この結果を予想出来ないのは…。
むしろ今回の参院選で民主党(その亜流泡沫政党)はどう手段を講じれば勝利出来たのか、むしろそれに興味があります。あるのなら、ですが。
今回の選挙結果を見ても分かる通り、民主党ならびに民主党から離脱して新党を結成した勢力は、ほぼ全滅でした。勝てると踏んで某維新に逃げ込んだ前職も全敗、泡沫政党のみどりの風は当然のように吹っ飛び、老いてなお選挙においては不気味だった小沢一郎率いる生活の党も当選者は出せず。そして大本の民主党は27議席失って当選17、大敗どころか「大惨敗」でしょうね。
とはいえ、そもそも09年総選挙での民主党大勝が「異常ずくめ」だったわけです。それまでの選挙といえば、
「マニフェストを押し出すと負ける。」
これが常識でした。事実過去の民主党党首(菅や前原、岡田など)が選挙指揮を取った国政選挙は、見事なまでに全敗。一方、選挙責任者として小沢一郎を出してくると勢力拡大。小沢一郎の選挙手法は「出来ない約束はしない=マニフェスト否定論者」でしたから、マニフェストを出して負ける民主党上層部にはじくちたる思いがあったでしょう。
ところが09年はあまりに与党側への逆風が大きすぎた。よって、出したマニフェストがどれほど醜悪なものでも(もちろん、子供手当てとか学費無償化とかこの類です)、とりあえずビールではないですが「とりあえず民主党」で票を集めてしまった。
案の定、元々政策通はいても「政権担当能力」はなかった民主党議員は出来もしない「政治主導」で見事なまでに政界も国民も大混乱に陥らせました。なぜ前回総選挙、今年の都議選、そして今回の参院選で自民党が危なげなく議席を稼げたのか。
自民党が大きなことをやったわけではありません。しいて言うなら原点回帰、日本が現在のように近隣の中進国どもに領土侵食や民族的敵意で挑発されるようなことはなかった時代の政治に戻そうとしているだけ。これで近隣国にとってもっとも「組し難い」政権が日本に生まれたことで、元々親中反日傾向の強いアメリカ民主党政権が余計な横槍を入れることがなければよいのですが。
とりあえず、今度の参院選での民主党大敗北は、むしろ規定路線。仮に民主党支持者がいるなら、むしろ問いたい。
「あなた方が送り出した元宰相2人(もちろん鳩菅)の無法ぶり・暴走ぶりをなぜ止めなかった?」
政権陥落の直接要因となったノダはあれほど、健気なまでに候補者応援の街宣活動を続けたのに、菅は党の公認を外れた候補を応援して公認候補と共倒れを誘い(さらに最悪なことに反原発テロリストのタレント候補を当選させる愚業まで)、鳩にいたっては選挙前からあれほど売国奴として堂々たる活動を見せれば、あれで選挙民がどうやって民主党に投票しようという気持ちになるのか。無理にも程がある、ということです。
戦後政治最大の謎とは、
「なぜあの民主党が政権を一時期でも担ってしまったのか?」
これです。なぜ自民党が復活し、民主党が近い将来の解党に向けて速度を上げているのか。自民党がかつて苦難の時期になった際は、政治的に相容れない関係でも「挙党体制」で選挙に勝つことだけを第一にして、結果勝ち残ってきた。かつて抗争紛いの対立関係であった田中角栄と福田赳夫でさえ笑顔で握手する演出をした。小泉旋風が起こった総選挙でも、元々大部分が反小泉であったはずが、選挙に勝てるアタマは小泉純一郎しかいないと理解し、徹底的に小泉礼賛のムードを作り上げて野党を粉砕した。自民党には、こういう「思想を超えた団結力」が良くも悪くもあったわけです。
でも民主党は口先だけ挙党体制、実際は見るも無残な個人主義の集まり。今度の選挙(の前の都議選から)は、イデオロギーがどれほど違っていても、とにかく議席を稼ぐしか民主党の生きる道はなかった。それをしなかった民主党は、最終的には現在の社民党と同じポジションになるのは間違いないでしょう。学者崩れとモナ野が2トップの時点で、勝てる目はそもそもなかったのですがね。