SAABはいいクルマだったっすね。内外装もスカンジナビアのアレンジでとっても新鮮なイメージっすよ。使ってる革もイイ感じだしね。
SAABはもともとジェット機メーカーで、その自動車部門が独立したのは有名な話でメーターの見易さは秀逸だったっすね。ヨーロッパでのキャッチコピーは「戦闘機のような体感」だったんっすよ。
だけどGM傘下で、GMヨーロッパ戦略の一翼を担っていたSAABはOPELの高級バージョン、実質剣豪・実用車のOPELに対してワンランク上の高級感がSAABの位置だったんっすわ。で、肝心のプラットフォームはOPELの製品で。。。つまり足回りと内装を見なければOPELなんっすよ。典型的なジャーマンセッティングのOPELに対してSAABがしなやかなのは、高級グレードって意味合いからなんっすね。
でも戦闘機メーカーとしての意地がある、っつーんでジェット機の技術をフィードバックしたターボはSAAB製なんっすよ。で、このターボがOPELの上級グレードにも搭載されて。。。アストラなんかのSPORTSってのはSAAB製ターボを積んだバージョンっすからね。日本ではアストラだけだけど、ヨーロッパではベクトラ、VX200(日本ではスピードスター)、コルサ(日本ではヴィータ)、インシグニア(日本未発表で、マークXがパクった奴)等に搭載されてるんっすよ。
つまりね、日本国内でも意外と台数があるOPELがある限り、SAABは思ったほど評価されねえんっすよ。「中身はベクトラだからね」って感じで。だったらベクトラでイイや、ってなるからね?替わりがあるんっすよ。
さらに2000年以降ワーゲンゴルフとアルファロメオ147の大ヒットで焦ったGMは、OPELを大々的に路線変更するんっすよ。それまでの実用車からスポーツセダンへのグレードアップっすね。おかげでアストラは売れたけど割を食ったのがSAABで、SAABを好みそうな人がアストラに流れちゃった。
で、ベクトラとオメガっつーDセグメントEセグメントは他社がどんどん肥大化して高級化していく、加えてスポーツ志向も求められる、っつー流れでベクトラをオメガと統合、満を持してリリースしたんっすけど。。。お父さんのクルマみたいになっちゃって大顰蹙を買っちゃったんっすわ。で、2005年にはアストラの大きい奴みたいなフェイスリフト(若返り)を図ってヨーロッパではそこそこ成功したんだけど、この年に日本撤退。ベクトラC後期型はとてもレアなクルマになっちゃったんっすわ。
このベクトラCのお陰でSAABと被りまくって、結局SAABが割を食っちゃった。吉本が頑張ってのんスタイルを売ろうとM1グランプリで出来レースしたのに、今でも売れまくってんのがオードリー、みたいなモンっすわ。基本吉本巣際のレースでは2位がホントの実力者だからね。
会社傾いてる所の話はさておき、SAABはクルマ単体で見るととてもよく出来たいいクルマなんっすよ。カブリオレなんかバブルで持ち慣れねえ金持った連中が娘や愛人にこぞって買ってあげたのがSAABだったしね?デザインから来るイメージはすこぶるイイんっすよ。そもそも日産シルビアが爆発的に売れたのは女性が「あのクルマ、イイね」っつったからで、エロス丸出しのもてない連中が必死で買ったから大ヒットしたんっすわ。女性の意見って、重要なんっすよ?
だけど実質OPELでしょ?このOPELのプラットフォームって、今のアルファロメオがMiToやジュリエッタや159で採用してるからね?日本でも「じゃあアルファロメオでイイや」ってなっちゃうし、ヨーロッパだとOPELとアルファロメオって選択肢が増えるわけだから。。。価値が上がるには厳しい条件っすよね。
ただね、世の中には生まれてくる時代が悪かった名車っていっぱいあるからね?スバル・アルシオーネなんか10年生まれるのが遅ければ大ヒットしたクルマだからね?それに日本国内でも、可変吸気バルブとMID(マルチインフォメーションディスプレイ)と水性塗料をいち早く量産者に取り入れたベクトラなんか、もっと評価されていいはずなのにケチョンケチョンだったからね?MIDなんか日本ではようやくプリウスで知られるようになったけど、オペルは1996年に採用してるからね?燃費とか出る、ってのが1996年に既に付いてたからね?
っつー事であと10年して「そういえばSAABって、独特なクルマだったよね」って気づく人が現れたら、その時が再評価の時で正当な評価を受けるんだろうねぇ。。。個人的にはいいクルマだと、思うっすよ?
お礼
さすがの回答ありがとうございます。プラットフォームがオペルだとは知りませんでした!勉強になりました!