”死んでしまった後はどうなるのでしょうか。
新たな天皇が誕生するのでしょうか。”
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崩御されたその瞬間に新しい天皇が誕生します。
法的には、タイムラグは存在しません。
”ずっと淡々にそれを繰り返して行くのでしょうか”
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そうやって2千年近く繰り返してきました。
もっとも、昔は崩御と即位は切り離されていたときも
ありましたが。
”天皇の役割はいったいなんなのでしょうか”
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(1)そもそも天皇は、中国に対する独自性、対等性の発露として
顕れました。
当時の中国は、世界のGDPの30%を超える超大国でした。
このままでは、日本は中国に飲み込まれてしまい、独自性が
失われてしまう、という危機感があったのです。
地続きの韓国はこれが出来ませんでした。
天皇という呼称は中国の皇帝よりも偉そうなので、中国が怒り
日本討伐の話まで出たほどです。
中国の属国であった韓国などは、これが気に喰わず、未だに日王と呼んでおり、
天皇という言葉は使いません。
現代では欧米民主制に対する独自性の徴表としての意味を持っています。
(2)幕末、天皇制が無かったら、日本は列挙の植民地になっていた
かもしれません。
徳川幕府の受け皿として天皇の存在は大きいものでした。
(3)明治維新直後の日本人は、薩摩藩人とか藩意識が強く、日本人という
意識は薄いものでした。
それで山県有朋と西周が相談して天皇を持ってくることにしました。
お前等は、薩摩藩人という以前に、天皇が治める日本という国の国民
つまり、日本人である、という意識の植え付けです。
これが成功しまして、日本はアジアで一番最初に国民国家の樹立に成功
しました。
中韓は、これができず、日本に遅れをとったのです。
特に中国などは大正時代の留学生でも、中国人という意識は
ほとんど持っておりませんでした。
北京人、上海人という意識だけです。
(4)国家というのは幻想です。人間の頭の中にあるだけの存在です。
だから、常にお前達は国民だ、国家に属しているんだ、と
国家を意識させる必要があります。
これをやらないと、人は国民になれず、バラバラになってしまいます。
その為、オリンピックや国体などの行事が行われるのです。
国旗、国歌などもその為のツールです。
天皇という存在ほど国家の存在を意識させるものはありません。
なにしろ、2千年近くの歴史をバックにしているのです。
人々は、天皇に接すれば、イヤでも国家を歴史を意識せざるを得ません。
(5)戦前は汚職が少なかったのです。
これは、公務員は天皇の使用人ということで、汚職は天皇に対する
犯罪で許されない、という意識が強かったためと言われています。
その代わり、職権濫用が多かったのです。
現代は、逆になりました。
(6)戦後、米国は天皇制を残しました。
これは社会主義に対する防波堤の役割を期待したためです。
社会主義は平等を理念としますので、天皇のような存在とは
相容れなかったからです。
事実、当時の共産党は天皇制廃止を強く訴えていました。
天皇制の役割はまだまだ沢山ありますが、ちょっと考えて
何か意味あるの、役に立っているの、という程度で廃止しろ、
と軽率に決断すべきではないでしょう。
それをやってヒドイ目にあったのが社会主義諸国です。
一見合理的でないように思えても、先人が大切に残して
きた伝統は、重要な意味がある場合が多いのです。
無くしてから、後悔しても遅いのです。
”日本はこうすべきとかなるべきとか何か日本に対してあればお願いします”
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天皇の後継者が先細りになっています。
早急に対策を立てる必要があります。
お礼
なるほど… 歴史って重要なのがわかりました。 今ある世の中が成り立っている訳とか人々が歩んできた道を知るきっかけにもなるし知っておかなければならないものだと思いました。 やっぱり教育は大事ですね。 長々と分かりやすくありがとうございました。