まあ氏の個々の論評が正確かどうか(事実と反するかどうか)を、ここで答えるのは場違いという気もします。
ただ、一般的には専門家を名乗る割には事実誤認が多いという評判で、私もそう思う部分はあります。
(但し、私の判断とて1次資料とつき合せた判断ではないので具体的内容はさけます)
もっとも氏の著作だからといって、その内容を全て否定するのもどうかと思います。
例えば大阪の市営モンロー主義と言うのは(市がそのように言ったわけではないが)確かに存在しますし、複数の著者が単なる孫受け引用でないところで紹介しています。
戦前、どこの都市でも路面電車等を市営化しようとするなど、ある意味「市営交通モンロー主義」でした。
でも、大阪だけ特に言われるのは、「市営交通による利益を市民に還元する」目的で「市内交通は全て市営にすべき」という意見を持つだけではなく、交通関係の監督省庁に「市内で民間による路線の申請があれば却下する」ように依頼までしていたことが特徴的だったのです。
もちろん、省庁はその言い分に賛成はしませんでしたが、当時の市内交通の新設は路面電車(軌道)が主で、軌道の新設に関しては地元自治体の意見調整が必要でしたので、戦前は事実上モンロー主義に反する路線は作れませんでした。
戦後や地下鉄時代になれば、方針も緩和されていますし、大阪市の意向だけでは話を変えることもできないので、万博以降あたりの事例をモンロー主義だけで説明するのは無理があります。但し、担当部署はモンロー主義の影響がまったくないとまでは言い切れないかもしれません。
市営交通の整備はある程度の長期計画に基づいて行われますので、ある路線の妨害のため作る気のない路線を急遽作るなどはありえません。仰るように認可もおりにくいです。
千日前線は元々建設予定があったのが、近鉄・阪神の難波延長の話とかぶったために大きくもめたようです。
結局、万博に間に合わせて近鉄特急を難波に乗りれる方が利用者の利便性は高いと判断された物の、それ以外の需要は地下鉄で対応できると玉虫色に判断してもらって、両路線が建設された、私はそう考えています。
補足
ありがとうございます。お二人ともフィクションでは一致していますね。 しかしなぜでしょう。wikipediaではこの人の文は「出典」であり「ほぼ事実」になってしまっています。