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統失的アンビバレンス?(『ノルウェイの森』)

 こんにちは。単純型統合失調らしき51歳男性です。  文学にも近い質問なんですが、いささか専門的なのかもしれないので、こちらで質問させていただきます。  今、『ノルウェイの森』(村上春樹、講談社、1987)の文芸評論を書いている途中なんですが、最初の方の話で、  そう考えると僕はたまらなく哀しい。何故なら直子は僕のことを愛してさえいなかったからだ。 (第一章 p.19)  とありますが、ごく素直に考えると「直子はまだキズキを愛していたからだ」ということかとも思うのですが、キズキは社会や直子を捨てて自殺して、大きな裏切りを行ったわけでもありますよね。  あなたが一年間私のそばにいてくれたことについては、私は私なりに感謝しています。そのことだけは信じてください。あなたが私を傷つけたわけではありません。私を傷つけたのは私自身です。私はそう思っています。 (第三章 p.81)  愛したキズキに「裏切られて」傷つけられ、ここでアンビバレントな感情になっているとも読んだのですが、キズキじゃなくて「私を傷つけたのは私自身」と言っているところが、ジレンマとか葛藤だと読んだのですが、どう思われますか?  確かオイゲン・ブロイラーのSchizophreniaの基礎症状で、「両価性、アンビバレンス」はあったかと思いました。それが病気の原因なのか結果なのかはわかりませんが、たいへんなストレスと心のダメージになるような気がするのですが。  このあたり、別の読みですとか可能だと思われますか?  恋人を残して自殺するというのは大きな裏切りだと思うのですが、そういうことに関してもいかが思われますか?  

みんなの回答

  • atti1228
  • ベストアンサー率15% (111/711)
回答No.4

ちょー、雑談。千葉もかなり寒くなってきました。そちらは、もっと寒いでしょうね。 人間って寂しがりでしょ。こんな寒くなってくるとさ、人間は、温もりが恋しくなってどうしようもなく相手を見つけようとするね。 恋とか愛って基本は、相手の寂しさをわかってあげることだよね。うつの人ってこころがとっても優しい人ですから、そういう人に会うと落ちますよね。ところで犬儒さんは、精神障害同士のお付き合いって出来ないと思いますか?あの落ちてしまったこころでは、まず、恋など出来ないと思いますが這い上がってきた人になら、十分恋愛は、可能であり、嫌なくらい自分のこころと向き合ってきたんだからそこらののほほんとしているひとたちよりはまだましな恋だってできるとおもうんだ。自分がこんだけ寂しい思いしたんだから、相手にただ、優しさをそそげは、いいだけだよね。俺たちは、そんだけ傷ついてきたんだ。

  • 967
  • ベストアンサー率40% (45/111)
回答No.3

統合失調症とは、「生ける現実との接触が断たれること」と言われていますね。 私は村上春樹の作品はノルウェイの森しか読んだことがなく(しかも読んだのが20年以上前)、その上、統合失調症的アンビバレンスというのも良く分からないので、そんな私がkenjuさんのご質問に答えるのもおこがましいとは思いますが、レスが少ないのをいいことに感想(私見)を述べさせていただきます。 私は、このお話の肝は、「生き生きしたもの」を浮き彫りにする点にあると思います。もちろん緑が「生き生きしたもの」の象徴であり担っていると思います。 ワタナベは「生ける現実」との間に距離がありました。キズキの自殺でそうなったのか、その前からだったのかは分かりません。どちらにしても、直子との付き合いを通じていっそう、統合失調症の持つ「生ける現実との乖離」を味わいますし、他にもワタナベの周囲に自殺者が出ます。 このような「死」や「生との乖離」が描かれるのは、対照的な、緑のもつ「生きる」ということを描く為。「生」を浮き彫りにするためだと思います。 ラストシーンの雨の描写も、緑色の植物を育てる雨が「生」のイメージをひきたてていると思います。 ワタナベはこれから緑と付き合っていくことで、健康的な「生ける現実」の世界に入っていくのだと思います。 レイコさんとの行為は、ワタナベの旅立ち(ぼんやりしていた過去に別れを告げ、緑の生きる世界に入っていく)の為の儀式的なものだったのかもしれません(子宮に接することで再び生まれ出るイメージ、そして新しい人生へと踏み出す)。

kenju1128
質問者

お礼

 ありがとうございました。  ぼちぼち締め切りますが、なにかありましたらよろしくお願いします。

kenju1128
質問者

補足

 ご回答ありがとうございました。犬儒です。  そういう読み方も無論出来ますよね。短くまとめるなら、的確な読みかとも思います。  アンビバレンスというのは同じ対象に同時に愛と憎しみを感じて葛藤するような事ですね。  直子は「キズキを愛している/キズキに取り残された」というどこにももっていきようのない感情を感じているわけです。で二十歳の誕生日に、「やっぱり駄目だった」というの再確認して東京を引き上げる。  これ、「統合失調症の病識」とも言えるかもしれませんが、心理的な心の傷はもっと深いですね。  やはりワタナベは「代り」なんでしょうね。  そんな直子をワタナベとレイコさんは引き揚げようとするんだけど、引き上げられない。いつの間にかワタナベとレイコさんはチームを組んでいるわけですが、直子は死者の元へと旅立ってしまう。  うーん、レイコさんと寝たのは何か「満たされぬ遣り切れぬ思い」のためだったような。実のところ、ワタナベは行きずりの女性以外友達と寝てなかったんですね。  ええと、質問でミスタイプしましたが、僕は単純型統合失調症と診断されているのですが、直子も訂正しがたい妄想とか無いですが、それっぽくもある。  一般には単純型統合失調症は、言動がおぼつかないとか、なにか奇妙だとか、そんな感じですね。  今、直子の心理に主に着目して、「村上春樹著『ノルウェイの森』論~統合失調症の恋人」というのを書いていまして、執筆途中で仮公開していたら、ヤフー検索「ノルウェイの森論」で1位、「ノルウェイの森 統合失調症」で4位くらいになっていますが、最大の注目点はキズキ~直子~ワタナベの三角関係ですね。  直子~ワタナベ~緑の三角関係はないんです。直子と緑は全く接点がありません。回答者様も書いておられましたが、象徴が二つあるような感じですか。  まあ、直子の感じているアンビバレンスは精神病を誘発させるくらい重かったとは感じます。  一卵性双生児の統合失調症発病の一致率が50%以下ですから、環境因とか心理因とか、無論大きいわけです。  直子がどうして精神病になったんだろう、どうしたら回復できたんだろう、とか、回答者様、どう思われますか?  ある意味心の傷は精神病よりさらに重いくらいだと思いますね。

  • atti1228
  • ベストアンサー率15% (111/711)
回答No.2

 自殺は自分をあまりにバカにした行動だよ。自分を自分で否定する。それこそが精神障害でしょ。犬儒さんは、頭いいんだけど、自分のことバカにしたことありますか?私は、バカにしまくりました。結局、バカな人間だって知りました。(頭がバカではなく、人間としてなんでこんなバカなことしか考えないんだってことです。)  実際、私は「ノルウェイの森」は、読んだことはありません。人間ってのは、欲望があるでしょ。でも、その欲望って時に人を傷つけてしまう。わかります?それに気づいてしまうと精神障害一直線です。  自分はなんて愚かなんだって。   今は、もうあきらめましたけどね。欲望のない人間なんていないし、傷つくなら勝手に傷つけって思っています。    最後の質問について。  妻が自殺するとしよう。もしかしたら、私も自殺するかもね。私は、寂しさには、勝てない弱い人間だから。でも、次の日、他の女を探してるかもしれない。私は、汚い人間だから。   人間なんてそんなもんです。 犬儒さんの質問面白い。こういうの大好き。

kenju1128
質問者

お礼

 ありがとうございました。  ぼちぼち締め切りますが、なにかありましたらよろしくお願いします。

kenju1128
質問者

補足

 回答ありがとうございます。  神戸の高校で主人公ワタナベの親友でキズキっていたんですが、彼は直子という幼馴染の恋人がいて、よく3人であちこち行ってたんですよ。  それで、キズキは高3の時不可解な自殺を遂げる。  大学に進んで、ワタナベと直子は再開するんですが、何か漠然と早足で「散歩」するというような不可解な「デート」を何カ月も続ける。直子の二十歳の誕生日に二人は肉体関係を持つも、彼女は精神のバランスを崩して京都郊外の療養所に行くというような筋です。 >でも、次の日、他の女を探してるかもしれない。  まあ、これが直子のやった行動になりますか。ワタナベをキズキの代りにしちゃうという。  自分が自殺して恋人を傷つけてしまうって、ほんと馬鹿らしいですけど、物語の設定の都合と言えばそうなのかもしれませんけど、『ノルウェイの森』に関してはいろんな人がいろんなことを述べていますね。  僕はごく素直に読んでいるつもりなのですが、異論もある人いるのかもしれません。  何か病気で自殺直前になると、「自分が死んでも悲しむ人はいない」とか思っちゃうんでしょうかねえ。残念ですよね。  「アンビバレンス」に着目して論じた人はどれくらいいたかな、気が付かなかった方おられたら、この解釈を皆さんに提示したいです。

  • yasuto07
  • ベストアンサー率12% (1344/10625)
回答No.1

春樹の本を何冊読みましたか?、以下に言葉が多く、いかに、天才か知りませんが、、、、。 あれだけ書いて、読者を煙に巻いて、終わり、いつもそうです。 意味ないんじゃない、、、。意味がない事を、伝えるのが彼の人生では。 私は、4-5札読んだ、最初はハードボイルドワンダーランド、、、その中の、門番が間違いなく、私ではあるけど。 カフカ少年の話もありましたよね、海辺のカフカ、、、、。何だ、あれは、、、、。 他にも、緑、赤の本、、、、。途中で書くのが嫌になり、終わったのかな、なんて思うこともしばしばあります。 まともに、考える、頭があれば、彼が詐欺師、、、風呂敷を広げて、、、虎さんのように、叩き売りして、たたんで終わり、、。 また次の本を書く、、、、。騙されないことが寛容かと思います。笑。

kenju1128
質問者

お礼

 ありがとうございました。  ぼちぼち締め切りますが、なにかありましたらよろしくお願いします。

kenju1128
質問者

補足

 早速のご回答ありがとうございます。  ほとんどの中長編がファンタジーですよね。  例外は『ノルウェイの森』とか、ほんと少ないです。  25年くらいのインタビューでの春樹さんのコメントですが、これはワタナベと直子と緑の三角関係の物語ではない。ワタナベとキズキと直子の三角関係、あるいはワタナベと直子とレイコさんの三角関係はある、というような事を言っていた記憶があります。  このあたり、リアリズムに対応するある程度普通の心理で読みとれて、図式に出来ないかとは思うのですが。  直子がキズキの代りにワタナベと付き合ったということですね。  他の見解では、直子は誰も愛せない女性だったんだ、というようなこともうちの同人誌の同人でも解釈があります。  直子はキズキを愛すると同時に傷つけられて、アンビバレントな感情を抱き、ただ決してキズキを憎めない、自分を責めてかダウンして行く、ワタナベをキズキの代わりにして付き合う、というような僕の方の解釈です  この辺、回答者様の見解はどうでしょう?  

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