで「神経取らないでいい」という事が言われましたが、これも回復するのではなく感染を予防するだけです。しかし薬効がなくなれば感染の危険はあるので、全く意味を成しません。
>神経を抜かれた歯は弱くなってしまうのではないでしょうか。
確かにある程度は脆くなります。しかし一時期いわれた「抜けてしまう」は全くのデタラメです。
もろくなるのは乾燥するためです。それは歯肉から上の部分に起こる現象。だから最終的には被せてしまうわけです。
歯への栄養は内側からは俗に神経と呼ばれている歯髄によってもたらされます。歯髄は神経を血管とから成り立っています。抜髄してしまうと欠陥もなくなり、水分や栄養が届かなくなります。
歯の内側を形作っている「象牙質」はちょうど珊瑚のような構造です。抜髄によって栄養が来なくなると中の有機質部分は死滅しますが外壁は残ります。しかし乾燥してくるので脆くなるわけです。その度合いは年齢や生活週間でも差が出てきます。
一方歯の外側は歯と顎骨の隙間にある歯根膜という組織の血管で賄われます。歯の神経を抜いてもここは関係ないので歯の外側は活き続けます。
歯が異物と認識されて抜けるのは、この歯根膜が死んだ場合に限られます。それはやはり感染によっておきます。
つまり神経の有無に関係なく、歯根膜への感染で歯は排除されるのです。なので「神経を抜くと歯が抜ける」は全くのデタラメです。歯髄炎と歯根膜炎は別の病名なので、抜髄する歯髄炎では歯は抜けないという事なんです。
お礼
そういうものなのですね。ご教示感謝いたします。