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配電線の立ち上がり電柱とは?特徴と理由を解説
- 配電線の立ち上がり電柱とは、配電用変電所から出てくる電力を地中ケーブル側と架空配電線側に分けて引き下げるための装置です。
- 立ち上がり電柱には高圧自動気中開閉器や高圧結合器などの特徴的な装置が取り付けられており、都市部でよく見かけます。
- PASとは電力を取り出す際に使用される切り替え装置であり、両方の側から電力を供給できるようになっています。
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No.2です。 質問者さんが添付している写真の電柱に立上がっている高圧ケーブルが変電所から出て地下を通ってきての引き出し第一柱ならば、当然のように架空配電線との境には気中開閉器が取付られます。 ここは配電線のループ化とは全く無関係の位置であり、ここでの開閉器の役割はその変電所からのフィーダーの開閉のためです。 通常は変電所からの引き出しケーブル側と架空配電線側の両側に気中開閉器の遠制用電源変圧器を設置します。 開閉器の一次側と二次側の両側から電源を取らないと、子局による操作はもちろん遠隔操作による開閉器の操作ができません。 PASにはVTが内蔵されたものは現在では主流ですが、配電線用の開閉器にはVTの内蔵されているものはありません。 なので開閉器の電源用変圧器は必ず併設されています。 電灯変圧器2台並びに混乱してるようですので再度書きます。 かなり昔はあのような装柱も存在しました。 しかも開閉器専用変圧器というわけでもなく、一般の需要家へもそこから供給していました。 開閉器操作用の子局へは操作用の電源を開閉できる制御箱などもなく常時通電状態だったため、誤操作により開閉器を開閉するトラブルもありました。 変圧器を共用する事による電源でのトラブルもありました。 なのでずいぶん昔にはもう開閉器操作用の電源変圧器は開閉器のそばに取り付けられ、開閉器専用となって久しいのです。 未だにそのような装柱が残っているのであれば、それは東電がその程度の認識であるということです。 私は質問者さんが住む地域とは違う電力会社の管内で配電線工事の会社を営んでおりますが、私がまだ若い頃、今から25年程前にこちらでは通常の開閉器をいわゆる自動化開閉器に取り替える工事が多くありました。 線路にバイパスを取り付けして活線で開閉器を取り替える作業です。 先に述べたような旧式の自動化開閉器も当時新型の自動化開閉器に取替ました。 その当時我が社の先輩作業員に聞いた事実を述べています。 大都市とか小都市とかそのような理由ではなく、その変電所が受け持つフィーダーの中に商業地や工業地がある場合は配電線のループ化は必須なのです。 配電線のループ化は供給電力の観点からも有力な面はありますが、本来の目的は事故停電の際の供給停止範囲の縮小です。 それとFTASなどの最新の開閉器の登場で供給支障箇所の瞬時の判別に威力を発揮し、供給可能範囲の早急な送電に役立つものです。 これに関しては説明すると長くなるので割愛します。 古い住宅街では配電線はループ化していますが、遠制開閉器が設置されていない可能性があります。 逆に高圧受電の顧客のないような郊外ではループ化などしません。 そのような地域では遠制開閉器ではないため子局はありませんし、開閉器用の変圧器もありません。 以前の他の質問にも言いましたが、東電管内の配電線設備は現在ではどこの電力会社の配電設備よりも旧式のものが多く残っています。 そのような理由でそういう装柱が未だに残っているというだけのように思います。
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- EleMech
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>倍の容量の変圧器1個じゃだめな理由でもあるんでしょうかね? この辺りは設計の範囲なので、詳しくは分かりません。 基本的には50kVAx2台までとなっていると思いますが、まれに大きいものもありますし、金額的なものが理由ではないでしょうか。 設置場所がないほどの供給容量であれば、変圧器容量も大きくせざるを得ないと思います。 しかし台数を増やせるのであれば、規格のものは大量仕入れのため安価であり、それを使用した方が良いという事だと思います。 それが動力供給にも通じていて、三相変圧器を使用せず、変圧器2台でV結線する理由だと思います。
お礼
うーん。納得です。 経済的理由ということなのですね。
- EleMech
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>ということは1台は需要家用でもう1台は遠方制御器用という意味でしょうか? 済みません。 記憶違いにより、誤答をしてしまいました。 ここは、No5で修正した通り、柱上変圧器から供給されていません。 自動気中開閉器より、供給されていたと思います。 供給用開閉器PASのように、小型変成器のようなものが内蔵されていると思います。 >低圧電灯2回線用の変圧器というものがイマイチ良く分かりません。 低圧電灯用変圧器が2台で、2回線という意味です。 その為、それぞれの変圧器に単相供給されているので、2本x2台で4本になります。 >大都市では幹線を細かく分割しているためラーメンカップが多く設置されているのでしょうか? 変電所の遮断器容量は決まっていますので、大量に電力を消費する大都市部では供給範囲が狭くなってしまいます。 その為、多数の小地区へ供給する必要があります。 それに加え、大都市では無停電を保障する必要があるので、ループ配電により回線の両端に立ち上がりがあるという事も、遠方制御器が増える原因になります。 質問者様は素人と仰っていますが、とんでもなく玄人の領域に居られると思います。 その為、これからも私の知っている範囲ではお答えさせていただきますが、お話しできない部分もありますので、その辺りについてはご了承ください。
補足
>低圧電灯用変圧器が2台で、2回線という意味です。 倍の容量の変圧器1個じゃだめな理由でもあるんでしょうかね? 実に不可解です。 やはり大都市では人口密度が高く住宅が密集しており高圧需要家数も地方の比ではないので 支線を多数設けて細切れにしているのですね。 電気全般(電気理論・発電・送電・配電)を目下勉強中です。 今後もお世話になるかと思いますがどうぞよろしくお願い致します。
- EleMech
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No.4です。 記憶違いの部分がありましたので、修正いたします。 >>トランスが2個あって4本引き下げられているPAS付き電柱など普通街中では見かけません。 >単純に低圧電灯2回線用で、変圧器を2台設置しているだけだと思います。 >「その内の1台から、遠方制御器に電源を供給していたと思います。」 この部分が間違っていました。 確か、遠方制御器の電源は、高圧自動気中開閉器から100Vを貰っていたと思います。 PASの中にも、操作電源を取り出せるものがあるので、これと同様に小型変成器が内蔵されているのだと思います。 その為、柱上変圧器は2台とも、低圧電灯2回線を供給する為に使用されています。 済みませんでした。
- EleMech
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>トランスが2個あって4本引き下げられているPAS付き電柱など普通街中では見かけません。 単純に低圧電灯2回線用で、変圧器を2台設置しているだけだと思います。 その内の1台から、遠方制御器に電源を供給していたと思います。 20年前までは余り無かった装置ですが、その後急激に設置され、現在は立上り部の気中開閉器のほとんどが自動制御できるようになっていると思います。 >PASを作動して線路が切り分けられた時どちら側からも電力を取れるようにという >意味なのでしょうが実際はどういった理由なのでしょうか? 高圧の差込型カットアウトのヒューズが切れる事はまれなので、遠方制御器の電源が停止する原因は高圧架空電線の停止がほとんどだと思います。 その為、両方の変圧器から電源を供給する理由は、ほとんど無いと思います。 >高圧結合器(大きい碍子) これは、耐塩形のケーブル終端接続です。 これに、気中開閉器のリードをUボルトでネジ留めします。 通常は沿岸地域に使用すると説明されますが、電力ではかなりの内陸部まで使用して、塩害による停電を防止しています。 >PAS PASとは呼んだ事が無いですね。 通常の手動気中開閉器がASなので、当時は自動ASと呼んでたと思います。
補足
>単純に低圧電灯2回線用で、変圧器を2台設置しているだけだと思います。 その内の1台から、遠方制御器に電源を供給していたと思います。 ということは1台は需要家用でもう1台は遠方制御器用という意味でしょうか? 低圧電灯2回線用の変圧器というものがイマイチ良く分かりません。 古くはなかったみたいですし。 それに遠方制御器(子局)がついていて区分開閉器がついていても変圧器がついていない電柱もあったりしました。 ラーメンカップですが地方の小都市はビル等の大型建築物が少ないせいか住宅街でも殆ど見かけません。 素人が観察するに高圧配電線立ち上がり第一柱、幹線の支線分岐点、他フィーダーからの供給可能地点と思われる地点では必ず見かけました。 架空cvt配電線方式や巨大な都市形柱上変圧器が付いているような大都市では裏路地でも結構見かけました。大都市では幹線を細かく分割しているためラーメンカップが多く設置されているのでしょうか?
- ytrewq
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御質問者がお考えの通り、開閉器や遠制子局の制御電源を電源側と負荷側の両方から取れるようにしているものと思われます。 順送式の故障区間検出方式では配電線事故で再閉路失敗による区間確定後、再々閉路して事故区間までの健全区間は自動的に復電しますが、事故区間から先の健全区間は停電したままです。 そこで、配電線末端で常時「切」となっている他フィーダー連携点の開閉器を入にして通常とは逆に負荷方向から電気を供給して事故区間以降の健全区間を復電します。 逆方向からの供給のための開閉器操作は遠方制御によって行いますが、開閉器投入の電源が負荷側からも取れるようになっていないと、投入できません。 変電所立ち上がりの開閉器に限らず、逆送による復電に対応した区分開閉器は負荷側からも制御電源が取れるようになっているはずです。
お礼
詳しい解説ありがとうございます。 やはり電灯変圧器が2台設置されているのは高圧気中開閉器で遮断した際に跨いで他の変電所からも電力を供給出来るようにするためなのですね。 それと高圧気中開閉器は変電所に一番近い立ち上げ電柱、地絡・短絡事故発生時に他フィーダーからの供給が出来るようにする地点や幹線の支線分岐点等に子局とともに設置されるのですね。
高圧気中開閉器はその制御の役割と仕様により数種類があります。 PASと呼ばれるのは高圧需要家などの区分開閉器の事であり、通常の配電線上では使用しません。 ただし高圧ケーブルによる高圧需要家への引込以前にGR付きPASを取付するような例もあります。 写真で見る限りではTYSの様に思います。 自動化開閉器には質問者さんが言っているように、遠隔操作等で開閉器を開閉するための電源を確保するために開閉器を跨いだ両側から電源を取ります。 ただしTYSと呼ばれる仕様の開閉器は実際には遠隔操作をするためには、質問者さんがラーメンカップと言ってる子局を現地で作業員が手動で操作して切り替えてやらなければ遠隔操作はできません。 TYSは配電線のループ化に使用する開閉器ではないのでこのような仕様になっています。 なお実際にはそのラーメンカップは遠方制御器などではなく、現地にて直接作業員が開閉器を操作するための子局と呼ばれるリモコンのようなものです。 FTAS等の開閉器の種類によっては完全に遠隔制御できる仕様もあり、そこには通信ケーブルや制御用の電源が入っているのは全て同じですが、それでもなお子局は現地にて直接開閉器操作するための装置です。 写真で見る限りでは正確には判断できないのですが、その変圧器は開閉器の操作電源用にしては大きすぎるようにも見えますし、位置があまりにも低すぎるようです。 たまたま東電管内にそのような装柱の地区もあるということなのかもしれませんが、通常では開閉器の操作電源用変圧器は開閉器のすぐそばに装柱し、専用のプライマリーカットアウトスイッチもすぐそばに装柱します。 これは専用とする事によって誤操作を防ぐ目的と、他の負荷からの何らかの障害から影響を受けないようにするためです。 質問者さんが高圧結合器と言ってるものは写真で見る限りではおそらくは高圧ケーブルの端末処理に使用する塩害地区仕様の碍子の事だと思います。 >トランスが2個あって4本引き下げられているPAS付き電柱など普通街中では見かけません。 良く注意して柱上を観察してみて下さい。 子局のある開閉器の乗った電柱なら通常は開閉器のそばに0.5KVA変圧器があると思います。 開閉器の制御の仕様によって片側電源の箇所も両側電源の箇所もあるはずです。 必ず開閉器専用の変圧器になってるはずです。
お礼
子局は開閉器を操作するリモコンなのですね。 塩害地区仕様の碍子と言われれば確かに沿岸部なのでそう言われればそうかもしれません。 0.5kva変圧器というものは初めて知りました。 しかしいくつかの子局のある開閉器を見渡しましたが見つけられませんでした。 だとすると写真の例は0.5kvaより全然大きい変圧器なのでそれはそれでなぜか気になるところです。
- stardelta
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おっしゃっている物と違っているかもしれませんが、 ある程度のブロックごとにPASがあって、事故停電などの際に順々に自動的に再投入する仕組みがあります。 高圧線路はループになっていて事故点によって右回り、左回りに順に投入していきます。このときの投入電源をとるために両側にトランスがついています。 右回りに投入する場合は左側のトランスが生きてから規定秒数でPASを投入します。そこで異常がなければ次のPASが生きて、というように順々に投入していき事故点まで行って障害が残っていればその地点の投入は中止となり波及事故となります。 このようにどちらから通電してもPASを自動投入するためのトランスが2つついています。
お礼
ありがとうございます。 停電復旧対策でそうなっているのですね。
お礼
詳しい解説ありがとうございます。 どうやら東電管内には時代遅れの設備が多く残存しているようですね。 興味深いです。 余談ですが設備の古さの点では中国電力も負けてはいません。 なんと配電線の気中引き出しを行っている配変が数ヶ所も存在したのです! 建屋のコンクリの壁から碍管を通しての立ち上がりで電鉄変電所の饋電線によく似ていました。 東電管内と違って2導体で立ち上がっており、柱2本の立ち上がり第1柱に複数の高圧気中開閉器及び箱型の遠方制御子局が設置されていて高圧配電線が複雑に絡みあって物々しい雰囲気でした。 電気設備は奥が深いです。