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オペラファンの方。
十代の若者(高校生)にお勧めのオペラ、これをお聞かせください。 クラシックが好きな高校生に、ということで・・・ (その若者のクラシック愛好の傾向にもよるでしょうが、この場合は、相手の好む作曲家の傾向などを抜きにして、「これこそが名盤」という貴方が選ぶ一枚を お教えください) (1) 高校生の男子には何を? (2) 高校生女子には? (3) 性別を問わず男子にも女子にも聴いてもらいたい! というものは? よろしくお応え願います。
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こんにちは。 生徒さんには、オペラはマイクを使わない人間の生の声と音楽の魅力を極限まで引き出すことで成立する素晴らしい芸術であるということを、知ってほしいです。 オペラにも様々なストーリがあり、その中で登場人物がどんな心境で、どんな風に懸命にその時を生きようとしているのか、それを歌い上げているものが「アリア」です。ただなんとなく綺麗な旋律を歌っているのではなくて、溢れんばかりの想いを、磨き上げた常人離れした声に込めて奏でるから、個々の作品がその魅力を発揮できるんです。 実際の人生だって、子供たちはこれから、一生懸命に生きながらいろんな事態にぶち当たるはずです。 だからこそ、歌詞の内容は詳細にわからなくていいから、ただ聴かせるだけじゃなくて、いま聴いている音楽にどんな想いが籠っているのか、どんなことを歌っているのか、それを知って、感じてもらえたらと思います。 そしてそんな歌を歌うことが出来るのは、古今東西にプロは多けれど、本当に一部の歌手たちだけです。特に日本とヨーロッパとの間には、そのテクニックにも価値観にも、大きな隔たりがあります。とても残念だけれど。だから今回は、歌手にこだわった選定をさせていただきます。 また、このような観点から、僕には男の子向け、女の子向け、という選定が難しかったので、恐縮ですが下記から選んでいただいてよろしいでしょうか。 ■http://www.amazon.co.jp/Art-Singing-Golden-Voices-Century/dp/B00004UF02 このDVDには多くの名歌手の音源・映像が収録されています。 下記はその34トラック目です。 歌手:Maria Callas(マリア・カラス) 曲名: 「Vissi d'arte(歌に生き、恋に生き)」TOSCA(トスカ)というイタリア・オペラからです。 トスカという歌姫が歌うアリアです。 陰謀に巻き込まれて、「好きな人の命を助けたいなら一晩だけ自分の女になれ」と脅迫されている場面で歌われます。 彼女は、自分はこれまで、歌に生き、恋に生き、罪あることなど、決してしてこなかった、 貧しい人たちを知れば、そっと手を差し伸べたし、いつも心からの信仰をこめて祭壇には花を捧げてきた、 それなのに、この苦しいときに、どうして、どうして、主よ、わたしに、このような報いをお与えになるのですか? どうして、どうして!と、嘆きの歌を歌います。 同じ映像がYoutubeにもありました。 https://www.youtube.com/watch?v=NLR3lSrqlww ■Maria Callasの「La Traviata」大手のCD屋さんならたいてい置いていると思います。 歌手:Maria Callas(マリア・カラス) 曲名:「Addio del passato(さよなら、過ぎ去った日々よ)」La Traviata(直訳=道を踏み外した女、邦題=椿姫)というイタリア・オペラより。 高級娼婦だったヴィオレッタはある日、本当の恋をしました。 でもこのアリアを歌うとき、彼女は好きな人とその家族のために身を引いて、自らは不治の病により自分の余命がそう長くなくなったことを自覚しています。そこで、全てを知った彼女の恋人が、いま彼女のもとに向かっているとの知らせを受けるのですが・・・ このような病気の前ではどんな希望も無に等しい、さようなら、過ぎ去った楽しかった夢の日々・・・ 全ては遅すぎる。神様、この道を踏み外した女に、どうか微笑みかけて・・・ 間もなくすべてが終わる・・・ どうか神様、この道を踏み外した女に、微笑みかけて・・・ と歌い上げます。 この歌唱の中ではPP(ピアニッシモ)が多用されますが、この小さな音も、80人ほどのオーケストラの上を飛び越えて、劇場の隅々まで聴こえます。ただ聴こえるだけじゃなく、空気が振動して、人の心に届きます。 以下、Youtubeの音源です。 https://www.youtube.com/watch?feature=endscreen&v=CmcG8fcVWkk&NR=1 ■http://www.amazon.co.jp/Gioachino-Rossini-barbiere-Siviglia-Import/dp/B0039I1HN4 曲名:Il barbiere di Siviglia(セビリアの理髪師:全幕) 歌手:Juan Diego Florez(ファン・ディエゴ・フローレス) ちょっと、言葉がわからないと難しいとは思ったのですが、これは笑える方のオペラです(笑) フローレスのロッシーニ(作曲家の名前)は素晴らしいです。 アジリタ、というかつては基礎的な技術でしたが現代では特殊なテクニックを使います。簡単に言えば、早歌いです。 このオペラは、本当は権力をもっている若き伯爵が、一目ぼれした一人の美女にプロポーズして承諾してもらうまでの顛末を描いた喜劇です。本当は理髪師だけど「街の何でも屋」を売りにするフィガロが伯爵の恋を応援して奔走します。 状況的に仕方なく彼女にも身分を隠して会うから変な誤解が生まれたり、変装して彼女が閉じ込められている屋敷に入り込むから要らぬ苦労が発生したり・・・でも最後は男らしく伯爵らしく力づくで決めにかかる!!ハッピーエンド!!という内容です。 DVDの映像がYoutubeにありました。全部がDVDのものではありませんが、曲は一緒です。 --- https://www.youtube.com/watch?v=IRDgLEP2iSU&list=PLD6153CE8153B8E43 物語の最終局面、自分こそが伯爵であることを明かした後、男らしく伯爵らしく大勢の前で好きな人への想いを明らかにする場面です。 実はこのアリアはあまりに難易度が高いため、現代でも歌える歌手も録音も共に少ないです。多くの公演では難しすぎてカットされますが、本当はこのオペラのクライマックスの一つなんです・・・後半のアジリタは圧巻です。 --- https://www.youtube.com/watch?v=z6b8pP_cgMk&list=PLD6153CE8153B8E43 伯爵が音楽教師に変装して屋敷に潜入し、歌のレッスンをする場面です。すでに2人は両想いですが、彼が伯爵であることを彼女は知りません。 --- https://www.youtube.com/watch?v=fAJUoLk4DqA&list=PLD6153CE8153B8E43 彼女に正体を告げて誤解を解く場面。2人の恋は燃え上がりますが、実は早く逃げないといけない状況。イチャイチャする2人の後ろでフィガロが「ねえ!早く行こうよ!マジでヤバイって!ねえ!」とせかしています。面白いです。でも結局手遅れで、3人でどうやって逃げようかあたふたします。 --- https://www.youtube.com/watch?v=LFt-iSxjmGs 文字数の関係で説明割愛 ■http://www.amazon.co.jp/Traviata-DVD-Import-Franco-Zeffirelli/dp/B000T0XEGS 前記のLa Traviata(直訳=道を踏み外した女、邦題=椿姫)なのですが、これは舞台というより、オペラを映画風に撮影したものです。街中や田園風景のなかでストーリーが進んでいきます。歌唱も素晴らしいです。 歌手:Teresa Stratas(テレサ・ストラータス) 歌手:Plcido Domingo(プラッシド・ドミンゴの若い頃) またここには、カットされていて短いですが、バリトンの有名なアリアがあります。 恋に狂う息子に、こんな恋はやめて、家族のために家に帰ってこい、と説得する、美しいアリアです。 以下Youtubeより。全然違うコンサートの映像ですが。歌っているのはRenato Brusonという名バリトンです。すでにだいぶ年ですが、それでもまだ素晴らしいです。 https://www.youtube.com/watch?v=sMXK8FsucKs ■Luciano Pavarotti(ルチアーノ・パヴァロッティ) でも、音源を探すのはちょっと難しいと思います。 有名なのになんで??と思われるかもしれませんが、出回っている録音は、彼の全盛期のものはほとんどないからです。全盛期の彼の声は、信じられないくらい素晴らしかった。 もう文字数が限界に来ました・・・ 本当に奇跡的に、Youtubeにはいくつかありました。あとは僕が気に入っているCD(DVDは無し・・・)の情報を載せます。もしよければ、ぜひ、探してください。 https://www.youtube.com/watch?v=_CC9U43BFio&list=PL2F868F3348321786 彼の名を一躍有名にしたのがこれ↓↓ https://www.youtube.com/watch?v=vbK9gas4UGw https://www.youtube.com/watch?v=0Gp3Yv2hndk&list=PL6D293254453626B7&index=26 http://www.amazon.co.jp/Bellini-I-Puritani-Vincenzo/dp/B0000041SB/ref=sr_1_cc_3?s=aps&ie=UTF8&qid=1362999132&sr=1-3-catcorr
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- DateSuikyo
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1.ヴェルディ『オテッロ』マリオ・デル・モナコ主演、カラヤン指揮のユニバーサル盤。きわめてドラマティックでカッコいい。ヴァーグナー『タンホイザー』(ルネ・コロ主演、ショルティ指揮のユニバーサル盤)も可。 http://www.amazon.co.jp/Otello-Vienna-Philharmonic-Orchestra/dp/B000YCLR74/ref=sr_1_3?s=music&ie=UTF8&qid=1362960031&sr=1-3 http://www.amazon.co.jp/Tannhauser-Slipcase-Wagner/dp/B00006469W/ref=sr_1_1?s=music&ie=UTF8&qid=1362959936&sr=1-1 2.プッチーニ『ラ・ボエーム』ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス主演、トマス・ビーチャム指揮のEMI盤(手に入るかな? 入らなければ、ミレッラ・フレーニ主演、カラヤン指揮のユニバーサル盤)。 http://www.amazon.co.jp/La-Boheme-Puccini/dp/B000063UM0/ref=sr_1_4?s=music&ie=UTF8&qid=1362961107&sr=1-4 http://www.amazon.co.jp/Puccini-La-Boheme-Giacomo/dp/B0000041TD/ref=sr_1_1?s=music&ie=UTF8&qid=1362960219&sr=1-1 3.ベッリーニ『ノルマ』マリア・カラス主演、トゥリオ・セラフィン指揮のEMI盤。メロディとドラマの最高の結合形。オペラの魅力を凝縮したような作品です。1953年録音と60年録音の2種類がありますが、どちらでも可。 http://www.amazon.co.jp/Bellini-Norma-Serafin/dp/B002N4DYZY/ref=sr_1_9?s=music&ie=UTF8&qid=1362960258&sr=1-9 http://www.amazon.co.jp/Norma-Bellini/dp/B000002S0O/ref=sr_1_59?s=music&ie=UTF8&qid=1362960695&sr=1-59 以上、40年以上前の古い録音ばかりですが、最近はCDが売れないため、コストの掛かるオペラ録音をレコード会社はやりたがりません。たまに録音しても拙速の雑なライヴばかり。古いけれども丁寧に録音された、定評ある名盤を選んだ方が賢明です。 さらにいえば、さまざまなマイナー・レーベルから往年の名歌手のライヴ録音が色々発売されています。中にはきわめて優れた名演もありますが、ほとんど例外なく音質が悪いので、感受性の鋭い若い耳は受け付けないでしょう。これらも避けた方が賢明です。
お礼
数々の秀逸なお勧めをありがとうございます。 >40年以上前の古い録音ばかりですが、~たまに録音しても拙速な雑なライヴばかり。古いけれども丁寧に録音された、定評のある名盤を選んだ方が賢明です。 その通りでございます。 オペラやクラシックは(他の事柄にも言えることでしょうが)、新しけりゃいいってもんじゃないのだということを痛感させられますね。
- SPS700
- ベストアンサー率46% (15297/33016)
僕は、あまりオペラのことは知らないので、別に資格があるとは思わないのですが一言。 僕の回りのアメリカの高校生は大なり小なり反抗期に居ます。先日も「オーボエどうかな?」と聞くので「リード高いぞ」といったら、「吹奏楽部に入ったのでオーボエ吹く」とか。「俺に聞くなよ」と言いたい所です。 したがって「『フィガロの結婚』を見ろ」と言ったら絶対に見ない。「『ボリスゴドノフ』なんか愚作中の愚作」と言ったら、すぐ見に行く、ようなのが多いです。 日本の高校の生徒さんは、もっと真面目なんでしょうが、この近所のはあまり参考にもなりません。
お礼
再びお応えをありがとうございます。 (大分前に「音痴」に関する質問を投げかけた際にもお応え下さいましたね)(「音痴の人というのは、自身の歌声の音程がくるっているということを合唱中などに自覚しているのだろうか?」といった内容の質問でした) 貴方様もひょっとするとアメリカにお住まいなのですか? 私は中西部に住んでおります。 貴方様の身近の若者はかなりのあまのじゃくが入っておりますようですね。 …しかし若者というのはそういうものなのでしょうね。そのくらいの方が逆に、ある意味、見所がある、と言えなくもない・・・けれども、身近で接する者からすると、かなり面倒なことでしょうね・・・ そういう私自身、大人からすれば相当なあまのじゃくだったろうと記憶しております。 (お勧めのオペラとは関係のない話に及んでしまいました)
- Tann3
- ベストアンサー率51% (708/1381)
オペラは時間もお金もかかる「道楽」だし、惚れた別れた、不倫だ陰謀だ、といった大人のドロドロした世界ですので、健全な高校生にはお勧めできません。 合唱から音楽の道に入った高校生なら、好きな歌手や歌から古典的な定番オペラに入るのがよいのではないでしょうか。とりあえずは、飽きずに全曲聴き通せることが先決です。 「これこそが名盤」というものより、BS放送などで放映される「映像付き」で楽しむことをお勧めします。DVDでもよいです。オペラはビジュアルも含めた総合芸術ですし、日本語字幕も出ますので集中して楽しめます。 「例えば」ということで、少し挙げてみます。私の好みで、イタリアオペラ、フランスもの、ロシアものが少ないのはご勘弁を。 ・お子様でも安心の健全メルヘンオペラ フンパーディンク作曲「ヘンゼルとグレーテル」 モーツァルト作曲「魔笛」 ・中身はさておき、入門オペラ ビゼー作曲「カルメン」 ロッシーニ作曲「セヴィリアの理髪師」 ヴェルディ作曲「アイーダ」 ヨハン・シュトラウス作曲「こうもり」 ・少し慣れたら定番オペラ ワーグナー作曲「ローエングリン」 ヴェルディ作曲「椿姫」 プッチーニ作曲「トスカ」「ラ・ボエーム」 リヒャルト・シュトラウス作曲「ばらの騎士」 ・究極の目標 ワーグナー作曲「ニーベルンクの指輪」 ・不道徳のためよい子にはお勧めできないもの モーツァルト作曲「フィガロの結婚」、「ドン・ジョヴァンニ」、「コシ・ファン・トゥッテ」(女はみんなこうしたもの) ワーグナー作曲「タンホイザー」
お礼
たくさんの例を挙げていただき、ありがとうございます! 参考になりました。
- 安房 与太郎(@bilda)
- ベストアンサー率27% (228/822)
オペラ入門 ~ 英語版字幕がおすすめ ~ (1) 18750303 初演 ビゼー37《歌劇「カルメン」“前奏曲”》佐渡 裕・指揮 http://www.youtube.com/watch?v=_gwZCO5YwwM (2) 19040217 初演 プッチーニ46《歌劇「蝶々夫人」“ある晴れた日に”》マリア・カラス http://www.youtube.com/watch?v=khPrm3aFxd4 (3) 18740405 初演 シュトラウスII49《喜歌劇「こうもり」“序曲”》ウイーン・フィル http://www.youtube.com/watch?v=NXV0LdEo9bM http://q.hatena.ne.jp/1201503764#a798324 (No.3 20080129) ↓大学生諸君! ~ 来た、観た、読んだ ~ http://q.hatena.ne.jp/1197285422#a785642 (No.3 20071210)
お礼
いくつもの回答、更に画像の添付をして頂きありがとうございます!
お礼
まさにおっしゃる通りです・・・ 歌の良しあしは聞き取れても、歌っている人間の裡側が視えないというのではオペラを本当の意味で楽しめているとは言い難い、と私も思います。 ああ、マリア・カラス。私も大好きなので、…かなり贔屓目も入ってしまいますが、彼女の歌声、それにその歌う姿を鑑賞しておりますと、まさにGenuineなものを感じないではいられません。歌う彼女の心がまっすぐに突き刺さって参りますね。演技を超えたところの情感があふれかえっている、といいますか・・・ やはり、美しすぎます。あらゆる点で彼女は天性のDivaですね。 いかなる美辞麗句を費やしても足りない、というくらいです。 他色々なご意見、お勧めの数々、ありがとうございました!