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アマー・G・ボーズ博士
先日亡くなったボーズ博士って、オーディオマニアの間ではどう言う評価なんでしょうか? ボーズの音って好みがハッキリ分かれ、マニアほどボーズの音には否定的になる印象があります。 ぜひオーディオマニアの皆様から、ボーズ博士についてどう思ってるかお聞きしたいです。
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- chandos
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ボーズ博士は、学生時代に購入したスピーカーが高いカタログスペックにもかかわらず期待外れの音だったことから独自に音響理論の研究を始めたらしいですね。これが1964年のBOSE社創業につながることになります。 もっとも、既成製品に満足できずに自分で機器の開発に乗り出したエンジニアなんてのは、古今東西けっこう存在したと思います。ただ彼が大きな成功を収めたのは、その設計コンセプトの着眼点がマーケティング的に絶妙なポジションを占めたことではないでしょうか。 それはつまり、聴感上の特性を追い求めるピュア・オーディオ的な原音再生路線とは一線を画し、さりとてミニコンポやラジカセみたいな「安かろう悪かろう」といった低価格なゼネラルオーディオとも違う、とにかく多くの人が聴いて気持ちがよくて、なおかつ確固とした「理論」に裏打ちされているように見えるスタイルを取ったことだと思います。 もちろん、人徳のおかげか周りのスタッフにも恵まれたようです。特に営業面では大して高価格な製品を出していないにもかかわらず、良好なブランドイメージを獲得できたことは大きいと思います。 BOSEの製品はピュア・オーディオ的な見地からすると音の着色が濃くてハイファイ的に追い込めず、多くのオーディオファンからそっぽを向かれているようですが、原音再生路線とは違う(AV用を始めとする)分野で大きな支持を得ているのは、「これはこれでアリだ」と思わせます。 ボーズ博士はMITの教員でもありましたが、日本において有名大学でオーディオの技術者が教鞭を取るというのは聞いたことがありません。それだけあちらではエンジニアは社会的に一目を置かれているということでしょうか。 日本の大手オーディオメーカーでも優秀なエンジニアはいるとは思いますが、出来上がった製品は(一部を除いて)とても世界を相手に出来るようなシロモノではないですね。いくらエンジニアが有効な提案をしても、合議制で個性が薄められた上に、音楽も分からない文系の経営者が決裁のハンコを押すような体制では、面白いものはできないと思います。古くはACCUPHASE、近年ではSPECやSOULNOTE、KRIPTON、Nmodeといった大手からスピンアウトしたブランドの方が興味深い製品をリリースしているのも、むべなるかなと思います。
- nokata
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g3wrse 様おじゃまします。 ボーズの拡声装置は大変重宝して使っていました。 適当に唸ってくれる低音やパワーを入れても音割れしない 装置は簡易PAにはまさにうってつけの機材でした。 しかし簡易PAだけであって本格的なPAには全く用を足さない と感じました。 音が良く通るボーズ製品ですが、家庭用オーディオでは ほとんどその希望の音質には程遠い存在であると思います。 ボ-ズ氏の開発コンセプトは電気屋さんのそれであって 音楽をこよなく愛するオーディオマニアの好む音質では ないと思います。
- HAL2(@HALTWO)
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BOSE 愛好者の Audio Mania です・・・と言っても M901CSIV (Model 901 Classic Series IV)、AM5MkIII、AWMS-VIA (Acoustic Wave Music System -Virtual Imaging Array)、WMS (Wave Music System) しか所有した経験はありませんが(^_^;)。 >先日亡くなったボーズ博士って、オーディオマニアの間ではどう言う評価なんでしょうか? 別にどうってことのない、技術系の起業家という評価です。 私は米国に 11 年住みましたが、米国では学者が教授になるとは限らず、起業家が教授として大学に招かれることが多々あります。 日本では経済学や商学の教授と言えば学者ですが、彼等が起業したり株主になったところで儲けられると思いますか(^_^;)? 米国では真にこの考え方で教授が招かれており、経済学や商学の教授は大手企業の経営を好転させた実力派の元社長とか、国際関係学 Asia 圏日本域の教授は元在日米大使館大使だったりするわけです。 また、米国では大学院生の多くが社会人であり、専門職に就きながらその知識と経験を活かして修士号や博士号を習得するために大学院に入学します。 更に大学や大学院の研究室は企業と密接な関係を持っており、企業が何か新しいものを開発する際に、その研究員や研究機材を既に持っている大学や大学院に研究費を払って専門の研究室 (研究所) を設立したりもします。 Amar G Bose 氏は MIT (Massachusetts Institute of Technology) の電気工学科を卒業して PHLIPS 社に就職しながら再び MIT の大学院に通って電気工学の PhD (博士号) を取得していますが、この博士論文を作成中に BGM (Back Ground Music) として流すために購入した Stereo System の音に不満を抱き、PhD 取得後に仲間と音響製品会社を企業、現在に至る BOSE 社を発展させてきました。 つまり PhD Bose (Bose 博士) は音響工学の博士ではなく、電気工学博士が音響 Maker を設立したというわけです。 ・・・とは言え、新しい Speaker 理論を見つけ出すために MIT にも研究室を設立し、後の Model 901 Series に繋がる研究を行ったことも確かです。・・・起業した会社自体は起業登録さえすれば会社所在地など何処でも良いので会社所在地は MIT の研究室になっていました。 米国での企業は難しいことではなく、かく言う私も友人と書類申請から何から全て自前でしたことにより僅か $100 ほどで起業登録して会社を設立した経験があります。 PhD Bose の手腕は Audio 研究家と言うよりも起業家としての優秀性にあり、M901 Series で注目された 5inch (12cm) Full Range Unit 1 発の M100 Series を Hit させたり、PA (Public Address) 分野で確固とした存在を確立したことにあります。 実際 M901 の音は M901CSIV を愛用していた私自身 Speaker を M901CSIV に変えてから近所の人達に「お宅の娘さん、Violin が上手になりましたね」と言われて面食らったことが何度もあるほどです。 一緒に住んでいたのは娘ではなく、大学の後輩で、彼女の専攻は Violin ではなく、Cello だったのですが(^_^;)、近所の人達は私が愛聴していた五島みどりの Violin CD 再生音を彼女が弾いていたものと勘違いしていたのです。 不思議に思って未だに所有していた BOSTON ACOUSTIC 社製 Speaker からの再生音と BOSE M901CSIV からの再生音を比較試聴してみたのですが、Listening Room 内で聴く限りは両者に決定的な差があるとは思えなかったのに、庭に出て家の外に漏れ出す音を聴いてみたら Bose M901CSIV からの再生音は生演奏と聞き間違えるのも無理はないと思ったほど Real な Violin 音を響かせていたのには驚いたものです。 因みに日本での BOSE M901 は 1973 年発売の初代 Model で¥296,000、2004 年の M901 WestBorough 最終 Model で¥440,000 ですが、私が米国で愛用した 4 代目となる M901CSIV は定価 $1800、店頭価格 $1300 でした。・・・舶来品の国内価格なんてそんなものです(笑)。 でも、もっと驚いたのは M901CSIV の木製外板は継ぎ目に 25 cent 硬貨を差し込めるほど隙間が空いており、Assembled In Mexico の Equalizer は内部素子があちこちに傾いて素子同士が接触しているものもあったほどぞんざいな作りであったことから自分で素子の傾きを丁寧に直したほどです。・・・でも M901 の神髄は Automation 製造される一体成型の内部 Cabinet にあり、化粧板に過ぎない木製外板の継ぎ目に隙間があろうと、両面 Tape でぞんざいに貼り付けられた Salan Net であろうと、その音色に何の支障も来さないところにあるものなのです。・・・当時の米国工業労働者の質は車の Cigar Lighter Socket を押すと Wiper が動き出す(笑) なんて Episode が当たり前にあったぐらいに目を覆うほど低いものだったのですが、その労働者の質を見越した一体成型 Cabinet を設計した BOSE 社の Engineer は天才だと思いましたね(笑)。・・・JBL Paragon の Enclosure を一手に製作していた日系二世木工技術者 (父親は指物師だったそうです) の加藤親方みたいな人は当時の米国労働者事情では探してもいやしませんものね(^_^;)。 その後、私は AM5 MkIII、AWMS-VIA、MWS を所有したのですが、いずれも PhD Bose ではない、BOSE 社の Engineer 達が発明開発した技術に成る製品ですので、優秀なのは PhD Bose ではなく、BOSE 社の Engineer 達です。・・・特に AWMS-VIA は日本の BOSE 感性工学 Reseach 社が Original の BOSE AWMS とは異なる AWMS Back Load Horn と AWMS-VIA 以外には未だ製品化されていなかった VIA という理論を組み合わせて Produce したもので、その音の良さに腰を抜かした(笑) 私は愛用していた McIntosh C34V と BOSE AM5 MkIII を Listening Room から撤去して書斎の Sub System に回し、来客も通す Listening Room には BOSE AWMS-VIA を鎮座させてしまった上に BOSE Am5 MkIII を分解して AWMS-VIA もどきの自作 Speaker System にしてしまったほどです(^_^;)。 こうした優れた・・・と言うか個性的な Engineer 達が素晴らしい製品を開発する Maker としては BOSE 社以外にも PHILIPS 社や McIntosh 社 (旧米 McIntosh 社) などを挙げられるのですが (日本では十指を軽く超える素晴らしい Engineer 達を抱える Maker がありましたし、今でもあります) いずれも創業者の音楽的感性が優れていると言うよりも Engineer 達の中に素晴らしい Sense と技術を持つ人がいるという点に大きな特徴があります。 日本は鬼才天才 Engineer の名が外に知られることのない風土を持つ国ですし、そうした鬼才天才 Engineer を大学教授に招くなどという風土もありませんので、外に知られるようになる Engineer は極めて少ないのですが、日本にも鬼才天才 Audio Engineer が数多くいるであろうことは日本の Audio 製品が世界に冠たるものになっていることからも伺い知れるだろうと思います。 PhD Bose (Bose 博士) 個人に対する私の評価はは「耳が良い」とか「Audio の Sense がある」とかいうのではなく、大学の研究室から始まって欧米で圧倒的な Share を有する Audio Maker に育て上げた「技術畑の起業家として優れている人」という感じですね。 素敵な Audio LIfe を(^_^)/